2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

国立近代美術館、東京都写真美術館へ。夕食は原さん夫妻と。

東京へ

東京へ。途中、湖西線に乗ってマキノで途中下車、琵琶湖を見ながらランチ。近江塩津回りで木之本でも途中下車し、北国街道を歩いて情緒を楽しむ。

知的会話のための英語

第一部、第二部の、思想や学問用語の部分は、「知的会話」のためというのは言いすぎで、まあその入門編程度の水準だが、第三部の「ディスカッションの技術」のための英単語は、便利な言い回しが多く、なかなか勉強になる。

宰相不在

ジャーナリスト上杉隆氏の時評をまとめたもの。確かに総理が小粒になっているのは否めない。政権投げ出しの安倍、福田、そして、余裕もなくマスコミに切れがちな麻生総理。彼らはみな2世、3世議員で、1世議員の「三角大福中」の持っていた強さがない。そ…

離島研究II

離島研究の2冊目。浜比嘉島(沖縄)、粟島(香川)、飛島(山形)などを扱う。第1章「島嶼住民の最寄りの中心都市での滞在可能時間」が面白い。要は、DIDを持たない離島から、DIDのある「中心都市」へ日帰りする場合、いったい何時間居られるのかを…

セブンーイレブンの正体

週刊金曜日の本。内容的には以前読んだ「コンビニ 不都合な真実」とかなり共通している。セブン−イレブンの高収益の背後には、泣かされているオーナー、納入業者、配送業者が多数いる。不明瞭な会計計算(ピンはね、過剰発注させ棄てさせるシステム)の問題…

自由と社会的抑圧

今年はシモーヌ・ヴェイユの生誕100年に当たる。もはや同時代人というよりは歴史的人物となりつつあるけれど、夭折した彼女の文章は今読んでも新しく、みずみずしさを失っていない。マルクス主義や、権力分散の夢想を批判、人間の置かれた条件を冷徹に見…

河鍋暁斎

幕末から明治初年にかけて活躍した画家・河鍋暁斎の生涯や作品技法について、暁斎に弟子入りした「お雇い外国人」のジョサイア・コンドルが語る(コンドルは後に帝国大学で建築学を講ずることになる)。読みどころはやはり、暁斎の研究熱心さだろうか。暁斎…

細野晴臣の「東京ラッシュ」です(意外にも森高千里がカバーしている)。こんなビデオがあったとは知りませんでした。

窓あるいは鏡

水島久光氏と西兼志氏によるテレビ論。個別の番組の分析はそれぞれ非常に面白かった。特に、顔についての言及が多いのは、数年前に「テレビの顔」を研究しようとしながら、データ取りが面倒で放っておいてある身としては(もちろん、さらに技術が進んで、映…

変貌する日本の大学教授職

広島大学を中心とした高等教育の研究者たち十数人の共著。激変する環境の中で大学教員たちにどのように影響が及んでいるのかを明らかにしようとしたもの。さほど労働時間が増えたわけではないのに教員たちが「忙しい」と感じる背景には、管理運営に関する仕…

卒業証書授与式。そして謝恩会。学生たちが自発的に謝恩会を開くのは十数年ぶりとのこと(少なくとも私が赴任してからはなかった)。学科改変後の最初の卒業生だから、気合いが入っているのかな。なんかイジられて遊ばれた気もするが、たまには無礼講もよい…

社会調査法入門

社会調査のスタンダードな教科書。特に前半の1章から6章まではかなり分かり易くできていると思う。が、7章から13章までの統計の部分は、標準的な大学生には説明が難しすぎるのではないか。名門大学ならよいだろうが、マンモス私大では放棄する学生が多…

世界へと滲みだす脳

著者の古谷氏を私は知らなかったが、本職は画家らしい。映画、絵画、小説などを論じる評論集。表題作はデヴィッド・リンチを論じたもの。一番面白いのはやはりBパートの絵画論かな。論じられている対象のうち『少女革命ウテナ』や米沢穂信、大道珠貴を私は…

ランド:世界を支配した研究所

原題は「理性の兵士たち」。ランドといえば、米国を代表するシンクタンクの一つであり、戦争に関する研究で悪名高いが、これまでランドに関して書かれたまとまった書籍はなかった。その点でありがたい。ランドの人脈が、特に新自由主義に広がり、大きな影響…

