2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

無人暗殺機 ドローンの誕生

無人暗殺機の「プレデター」はいかに誕生したのか、その経緯を詳しく語るものだが、ちょっと読みにくいのは原文のせいか、翻訳のせいか?

明日を拓く現代史

著者は歴史の専門家ではないようだから多少不安もあるけれど、高校生や、歴史を学ばなかった大学生が、現代史をさっと学ぶには良い本だと思う。記述はかなり偏っていて、例えば中印紛争などが大きく扱われているのだが、それもまた個性。

今日は卒業式、そして謝恩会。みなさんがんばってください。

老人喰い

オレオレ詐欺をする人々はどんな連中なのか。怠け者などではない。大変な気力と根性を要する「仕事」で、ダメな人間はどんどん脱落し、高い「モラール」を持った人間だけが高収入を得ることになる。その描写が大変な迫力で描かれている。貧乏人から200万…

捏造の科学者 STAP細胞事件

あまりに報道が過熱したため、もはやSTAP細胞事件には食傷気味の向きも多かろうが、毎日新聞の科学記者が書いた本書は一読の価値がある。特に、笹井氏と信頼関係があり、笹井氏とのメールでのやりとりが詳細に記録されているところがすごい(ある意味で…

韓国化する日本 日本化する韓国

韓国がかつての日本に学んで実は冷静に国際戦略を練っているのに対し、日本の方が戦略思考ができず(劣化して)国益を損なっているのではないか、という主旨。嫌韓と反中はまったく意味が違い、本来は中国の覇権に対抗するためにも、日韓は連携すべき場面も…

日本の税金

タイトル通り、日本の税金についての概説書。所得税、法人税、消費税、相続税、間接税等、地方税、国際課税という七章構成。日本の会社の95%以上は同族会社なのだな。

ルワンダの涙

「ホテル・ルワンダ」と同様、ルワンダ内戦(フツ族によるツチ族の虐殺)をテーマにした映画で、本作の主人公は、国際貢献を目指してイギリスから教師として派遣された青年。多数のツチ族住民が避難してくるが、国連やフランス軍は、白人だけを救助し、ツチ…

僕らの未来へ逆回転

ミシェル・ゴンドリーの作品。市による立ち退き勧告を受けただけでなく、電磁波によって店のビデオの中身が消えてしまったレンタルビデオ店の店員と友人が、何と自分たちで「リメイク」に乗り出すというおとぎ話。映画好きには泣けるかも。

みんなのビッグデータ

ビッグデータをいかによりよい社会につなげていくか、さまざまな研究や実践が紹介される。たとえば携帯電話のデータから、貧民街でのインフラをどこに整備するかを探るなど。著者はジャナ社の経営者兼ハーバード大学准教授。

迷走・暴走・逆送ばかりのニッポンの教育

教育改革の名のもとに、いかに変なことが行われてきたかを明らかにする(ただし、大学改革の話題はなく、初等中等教育が対象)。「教育再生会議の専門外集団ぶりは、特筆すべきものがあります」って、その通りだよなあ。いかに教育学の専門家が軽んじ、疎ん…

日本の長者番付

個人情報保護法のために、2005年を最後に発表されなくなってしまった「長者番付」。本書は、1948年から2004年までの長者番付ベスト10を掲載し、その主要な人物について解説する。確かに、新興成金の時代、松下幸之助の時代、土地長者の時代、所得税法の改…

反知性主義

「もっとも危険なイデオロギー」の意外な正体を描くというのが紹介文だが、むしろ本書は反知性主義を美化しているように感じた。知性が、権威や権力と結びついたときに、それに反発するのが反知性主義であって、知性そのものに反対しているわけではない、と…

ハイデガーの子どもたち

「子どもたち」と言っても実子のことではなく、ハイデガーに影響を受けた四人の思想家、ハンナ・アーレント、カール・レーヴィット、ハンス・ヨーナス、ヘルベルト・マルクーゼを指す。冒頭にあったが、ハイデガーは師であるフッサールも、そしてここに挙げ…

