cinema

インビジブル・ゲスト

最近は忙しくて映画館に行くことはむろん、DVDを自宅で見ることもなかなかできないが、やっと時間を作ってミステリー映画をひさしぶりに見た。これは当たりだった。密室に愛人の女性の死体と二人きりでいるところを発見された男性。彼は犯人なのか?何者…

マダムと女房

買っておいておいたのだがなかなか見る機会がなく、今日になって学生たちと一緒に視聴した。有名な、日本初のトーキー作品。こんなマンガチックな、ユーモラスな作品だったのか。トーキーの特徴を生かし、さまざまな音があふれている。主人公の作家はちょっ…

ダークスター

懐かしい感じのする宇宙船もの。宇宙船や爆弾が知能を持っているところから、人工知能の先取りと言えなくもないが・・・爆発しようとする爆弾を、哲学(現象学)を使って説得するところなど、面白い。

消えたシモン・ヴェルネール

フランス映画で、フランスの高校生たちが主たる登場人物。タイトル通り、まずシモン少年が失踪し、続いて、何人かの生徒も消えてしまい、クラスメイトたちはその謎について語り合う。「桐島、部活やめるってよ」的な話かと思ったが、そういうわけでもなかっ…

今度は愛妻家

鬼子母神のそばにスタジオを構える写真家の夫(豊川悦司)は、口うるさい妻(薬師丸ひろ子)に怒られてばかり、時に浮気の虫も騒ぎ出す。とうとう妻は腹に据えかねて、離婚を口にするが、実は妻はすでに一年前に・・・。はっきり言って2時間10分は長く感…

22年目の告白 私が殺人犯です

1995年、阪神大震災の年に起きた残虐な連続殺人事件の犯人が、時効を迎えて自ら名乗り出て、告白本を書き、それを出版社が大々的に売り出す。しかし彼がテレビに出演すると、今度は真犯人を名乗る人間が、動画投稿サイトに、犯人にしか撮れなかったと見られ…

ペルシャ猫を誰も知らない

テヘランで音楽活動をする若いカップルのアシュカンとネガルは、海外での自由な音楽活動を望み、友人のナダルを介して、偽造パスポートを作ってロンドンでコンサートを行おうとする。また、海外に同行してくれる仲間を募るために、テヘランのミュージシャン…

イースタン・プロミス

ロンドンを舞台にした、ロシアマフィアもの。子供を生んで非業の死を遂げた少女の遺品ノートには、マフィアの悪巧みがかかれていた。生まれた子供を守ろうとするロシア系看護婦と、マフィアたちとの戦いを描く。クローネンバーグ監督の名作です。

ザ・シャウト

これは「怪作」というべきだろうか。 精神病院に収容された男は、自分の経験を、第三者である音楽家の視点で語りだす。 音楽家夫妻の家に、謎の男(語り手)がやってくる。男は図々しく夫妻の家に居候し、妻を寝取る。夫には、自分は呪いの叫び(シャウト)…

三姉妹

「無言歌」「鉄西区」などで知られるワン・ビン監督のドキュメンタリー作品で、今回の主人公は、雲南の山の中の農村で暮らす幼い三姉妹。家は汚いが、家畜などは多数飼っており、現金収入は少ないながらも極貧という感じではない。一番上の娘が小学校に上が…

二重生活

主人公は修士論文を執筆中の大学院生である珠(門脇麦)。篠原教授(リリー・フランキー)に論文の相談に行くと、無作為に選んだ人を尾行して、人間の実存を考えたらどうかと提案される。珠は書店で、隣人(長谷川博己)が営業している姿をたまたま見つけ、…

FAKE

ゴーストライター騒動発覚後の、佐村河内守夫妻に密着して撮影されたドキュメンタリー。告発した神山さん、告白した新垣さんとは別の視点から事件が描かれる。障害者手帳は返納することになったが、佐村河内氏がなんらかの聴覚障害を負っていることは間違い…

ブレイクアウト

ニコラス・ケイジとニコール・キッドマンが初の夫婦役。彼らが一人娘と住む豪邸に、4人組の強盗(一人は女)が覆面で突入する。彼らは夫に、金庫を開けるように要求するが、夫は強硬に拒否。そのうち、強盗の中でも仲間割れが起き、また、妻は強盗の一人を…

愛、アムール

ミヒャエル・ハネケ監督作品。ハネケの作品は好きで、ほとんど見ている。 冒頭から、老女がベッドで亡くなっているネタバレ的な場面で、音楽家の老夫婦が死に向かっていくさまが静かに描かれる。妻の手術が失敗し、半身不随となり、夫が面倒を見るのだが、病…