瀬戸内海事典

日本の地中海とも言うべき、瀬戸内海に関する「事典」だけれど、事典というよりは、大人数で書いた小項目のエッセイ集のような感じだ。厚いがページ数はさほど多くないし(紙が厚い)、通読するのもカンタン。とはいえ、さほど詳しくもなく、ちょっと肩すか…

ローマ亡き後の地中海世界 下

本書の扱う範囲は、主として「コンスタンティノープルの陥落」から「レパントの海戦」まで、年代にすると15世紀半ばから16世紀半ばまでの地中海世界である。イスラム世界の覇権はアラブからトルコへ移り、トルコとヨーロッパ諸国との間で闘いが繰り広げ…

リベラル優生主義と正義

国家ではなく個人主導による優生思想を著者は「リベラル優生主義」と呼び、その特徴を哲学の立場から整理する。私がこれまで気付かなかった文献をいくつも教えられたのは有り難かった。

ドーキンスvs.グールド

「利己的な遺伝子」のリチャード・ドーキンスと、「断続平衡説」のスティーヴン・グールドは、20世紀進化生物学のスター2人と言っても過言ではないだろう。この両者の主張の相違点と共通点を明快にえぐった著作(必ずしもすべての点で対立しているわけで…

教育をめぐる虚構と真実

宮台真司氏と神保哲生氏が「まる激トークオンデマンド」で行った、教育に関する鼎談をまとめたもの。ゲストは民間から中学校長になった藤原和博、教育社会学の藤田英典、ゆとり教育の寺脇研、いじめ学の内藤朝雄、教育行政学の浪本勝年、参議院議員の鈴木寛…

毎日新聞ニュースより <定額給付金>「納税に振り替え」撤回 川内村謝罪へ 3月21日1時33分配信 毎日新聞 福島県川内村が村税の滞納者に定額給付金での納税を求める文書を送った問題で、遠藤雄幸村長は20日、「制度の趣旨に反し適切でなかった」として、文…

自治体クライシス

著者はNHKで「クローズアップ現代」などのプロデューサーを務めた。その際の取材経験から、地方自治体が置かれている惨状を描く。具体例として挙げられているのは、リゾート第三セクターの借金で苦しむ青森県大鰐町や、長野県飯綱町、市民病院の赤字で苦…

ザ・ゲノム・ビジネス

DNA解読を目指すヒトゲノム計画とセレーラ社との闘争を描く。クレイグ・ベンターの自伝の方が当事者が書いた分だけ迫力があったが、この書もそれなりにおもしろい。

名古屋の事件もひどい事件でしたが、こちらも忘れてはなりません。産経新聞ニュースより 「犯行態様は極めて残忍」2女性殺害の被告に死刑 神戸地裁 2009.3.17 11:58 兵庫県相生市の自宅で平成17年1月、同県姫路市の会社員、畠藤未佳さん=当時(23)=…

実名告発防衛省

元防衛官僚による内部告発の書。著者はあの守屋元次官と同期入省だが、仙台防衛施設局長時代に早期退職した。額賀元防衛庁長官を初め、何人かの政治家や官僚を実名告発しているが、著者は、接待よりも、天下りの方が金額的にはるかに大きな問題であるとし、…

イメージの帝国 映画の終り

ニューヨーク大学東アジア学科准教授の吉本光宏氏の著作。ポスト構造主義的映画批評の実践。「マトリックス」や「マイノリティ・リポート」「プライベート・ライアン」「ジョーズ」「宇宙戦争」などが論じられる。特にマトリックスについては、おびただしく…

ゼミおよびゼミ追い出しコンパ。

映像コンテンツ産業とフィルム政策

全くの書き下ろしではなく、2002年に出版された『映像コンテンツ産業論』の大幅な加筆訂正書であるらしい。映像産業の経済的な特性や、ハリウッドの歴史的経緯、アメリカ、カナダ、フランス、韓国などの映画政策などを、十数人で分担執筆している。有名なプ…

人間の尊厳と遺伝子情報

ドイツにおける「現代医療の法と倫理」審議会の最終報告書を日本語に訳したもの。こんな読者を選ぶ本もきちんと出版されるのだな。

日本の島々、昔と今。

有吉佐和子氏にこんな紀行文があったとは知らなかった。岩波文庫の新刊だけれど、もともと1980年ころに『すばる』に連載されたもので、まず集英社で単行本になり、その後集英社文庫、中公文庫にも収められていたそうだから、何度も復活を遂げた幸運な書物と…