cinema

活きる

1940年代の共産主義革命から毛沢東支配の50年代、60年代を生き抜いたある家族の生き様を描く。主人公は割りと大きな家に生まれたものの、ギャンブルで身を滅ぼし、家を取られてしまう。しかし「塞翁が馬」で、家を得た男は地主として処刑され、命だけは助か…

ロフト

建築家のヴィンセントを初めとする男達5人が「浮気部屋」として共有する「ロフト」で、女の死体が発見された(ロフトと言っても、狭い屋根裏部屋などではなく、高層ビルの最上階の広い部屋である)。しかも血まみれで、謎のラテン語が血文字で書いてある。…

東風

一度は見なくてはいけないと思っていた。ゴダール率いる「ジガ・ヴェルトフ集団」による、実験的手法を用いた「革命映画」。登場する革命家の名前も、もはや歴史であるし、この映画自体もいろいろと古びてはいるけれども、今なお人を興奮させる何かを持って…

悪夢のエレベーター

堀部圭亮氏の監督第一作。 あまり期待しないで見始めたのだが、なかなかの佳作。内野聖陽氏の演技に違和感があったのだが、それが「演技内演技」(登場人物が演技をしている)であることがのちに分かる。エレベーター内に閉じ込められた、4人による悲喜劇。…

奇跡の海

ベスが結婚したばかりの夫は、石油掘削現場で働いている時に、不慮の事故で全身不随となってしまった。夫は妻に、別の男と寝て、それを報告してくれと言う。ベスは戸惑うが、自らの「神」と対話する中で、その願いをかなえることに決め、危険な船へと体を売…

肉弾

岡本喜八監督作品。先日テレビで紹介されていたので見てみた。若き寺田農が、特攻隊となった学徒兵を全裸で熱演、大谷直子がその束の間の恋人を演じる。戦争の滑稽さを笑い飛ばす。

ハンナ・アーレント

ハンナ・アレントを主人公に映画を作るという志の高さは理解できる。が、あまり面白くはない。この映画で描かれているのは、アレントが米国に移住してそれなりの年月が経った後、アイヒマン裁判の傍聴記を頼まれ、その中でアイヒマンを極悪人ではなく平凡な…

KOTOKO

原案&主演のCoccoと塚本晋也監督ががっぷり四つに組んだ、見るのが結構痛い映画。Coccoが、強迫神経症的でリストカットが癖になっているシングルマザーを熱演する。塚本監督自身も、Coccoに惚れる中年作家の役で出演。

みつばちのささやき

両者ともビクトル・エリセ監督作品で初めてみた。 「エル・スール」の方は、昔の恋から逃れられない父親の姿を、娘の視点で描く。「みつばちのささやき」は、妹の「アナ」と姉の「イサベル」という幼い姉妹が主人公。二人が映画「フランケンシュタイン」を見…

エル・スール

sushi girl(スシガール)

これまたふざけた話と言うべきか。スシの女体盛りが運ばれた場所は、6年前の強盗事件で組んだ6人の男たち。一人は事件時に死亡し、一人は逃げ遅れて刑務所に入ったが、今日、模範囚として出所した。すると、主犯格の男に拉致され、盗んだ宝石の隠し場所を…

インブレッド

おふざけ要素満載のスプラッター映画。借りてみたが、まあ二度と見る必要はないだろう。施設で育った少年少女4人と、保護司の2人が、変な田舎にキャンプにやってくると、そこに恐ろしい人たちがいて、結局皆殺し。やれやれ。

ボーダータウン

メキシコ国境の町で、女性たちがレイプされ殺され、埋められるという実際の事件を基にした映画。ジェニファー・ロペスが、真相を追う女性ジャーナリストを熱演している。

クレイジーホース パリ 夜の宝石たち

パリのヌードショー劇場である「クレイジーホース」の舞台と、それを支えている踊り子さんや演出家、経営者などの実際の話し合いを、ドキュメンタリーで見せる。いやらしさは全くない。

her 世界でひとつの彼女

主人公は手紙の代筆を主として行うライターだが、妻と別居中で離婚話が進んでおり、一人暮らしをしている。そんな時であったのが、人工知能OSの「サマンサ」。サマンサは、その驚異的な学習能力で感情を身につけ、主人公はサマンサと恋仲になるのだが、さ…

