2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

この都市のまほろば 3

日本建築学会会長による街歩きの第3巻。私の住む姫路も載っている。

サーチ理論

情報理論の本かとおもったが、経済学の本だった。 経済学でいうサーチ理論とは、完全情報を仮定するワルラス市場を前提とせず、「限られた情報・選択肢」のなかで、各経済主体が取引を行うとどうなるか、研究する理論らしい(知らなかった)。 第一部は理論…

入門 都市情報学

名城大学都市情報学部の先生たちが集まって出した本。あまり統一感はない。

統治と功利

まずこの書が修士論文であるというのに驚いた。著者は1981年生まれで、東大法学部出身だが、この重厚さなら助手論文あるいは博士論文としても充分通用するのではないか(あるいは、これまでの助手論文や博士論文で、このレベルにまで達していないものが…

グローバル・コミュニケーション論

やっと出たようです。家に送られて来ました。 中身について詳しくは、以下のリンクを参照。レベッカ・マッキノンの原稿を取ってきてるのはすごい。 http://www.sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&style=full&code=1297

地図を読む

岩波のシリーズ「自然景観の読み方」の一冊。入門者向け。富士山の最高地点の話がおもしろい。富士山は噴火口がえぐれているので、標高の「極大点」は複数ある。一般の登山者が多く行く吉田口頂上の他、「大沢崩の頭」「白山岳頂上」そして一番高い「剣が峰…

静岡駅から朝方バスで井川駅に向かう。井川から大井川鉄道に乗る。井川から千頭までは、中部電力がダム建設の資材輸送のために敷設した鉄道を譲りうけたもので、ダムを見下ろせる風光明媚な断崖を、ゆっくりと走ってゆく。途中、秘境駅(周囲に人家なく、道…

小田原まちあるき検定

朝早く新宿駅を出て小田原へ。「小田原まちあるき検定」のため。 この検定、まちあるきとタイトルに入っているように、単なるご当地検定試験ではなく、まちあるきまで含めての検定。朝の9時から、10人程度の集団に分かれて、小田原の街を歩く。参加者は4…

筑波大学で集中講義「映像文化論」。終了後、仲田教授と夕食。東京に戻り、新宿でNTT出版の佐々木さんと仕事の打ち合わせ。

14歳

PFFスカラシップ作品。広末哲万と高橋泉のユニット「群青いろ」の作品。テーマはタイトル通り、難しい年頃である十四歳をテーマに、かつて十四歳であった大人と、現在の十四歳とが対峙する。彼らの作品はみなそうだが、画面からは張り詰めたような緊張感が漂…

重力02

これは本というより文芸同人誌。2003年の刊行。前半は絓秀実の1968年革命に関する論考および座談を中心とし、後半は鎌田哲哉や大杉重男の評論が載っている。私はあまり詳しく知らなかったのだが、柄谷行人の「Q]や「NAM」に関する批判・スキャ…

アンドロイドサイエンス

ロボット研究の第一人者、大阪大学の石黒浩教授による、ロボット研究にまつわるエッセイ。非常に有益。石黒教授は、ロボットがパソコンのように、メディアとして普及する可能性を探っている。いまちょっと時間がないので、詳しくはまたあとで。

みんなCM音楽を歌っていた

副題に「大森昭男ともうひとつのJ−POP」とあるように、CMプロデューサーの大森昭男を中心として、さまざまなCMクリエイターを振り返ったもの。三木鶏郎を初めとして、いずみたくや小林亜星、井上鑑や矢野顕子について語られる。

「帝国」の国際政治学

読売・吉野作造賞を受賞した本というので読んでみた。欧米の政治学に関する文献を博捜し、著者がよく勉強していることは分かる。だがこの浩瀚な書物を最後まで読んで得られたものは、いったいなんだったのだろう。例えば学者ごとの「帝国」概念を場合分けし…

分裂にっぽん

朝日新聞での連載をまとめたもの。ごく一部の貧しい人たちの話を誇張して取り上げているという批判はあったが、それがジャーナリズムの本領だろう。税の捕捉をきちんと行い、もう一度所得税の税率を上げることを考えた方がよい。

日本映画史2

日本映画史の2巻は、1941年から1959年までの20年弱で、1巻と3巻が約45年間を扱っているのに対し、最も短い期間だが、太平洋戦争、終戦直後のGHQによる「指導」、1950年代の映画最盛期という、密度の濃い時間とも言える。さまざまな社…

もう一つのミーガン法が必要か?