マーケット・デザイン

同じタイトルの本2冊。川越氏の本はごく最近出たもので、坂井氏の新書は2013年の刊行。もちろん同じテーマなので基本的な部分は重なっているのだが、挙げられている実例に違いがあって面白い。例えば坂井氏の本は、臓器移植や部屋の配分、マッチングなどに…

マーケット・デザイン

現代日本人の意識構造(第8版)

NHKブックスで継続的に出版されている、NHK放送文化研究所による社会調査の最新版。家族観、人生観、ナショナリズムなど、日本人の真の姿が浮かびあがる。

ヒッチコック

ヒッチコックの映画は面白い。残念ながら全部の作品は見ていないのだが、こうした優れた解説書を読むと、見ていない作品を見たくなる。本書は、ヒッチコックの研究書としては一番最初に書かれたもので、実は「めまい」「サイコ」といった作品が作られる前に…

あの子が欲しい

小説。主人公の川俣志帆子は30代後半の独身女性で、2度の転職を経て現在はITベンチャー企業「クレイズ」社で働いており、今年は新入社員の採用の責任者となっている。彼女が行う様々な採用戦略や、ネットでの「工作」(クレイズ社は一部ではブラック企業…

中央公論 2015年2月号

中央公論はめったに読まないのだが、いくつか面白い記事があった。特集「脱「地方消滅」成功例に学べ」は、大して面白くはない。成功例に学んだところで、いまくいく保証などまったくないからだ。特集「大学国際化の虚実」で、明治大学の清水真木氏が、英語…

乱鴉の島

有栖川有栖氏の孤島ミステリ。舞台が三重県に設定されているのは、乱歩「パノラマ島」へのオマージュか。火村とアリスが手違いで、三重県沖の「烏島」に閉じ込められる羽目になる。そこは普段は無人島(かつては漁師が住んでいたが、今では全員離島した)で…

白ゆき姫殺人事件

湊かなえ原作のミステリー。「白ゆき」石鹸を作っている会社の、美人社員(菜々緒)が森で惨殺される。その晩から失踪したライバル女子社員(井上真央)が犯人なのか?テレビレポーターがその謎を追う。twitterが多用されるところはいかにも現代風だが、物語…

トーキング・ヘッド

押尾学、じゃなかった、押井守監督の初期実写作品。主人公の「私」(千葉繁)は、某監督が投げ出して失踪した映画「トーキング・ヘッド」の続きを、「雇われ演出家」として制作することを求められて承諾するのだが、スタッフが次々と、自らの「映画論」を饒…

2100年の科学ライフ

コンピュータは、人工知能は、エネルギーは、医療技術はいったいどうなっているのか、多数の科学者へのインタビュー調査を基にした予測。まあ、さほど意外なことは書いていないのだが・・・

素粒子

ミシェル・ウェルベックの小説。1998年に発表された当時、大変な話題作であったそうだ。主人公は異父兄弟のブリュノとミシュレで、奔放な母親から生まれた二人は、二人とも愛に悩み、愛に苦しむ。

「4分33秒」論

ジョン・ケージの有名な作品「4分33秒」だけで2008年に5回の連続講演を行った著者が、その内容を7年後に本にしたもの。しかし「4分33秒」が何度もレコーディングされていることに驚いた。若尾裕先生の名前を「若尾悠」と間違ってはいけませんね。

リターン・トゥ・ケインズ

上智大学や一橋大学で開催された、国際ケインズ・コンファレンスの発表から選んで、論文集に編んだもの。日本人の著者も3人(編者の平井俊顕氏、吉川洋氏、小野善康氏)いるのだが、元は英語。しかし、古典派や新古典派と、ケインズ派との論争に決着が着く…

高速文字列解析の世界

こちらも統計あるいはプログラミングの専門書。文字列をいかに速く解析するか、実務的な手法が紹介されるのだが、かなり難易度は高い。

一般化線形モデル入門

「線形モデル」という点で多数の統計モデルを統一的に扱う名著なのだが、かなり難しい。

恋と禁忌の述語論理

記号論理学は駒場の授業で履修したことがあるが、その時はやる気もなかったためさっぱり理解できず、むしろその後に自分で勉強して、多少は分かるようになったのだが、なかなか現実に応用するのは難しい学問分野だと思う。しかし著者は、見事に命題論理や述…