コード・アンノウン

ミヒャエル・ハネケ監督作品。ハネケの作品にしては、画面からシャープさがやや失われているように感じるが、緊張感は保たれている。パリの女優を主人公に、それを取巻く人々や事件を、差別問題を絡めながら描いているが、群像劇であるのに、結局最後まで話…

テイキング・ライブズ

他人を殺し、その人生を奪って生きてゆくサイコパスの男と、その犯罪を暴こうとするFBIの女性捜査官の攻防を描く。俳優陣の熱演が光るが、ストーリーとしては単純過ぎるか。

サッド・ヴァケイション

青山真二監督作品。浅野忠信演じる主人公が、幼い頃に自分を捨てた母親(石田えり)に対して復讐しようとするが、その「母性」(?)の前に敗北するというのが基本ストーリーだと思うが、いろいろと余計な要素が入っており、有名俳優を無駄使いしている感が…

チェンジリング

クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演。舞台は第一次大戦前のロサンゼルス。ある女性の子供が誘拐された。しかし、かえってきたとして警察から渡された子供は別人だった。いったい何が起きたのか・・・過ちを認めない警察の腐敗と、…

アカルイミライ

黒沢清作品を2本続けて見た。トウキョウソナタの方は、リストラされたサラリーマンを香川照之や津田寛治が上手に演じているが、しかし、ピアノを弾いたことがほとんどない息子が大変な才能を持っていたというのは、何とも非現実的なオチに思える。アカルイ…

トウキョウソナタ

グロリア

ギャングの会計係が仲間を裏切り、使い込みをした上に捜査機関に密告をしたため、見せしめのために本人、妻、娘は殺されてしまうのだが、まだ6歳の息子だけは、妻の友人で近所に住むグロリアのところに預けられて逃げ伸びた。しかし実はグロリアは、まさに…

俺にさわると危ないぜ

都筑道夫の名作『三重露出』が原作だが、話は思い切って単純にしてある。「三重露出」は、ある種の叙述トリックを使った、まさに文章上のミステリなのだが、この映画は小林旭を主人公にして、単なる忍者アクションにしてしまっている。

イメージフォーラムフェスティバル2015京都

イメージフォーラムフェスティバル2015京都会場(京都シネマ)へ。 http://imageforumfestival.com/2015/日本アニメ1 なぐさめのとき 外山光男/デジタル/8分/2014 天使モドキ 中村智道/デジタル/13分/2014 MASTER BLASTER 冠木佐和子/デジタル/4分…

トランセンデンス

クリストファー・ノーラン総指揮で、テロで命を落とした人工知能研究舎(ジョニー・デップ)が、妻と友人の助けを借りて、人工知能の中に自らを移植し、機械の中で生き返る。が、病者を直して組織化(ネットワーク化)するその行動が暴走とみなされ、テロリ…

ブンミおじさんの森

マジック・リアリズムというのか、死者がよみがえり、人間が幽体離脱する。主人公の私は、ブンミおじさんの農場にやってきた。病気でもはや余命いくばくもないブンミおじさんは、亡妻の妹を呼び、農園を継いでくれるように頼むが、その食卓に、亡妻が現れ、…

グラディーヴァ マラケシュの裸婦

ロブ=グリエ監督作品。マラケシュで豪邸を借りて暮らす主人公のジョン・ロック(美術史家)は、ドラクロワが描いたというエロチックな裸婦像に導かれ、夢とも現実ともつかぬ境地へと導かれてゆく・・・確かにエロチックな場面も多いが、日本のAVと比べた…

暗殺・リトビネンコ事件

チェチェン人によるテロとされた事件が実は、ロシアによる自作自演であるなどと「告白」してプーチン政権に狙われ、イギリスで暗殺された元FSBのリトビネンコ氏の発言を主軸に置いたドキュメンタリー映画。私には真偽を判断する材料はないのだが、これが…

ルワンダの涙

「ホテル・ルワンダ」と同様、ルワンダ内戦(フツ族によるツチ族の虐殺)をテーマにした映画で、本作の主人公は、国際貢献を目指してイギリスから教師として派遣された青年。多数のツチ族住民が避難してくるが、国連やフランス軍は、白人だけを救助し、ツチ…

僕らの未来へ逆回転

ミシェル・ゴンドリーの作品。市による立ち退き勧告を受けただけでなく、電磁波によって店のビデオの中身が消えてしまったレンタルビデオ店の店員と友人が、何と自分たちで「リメイク」に乗り出すというおとぎ話。映画好きには泣けるかも。