フェイシズ

ミラ・ジョヴォビッチがヒロインを演じるサスペンスミステリー。彼女は連続殺人犯の顔を見たはずだが、ショックで相貌失認となってしまった。しかし、犯人の側は彼女の顔を知っていて、口封じのために狙いにくる、というストーリー。

ゴーン・ガール

結婚5年目のニックの妻が出て行った。美人で、ハーバード大学出身のライター。台所からは血痕が検出される。事件に巻き込まれたのか、失踪か? ネタバレになるのでこれ以上は控えるが、さまざまなたくらみがあり、目が離せない。メディアや司法の問題も含ま…

イディオッツ

トリアー監督は異色作を多く撮る人だが、これもまた驚くような作品。中心となるのは、精神障害者の振りをしてイタズラや小遣い稼ぎをする若者たち。ドキュメンタリー風に撮られているので、現実のグループと誤解する人も出るかも。そのグループが崩壊してい…

Room237

これは異色の映画。映画「シャイニング」について、批評家などが語るという、非公認批評作品。いったいキューブリック監督は何をもくろんであの映画を作ったのか、人類が犯してきた虐殺という罪を意識させるためなのか・・・。奇抜な意見としては、キューブ…

共喰い

田中慎哉の芥川受賞作の映画化。原作を概略しか覚えていなかったが、楽しんでみることができた。話そのものは陰惨なもので、やや中上健次を思わせる。女を殴りながら性交する父親の「血」を恐れる高校生が主人公。主人公を演じる菅田君や、母親役の田中裕子…

危険なメソッド

クローネンバーグが描く、ユングとフロイトの確執、そして、ユングとその女性患者との愛。登場人物はほぼみな実在のようだが、もちろん事実について多少の潤色はあるのだろう。精神分析を科学だと主張したいフロイトと、科学の扱えない領域を掬いとりたいユ…

共喰い

田中慎哉の芥川受賞作の映画化。原作を概略しか覚えていなかったが、楽しんでみることができた。話そのものは陰惨なもので、やや中上健次を思わせる。女を殴りながら性交する父親の「血」を恐れる高校生が主人公。主人公を演じる菅田君や、母親役の田中裕子…

危険なメソッド

クローネンバーグが描く、ユングとフロイトの確執、そして、ユングとその女性患者との愛。登場人物はほぼみな実在のようだが、もちろん事実について多少の潤色はあるのだろう。精神分析を科学だと主張したいフロイトと、科学の扱えない領域を掬いとりたいユ…

ソウル・キッチン

ハンブルクを舞台に、大衆レストラン「ソウル・キッチン」を経営する主人公の若者が、腰の病気、遠距離恋愛の破綻、仮出所中の兄の不始末など、様々な不幸に見舞われ奮闘するコメディ。監督は、ハリウッド風の脚本をあえて真似して作ったという。

エッセンシャル・キリング

アルカイダ系のテロリストがモデルなのだろうが、ひげずらの男が、米軍3人を殺してひたすら逃げる。面白いかと聞かれたら、まあそれなりに、と答えるほかない。

偉大なるアンバーソン家の人々

「市民ケーン」と並ぶオーソン・ウェルズの代表作。わがままな一人息子の代に名家が没落して行くさまが描かれる。もっとも、漫然と見ていると、いったいどこが凄いのか分からないのだが・・・

殺しの後にタンゴを

主人公は精神分析医の女性だが、ふとしたことから人を殺してしまう。殺した男は警官であった。その警官の妻や同僚と親しくなる中で、その警官の隠された顔を知ってしまう。意外な結末に驚く傑作。

不連続殺人事件

坂口安吾の長編推理小説の映画化。原作は読んでいないのだが、トリックは他の本で読んで知ってしまっていた。話の筋立てといい、俳優の演技といい、いかにも大時代的であり、また、登場人物が多すぎて一度で理解できないところもあるのだが、一度見ておいて…

おみおくりの作法

主人公はロンドンで、孤独死した人たちの遺族を探し、葬儀を執り行う業務についている。丁寧な仕事をしているが、ある日、行政改革の一貫で隣の地区と合併となり、主人公はリストラを言い渡されてしまう(後任にはガサツな女性が就任)。最後の仕事も、主人…

ザカリーに捧ぐ

これはトラウマになりそうなドキュメンタリー映画。頭のおかしな女に息子を殺された老夫婦。その女が、息子の子ども(つまり孫)をお腹に宿していた。この映画を撮っているのは、息子の古くからの友人。危険な女から孫を守ろうとするのだが、悲劇は繰り返さ…

私が愛したグリンゴ

ジェーン・フォンダが企画、主演した恋愛譚。南米に教師として出向くつもりが、嘘手紙に騙され、革命運動の渦中に入り込んだ女性が主人公。死に場所を求めてやってきた老作家ビアスと、革命軍の将軍の二人に愛される。