2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

生殖革命

もう四半世紀前の書物だが、生命倫理の古典の一つ。体外受精やクローン、遺伝子操作などについて、「国家生命倫理委員会」の創設を提唱しつつも、基本的には民主主義、すなわち人々の任せようとの積極的な姿勢で話題を呼んだ。哲学者シンガーと、国会議員ウ…

現代映画、その歩むところに心せよ

現代映画についての評論集。「新・調査情報」「世界」「中央公論」や映画プログラムに発表された文章をまとめたもの。正直言って、川本三郎氏の文章自体にはあまり新鮮な驚きを感じないが、多数収録されている海外の映画監督のインタビューからは、得られる…

クローズド・ワールド

冷戦期の米国における、軍と情報技術との関係を描く。タイトルの「クローズド・ワールド」とは、排他的な軍事エリートの世界のことを指す。コンピュータの発達、SAGEシステム、サイバネティックス、人工知能、心理学者のミラーの話など、それなりにおも…

対馬が危ない

ずいぶんとセンセーショナルなタイトルの本だが、中身が薄い。後半は、国会議員へのアンケート結果がずるずる書いてあるだけで、中心部は十数ページ、雑誌記事で充分だ。要は、対馬の土地の一部を、韓国資本が買っているという話なのだが、その率は0.36…

沖縄の島へ全部行ってみたサー

タイトル通り、沖縄の有人島への旅行記。美しい写真も多数載っているが、歴史や政治・経済に関する記述が少ないのは残念だ。著者は元新聞記者だが、難しいことを書くと読者が減ることを心配しているのかもしれない。ほとんど島の人や旅行者とのふれあい、そ…

沖縄イニシアティブ

2000年3月の、琉球大学の教授3人による「沖縄イニシアティブ」は、発表以来「現状追認・基地容認」として一部から厳しい批判を浴びてきた。本書は、その中身の解説と、批判への反批判。いずれの意見をとるにせよ、沖縄の人々にとって、戦後は終わって…

ゴダール・マネ・フーコー

70を超えても、蓮實さんは元気だ。フランスへ気軽に出かけ、映画を見、ゴダールらと旧交をあたためる。そういえば出世作のタイトルも「フーコー・ドゥルーズ・デリダ」だったか。蓮實節に心地よく(?)身を任せて行くことになるのだが、キットラー『グラ…

映像論序説

北野圭介氏は私が尊敬する映画研究者の一人だが、氏の新作「映像論序説」は、近年の日本人の手による映像論の中でも、最も優れたものではないかと思う。マノヴィッチの「ニューメディアの言語」を始め、欧米の「ニューメディア論」の主要著作をきちんと紹介…

生と死の倫理

功利主義哲学者ピーター・シンガーの著作。「人命をすべて平等に扱え」といった「古い戒律」が、現代では維持できないことを説いて論争を読んだ書物だが、特に過激な主張とは感じない。ただ、チンパンジーとヒトのDNAが酷似していることをもって、種の連…

荘司雅彦の法律力養成講座

弁護士の著者による六法の基礎的な解説。著者の頭が良いことはよく分かるけれど、情状酌量の余地のない被告人に「法廷で涙を流せば一ヶ月くらいは刑が軽くなる」とアドバイスするといった話は、弁護士という職業への不信感を募らせる。被害者のことを少しは…

生薬単

「骨単」のシリーズだけれども、「骨単」や「肉単」が英単語の記憶に焦点を当てていたのに対し、本書は化学組成や学名、効能を記憶するための書で、薬学や化学を学ぶ人向け。とはいえ、豊富なトリビアは共通していて、本書に書いてあることを記憶できたら、…

14歳からの社会学

宮台真司氏の、子供向けの社会学書だが、社会学というより人生訓か。「人」には高い期待を持ってもいいが、「仕事」には高い期待を持つな、というところがツボ。

沖縄久米島の総合的研究

昨日紹介した「久米島」の続編的な書物。科研終了後に、法政大学が自費で、久米島研究を継続した。社会科学系の論文(経済、産業)が増えた。もっとも、一番ページ数をとっているのは、久米島の民家についての悉皆研究(!)。図面多数。

googleの入社試験

非公認とあるように、グーグルの入社試験について、伝聞などの二次情報に基づいて再現したもので、グーグル自体が認めたものではない。なかなか考えさせる問題もある。

毎日新聞ニュースより 旧夢前町:CATV工事代金145万円を簿外管理 「私的流用なし」 /兵庫 06年3月に姫路市と合併した旧夢前町で、ケーブルテレビ(CATV)事業で余った工事代金約145万円を合併時に一般会計に繰り入れず、簿外口座を作って…