毎日新聞ニュースより 米国:ネットで「絶交」少女自殺 架空人物と判明、親激怒 【ロサンゼルス國枝すみれ】米ミズーリ州セントルイス郊外で、ネット上で交友する少年に嫌われたと信じた13歳の少女が自殺した。ところがこの男の子は、近所の住民が作った架…

将軍様の鉄道

秘密のベールに隠されている北朝鮮の鉄道事情を丹念に掘り起こした驚異の書。わずかな資料から鉄道路線図を復元し、巻頭にカラーで掲載したことだけでも素晴らしい。北朝鮮の鉄道路線は全部でおよそ5200キロ、電化率は約8割と日本や韓国よりも高いが、…

ネット君臨

毎日新聞で人気を読んだ連載「ネット君臨」の書籍化。ネットのもたらす匿名社会の問題点が中心である。 私も「匿名の言論は卑怯である」と考える実名派であるので共感するところは多いが、記事ではなく一冊の本としてみると、インタビュー、対談などが多く、…

妹と縁を切る

あ、別に私が妹と縁を切ったわけではありません。車谷長吉の話です。 妻が姫路文学館で買ってきたパンフレット『作家 車谷長吉 魂の記録』の巻末年譜を見ていたら、今年の所に「妹・房子と兄妹の縁を切る」と書かれていたので、ちょっとびっくりしたわけです…

一般気象学

大学教養レベルの気象書。大気が循環したり、雲が出現したりといった気象現象を、根本から説明してくれる。ところどころ難しい数式や問題も出てくるが、異常気象や地球温暖化といった問題を論ずるのであるならば、本当はこのレベルくらいの勉強は必要だろう。

鳥居みゆきはすごい

鳥居みゆきって、ちゃんとYouTubeにもWikipediaにも載っていたのですね。けっこうきれいなのに、鬼気迫る感じがする。Wikipediaには、「2001年頃に、アコムのイメージキャラクターオーディションの最終選考まで行きながら落選したとのことで、本人もそのこと…

平成デモクラシー:地方が攻める分権改革

地方分権は本当に進むのか。地方紙を中心に新聞記者たちが、その現場を取材したもの。北海道様似町で、建設費の節約のために幼稚園と保育園とを一つの建物にしたものの、文部省と厚生省の縄張り争いのため、その間の扉を国が封印した事例はショッキングだ。

香港・日本映画交流史

これまであまり研究対象となってこなかった、日本と香港の映画交流史の空白を埋める著作。著者は香港生まれで東大大学院に留学、蓮實重彦らに師事した。川喜多長政が香港映画に果たした貢献が高く評価されている。

お笑い進化論

現代のお笑い芸人のネタを分析している。分析そのものは「?」だが、引用されているネタはおもしろい。鳥居みゆきってだれ?

財投改革の経済学

著者は財務官僚として、小泉改革を支えた立役者の一人。郵政民営化や財投改革の必要性が、データとともに説得的に描かれる。特に重要だと思ったのは、国家の資産額を評価する必要性。確かに財政赤字は巨額だが、政府が所有する資産なども、諸外国と比べて日…

カラヴァッジョへの旅

文学部の宮下准教授の著作。絵画の制作中は集中し、それ以外の時間は剣持ち放蕩を重ねていた「天才画家」カラヴァッジョ(1571-1610)。遂には乱闘の末に人を殺めてしまい、ローマからナポリへ、シチリアへと逃亡行を続けつつも新たな作品を描くが、38歳にし…

下流社会第2章

ベストセラーの続編。副題の「なぜ男は女に負けたのか」というのはオーバーだし、調査データをメリハリをつけるために誇大に解釈しているところがある。「下流」の自分さがしはビジネスとして仕組まれているという部分にだけは、納得した。

ユーゴ内戦

2001年の9.11テロや、それに続くイラク戦争によって、やや忘れられた感がある「ユーゴ内戦」の詳細を、ミロシェヴィッチ(セルビア)、トゥジマン(クロアチア)、イゼトベゴヴィッチ(ボスニア)という3人の指導者の動きを中心に跡づけたもの。他…

屋根の上の赤い女

どちらもダメ作品。文化庁の後援らしいが、やはり公的な助成はよくないのだろうか。根本的に脚本が悪い。前者は主人公の性格づけがはっきりしない。後者も、まったくリアリティを欠くため、リアルな映像との整合性がない。監督は、タイトルを先に思いつき、…