2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ダンサー・イン・ザ・ダーク

暗く絶望的な話だということは知っていたが、本当に救いがない状況が、上手に描かれている。主人公が冤罪で死刑になるという時になっても、友人とは意地を張り合うし、弁護士は貪欲で、警察は腐敗しており、陪審員は愚か・・・ダンサー・イン・ザ・ダーク [D…

南極1号伝説

俗に「ダッチワイフ」とも呼ばれる性的愛玩用人形(今では「ラブドール」と呼ぶそうだ)について、その製作者側と、利用者側とに取材してまとめたもの。日本文化の中では日陰者扱いだったこうした分野に、初めて光を当てた著作といってよいのではないか。南…

官僚との死闘七百日

高橋洋一氏などとの同志として、安倍内閣の改革を支えた著者による手記。著者の本業は東京新聞論説委員なので、ジャーナリストが政権中枢に入ることに関してしては、賛否両論あるかもしれない。高橋氏の本の方が迫力はあるけれど、こちらの本にはところどこ…

妻の誕生日。昼は日航ホテルへ中華を食べに行く。晩は義母にフランス料理をご馳走になる。おいしかったけど、バターたっぷりでさらに太りそうだ。

サイバーペット

西垣通教授の小説。意外に面白かったが、評論を付すというのはどうなのだろう。小説だけで完結させる方が潔いのではないだろうか。

虚構の「近代」

フランスの科学人類学者ラトゥールの著作。「自然」と「社会」(文化)という誤った二分法を批判するのが主旨のようだが、どうにも難解で分かった気がしない。翻訳もやや読みにくい。

低炭素化時代の日本の選択

著者は元環境省の官僚で、現在は京大教授。地球温暖化対策の必要性を説く。第2章で企業の環境対策についてアンケートを実施し、日本企業になまだまだ環境を改善する余地があるところを実証したことは評価できる(ただこのアンケート、回答率は2割程度で低…

世界飛び地大全

名著「国マニア」の吉田一郎氏の著作。そのタイトルに恥じず、世界中の「飛び地」についての知識が満載である。飛び地は植民地政策が生み出したものが多いが、それ以外にも、宗教が原因だったり、はたまた領主の気まぐれに近いような行動で生まれたものなど…

エンデの遺言

これも遅ればせながら読んだ。NHKの番組をもとにした書籍。私の若いころ、ファンタジー作家と言えばエンデだったが、今の若者はどうなのだろう。やっぱりハリポタなのか。さて本書では、エンデが『モモ』などでこだわっていた、現代の金銭中心の経済シス…

壱岐市

朝に博多埠頭からジェットフォイルで壱岐の郷の浦へ。壱岐市立図書館、壱岐郷土館を見学し、壱岐市役所で地域情報化政策の取材。山川課長にお話を伺う。対馬ではケーブルテレビを整備しているが、壱岐ではちょっとムリという。壱岐の方が面積は小さいが、小…

姫島村、豊後高田市

国東半島の伊美港から姫島へ。姫島村は一島一村の自治体だが、車エビの養殖に成功、行政体としては、公務員の給料を下げて(ラスパイレス指数は約70で日本最低)多くの雇用を確保するという政策で成功してきた。情報化関連では、水産庁の補助を受けてケー…

まちをリファインしよう

リファイン建築の第一人者による、まちづくり論。主たるフィールドは大分南部の、現在は佐伯市に合併された地域。

周防大島町

山陽本線の大畠駅からバスに乗って屋代島へ。周防大島町役場で地域情報化政策の取材。意外にもブロードバンド化への取り組みは早い。4町合併時に作られた『周防大島町地域情報化計画』もゲットできた。 夕食は徳山で。駅近くの近鉄松下内にある天ぷら屋「天…

ウィンドウ・ショッピング

アン・フリードバーグの名著。確か10年くらい前に原書で読んで、すぐに翻訳が出る本かと思っていたがどこからも出ず、結局15年後にやっと出た形で、思いだしながらページをめくった。パサージュ論であり、映像論であり、モダニティ論である。