沖縄久米島

昭和54年から3年間、文部省の科学研究費を使って法政大学沖縄文化研究所がおこなった「沖縄久米島における言語・文化・社会の総合的研究」の報告書の論文編(もう1冊、資料編がある)。約800ページ、二段組の大型本だが、最もページを割かれているの…

シマが基地になった日

こちらは、その阿波根さんの活動を第三者が子供向けにリライトしたもの。

命こそ宝

「米軍と農民」の阿波根さんの著書。伊江島に「反戦平和資料館」を作った経緯などが語られる。私も行きたかったが、時間がなく断念した。

最近、土曜日は歯医者に行くことが多いのだけれど、今日はいつもより長い時間待つことになった。まあ待合室で本は読めるのだが・・・

数の国のルイス・キャロル

「不思議の国のアリス」のルイス・キャロルの本業が数学者であったことは知られているが、その伝記や数学への貢献について詳しく記されている。例えば、非常に兄弟が多かったこと(女子7人男子4人の11人兄弟)、手紙魔だったこと、父親もまたオックスフ…

無理数と超越数

超越数について書かれた日本語の単行本はこの一冊だけらしいので読んでみた。なんとか通読はしたものの、途中の数式展開は難しく、私には残念ながら歯が立たなかった。

朝方の飛行機で、那覇から神戸空港に戻り、そのまま会議のために大学へ。疲れている。

うるま市、北谷町、沖縄市、南城市

うるま市役所、沖縄市役所、北谷町役場、南城市役所で地域情報化政策の取材。浦添に行けなかったのが残念。 那覇市内で宿泊。

伊江村、名護市

本部港から伊江島へわたる。ちょうど祭りの時期で、人が多い。港からちょっと歩いて伊江村役場へ。地域情報化政策の取材。2時間近くお話を伺う結果となった。それほど内容が濃かった。『離島の地域情報化政策』を出してくれる出版社があれば、そこに書きま…

久米島町

神戸空港から早朝の便で那覇へ、さらに久米島へ。役場で地域情報化政策の取材。イーフビーチの方へ歩いて行き、昼食はソーキソバで済ませる。ちゃんとコンビニ(ココストア)があることに驚く。久米島はもともと、具志川村と仲里村に分かれていたが、200…

戦後沖縄の社会変動と近代化

琉球大学の与那国名誉教授の著書。米軍支配が沖縄社会にもたらした影響を描く。 余談だが、著者の名前の「暹」(セン)というのは、あまり使わない字だ。シャム(現在のタイ)を昔は「暹」「暹羅」と書いた。この字、部首はしんにょうのように見えるけれど、…

複数の沖縄

立命館大学での連続講演を基にした論文集。

沖縄の日本軍

沖縄の久米島で、日本軍が「スパイ容疑」との言いがかりをつけて住民を虐殺した事件について、当事者に話を聞いたルポルタージュ。鹿山という当時の指揮官が、住民が非協力的だなどとえらそうなことを言っておきながら、島の16歳の少女を愛人にして連れ歩…

古代ユダヤ教(上、中、下)

一週間ほど前からチビチビ読み始めて、やっと読み終わった。残念ながらこの本は、読者を選ぶ。ユダヤ文化について相当の予備知識がないと、どこが面白いのかよく分からない。この本についても、プロ倫と同じように、資料の扱いについて批判があるのかな。

IQ遺伝子

タイトルからなにかきわもの、トンデモ本でないかと心配したが、そんなことはなく、ちゃんとした学者さんのまっとうな本だった。遺伝子で人間のなにがどこまで決まるのかについては、科学ではまだ分からないときちんと書いてある。たとえばある遺伝子を持つ…