午前中は大学でデスクワーク。午後は大阪梅田に出て、大阪市立大学の石田先生の主宰する研究会へ。西兼志氏のアーカイブ論を拝聴する。東海大学の水島久光氏もいらしていた。ベルナール・スティグレールは偉大だと認識させられたが、私はとても原書に手を出…

マキァヴェリアン・モーメント

政治思想家ポーコックの代表作というべき大著。 前半はマキャヴェリの思想を15世紀フェレンツェの文脈の中にあとづけてゆく。グイッチャルディーニの思想との比較が一つのよみどころだろう。後半は、大西洋圏とくにイギリスの近代において、マキャヴェリの…

写真は礼文島のスコトン岬です。

Infotopia

サイバーカスケード、という用語をつくりあげたサンスティーンの著作。Wikipediaに代表されるネット上の集合的な知性のあり方の可能性と限界を、具体例に即して解説してゆく。なにか派手な結論があるわけではない。

甲骨文字に歴史を読む

殷代の自然環境や祭祀、政治について、甲骨文字から読み解いていく。著者はまだ三十代半ばだから、研究者としては若手と言っていいと思うが、その甲骨文字の的確な読解に感嘆した。しかもあとがきによると、殷代の歴史に関する専門書は、ここ30年あまり出…

雨に打たれたせいで風邪気味ですが、無事自宅に帰ってます。友人・学生諸氏、御安心ください。 写真は奥尻島のイカ干し。

奥尻の南端の青苗までバスで移動。津波犠牲者の慰霊碑(写真)に黙祷し、「津波館」も見学。その後歩いて空港へ。奥尻空港は何もない空港。奥尻町民は、町からの補助があり、9000円で函館往復できるそうだ。本来は通常期往復28800円。 飛行機は5分早く離陸…

奥尻町

長万部からバスで瀬棚へ。フェリー乗り場でイカ定食のあさごはん。フェリーで奥尻へ。奥尻町役場で地域情報化政策の取材。北追岬公園で、流政之氏の彫刻作品8点を楽しむ。 浜旅館に宿泊。おいしい夕食・朝食がついて6500円は安い。写真は二日前、礼文町郷土…

稚内市

稚内市役所で地域情報化政策の取材。情報化計画も入手できた。 午後は列車で北海道を南下。宗谷本線の車窓はすばらしいが、旭川にもなかなか着かない。長万部で泊まる。エクセルインというホテルを予約しておいたが、雨の中を締め出され、ひどい目にあった。…

礼文町

利尻の鴛泊港から礼文の香深港へ移動。礼文町役場で地域情報化政策の取材。総務課の武田敏さんにたいへんお世話になる。そのあと、礼文町郷土資料館http://academic1.plala.or.jp/reikyoi/shisetu-shiryou.htmを見学。稚内行きのフェリーの出航まで時間の余…

利尻富士町、利尻町

利尻富士町役場、利尻町役場で地域情報化政策の取材。利尻島郷土博物館、および利尻町立博物館を見学。利尻島にもちゃんとコンビニ(セイコーマート)があるのにびっくりする。 写真は利尻富士町役場。意外と立派です。

千歳空港から利尻空港へ移動。花りしりで宿泊。 写真は利尻山(利尻富士)。

北海道の離島

既に18年前の本で、データ等はかなり古くなってしまっているけれど、北海道の離島というテーマに絞って解説した本はこれ以降ないのではないか。観光情報中心だが、民俗学的な事柄にも触れられている。

北海道へ

北海道出張。神戸空港から千歳空港へ。海老庵夫妻と夕食。札幌泊。 写真は旧北海道庁。

図説 世界の地域問題

中高の先生を主たる対象にした本だけれど、一般向けにも有益。見開き2ページごと、80の地域問題が取り上げられている。自然環境重視で民族紛争や政治問題がやや少ないという印象は受けるが、アルプスの移牧が高山であまり行われなくなっていること、東南…

進化論の五つの謎

「プリマー新書」だからといって侮れない中身。進化について、根源的に考えてゆくスリリングな哲学。