2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

地形で読み解く鉄道路線の謎 首都圏編

なぜ中央線はまっすぐなのか?なぜ山手線はいまのような形になったのか?なぜ新京成線はまがりくねっているのか、など、興味深い鉄道路線の謎を解明してくれる、鉄道ファンや地理好きにはたまらない本。素晴らしい。

オン・ザ・マップ

西洋を中心とした地図の歴史。驚いたのは、図書館などで貴重な古地図を切り取って盗み転売する地図泥棒。悪いやつがいたものだ(もっとも、イスラム国の遺物破壊と比べたらましかもしれないが)。他に、郵便改革で有名なサー・ローランド・ヒルの前職が教師…

新しい環境科学

環境科学のよくまとまった教科書で、練習問題が豊富なところが長所(解答は載っていないが)。著者は東洋大学教授。

2015年のビッグデータ

日経による、ビッグデータ煽り本。巻末に紹介されている、「企業におけるデータ活用実態調査」、発送数4206件で203件の回答ということは、回答率5%以下ではないか。こんなものが調査と言えるのか。

これからのメディアをつくる編集デザイン

フィルムアート社の津田さん、川崎さん(二人ともお世話になっています)が中心となって執筆も行った編集の本。短文が中心だが、冒頭と巻末は水越さんや中俣さんの鼎談になっている。

数学に感動する頭をつくる

「大学への数学」などでも活躍している数学講師・栗田哲也氏の著作。子供を数学向きに育てるにはどうしたら良いのか、数学講師のホンネが聞ける。「数学力なんて夢のようなものはない」そうだろうなあ。巻末に10問、おもしろい問題が載っている。

朝日新聞

朝日新聞の記者有志(OBもいるようだが)が、朝日新聞の病巣をえぐる著作。文春の本だから、朝日を批判するだけのものかと思ったが、中はまともだった。朝日の最も悪いところを、その内向きな組織だと喝破する。ほとんどの記者が、上司の顔色ばかりを伺い…

地域メディア力

前半は日本の地域メディアの話、後半はアジア各国のメディアの話で、韓国、中国、台湾、タイが取り上げられている。タイのメディアの話など全く知らなかったので、興味深く読んだ。

ビッグデータを活かすデータサイエンス

タイトル通り、データ分析の技法をビジネスに活かす方法を紹介する。

租税抵抗の財政学

「租税抵抗」とは日常的に使う言葉ではないが、人々の租税に対する抵抗感を示す。日本は租税負担率が低いにもかかわらず、租税抵抗が強いのはなぜか。租税に見合うだけの受益が得られていると感じられないことが大きな要因であるというのが、本書の主張。や…

社会学科と社会学

副題にあるように、シカゴ学派の群像を描くことが主題だが、それよりも、現在の米国を代表する社会学学術誌のAJSの話が面白い。とはいえ、その査読のいい加減さはやっぱり笑えないな。日本の査読もそうとうひどいものがあるけれど。

右傾社会ニッポン

日本が右傾化しているか、という説を検証する。最終的な着地点は、エリートの右傾化がおそろしい、というもの。著者の中野氏は県立大から神戸学院に移ったのだな。

友だちの数で寿命は決まる

孤独が健康に悪いという話はこれまでもいろいろと聞いてはいたが、本書もその一つで、いくつかの研究を紹介する一般書。一般書だけに、文献がきちんと表記されていないのが残念。

アルタード・ステーツ

生理学者のエディは、水槽に使ってトリップする実験を繰り返していたが、ついにはメキシコの原住民の麻薬(?)のようなものに手を出し、とうとう猿に退化するという、懐かしい香りのするSF映画。

例題で学ぶグラフ理論

グラフ理論について、まるで高校数学の参考書のように、多数の問題(解答つき)で教えてくれる。でもなかなか用語が厄介なのだが。「小道」とか「歩道」とか、分かりにくいなあ。

グッバイ、レーニン

主人公アレックスは東ベルリン育ち。父は医者だったがアレックスが幼い頃に西側に亡命し、アレックスと姉は、東ドイツの模範的な教師であった母親に育てられた。いよいよ壁が崩れるというその時、アレックスは反体制運動をしていて当局に逮捕され、そこにた…

世界のインディペンデント・アニメーション2015

神戸アートビレッジセンターで標記のイベントを見る。無料。ドリンクや軽食付。素晴らしい。http://japic.jp/?p=1643第一部は、A-AIR2015招聘クリエイターの作品上映とトーク。オーストラリアからのAlex Grigg氏(男性)と、ロシアからの女性(それもウラル…

格差拡大の真実

OECDによる大部の報告書。各国においてどの程度格差の拡大が見られるのか、また、どのような要因(グローバル化、制度、税制、公共サービスなど)が格差の拡大に寄与しているのかデータから論ずる。

インターネットが普及したらぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ

インフォバーンの小林氏と、日経ビジネスの柳瀬氏の対談。まあタイトル倒れかな。

「反日モンスター」はこうして作られた

韓国において、狂信的な反日家の数は多くないが、その「反日モンスター」たちが力をふるって、政治やマスコミを動かしてしまう。まあ日本でも、嫌韓や嫌中はごく一部の人たちだから、同じことだよね。

工作舎物語

もはや伝説の雑誌といえる「遊」を発刊するなど、一部に熱狂的な人気をほこった出版社が工作舎。「遊」は第二期まではよく売れていたが、第三期に月刊化して失敗し、借金も増え、松岡も退舎せざるを得なくなる経緯は悲しい。本書は、人物やデザインに焦点を…

33年後のなんとなく、クリスタル

本人とおぼしき主人公の「ヤスオ」(なにせ、知事時代や国会議員時代の仕事についてもそのまま書いているのだから、ほぼ等身大なのだろう)が、「なんとなく、クリスタル」に登場させた女性たちと再会し、おいしいものを食べ、いろいろと語り合う。なんクリ…

調査と権力

世界銀行による調査はなぜ「失敗」するのか。特に世界銀行の中にある権力メカニズム(上司への媚や、調査対象である国家との関係、経済学者と他の社会科学者との確執など)から丁寧に論ずる。しかしいったん変なプロジェクトが行われてしまうと、それによっ…

ワルの外交

ウズベキスタンやタジキスタンの大使も務めた元外交官の著者が、外交の実際を教えてくれる。「外交官とは敬語で罵りあうヤクザ」だそうで、ひよわな秀才にはとてもつとまらない。「相手の真意は何か?」を考えるよりも相手をその気にさせる方がいい、という…

ナンバーセンス

著者は『ヤバイ統計学』の著者で、同書の続編的なもの。第一章で、米国のロースクールが、自分の大学のランキングを上げるために様々な工夫をこらして(といえば聞こえは良いが、不正スレスレかもしれない)奮闘しているのが印象に残ったが、日本の大学もこ…

オートメーション・バカ

著者は『ネット・バカ』のニコラス・カー。もっとも原題は「Glass Cage」(ガラスの檻)だから、随分と意訳したものだ。オートメーションに頼ることによって起きる問題を鋭く描き出す。システムの設計者は、人間を「信用できない」ものと考えているから、人…

日経キーワード 2015−2016

日経を読みこなすためのキーワード集。『現代用語の基礎知識』と比べると、通読も容易。

私が、生きる肌

何かで褒められているのを読んで観てみたのだが、これは変な映画だった。医者が、人体実験の材料として美女ベラを「飼って」いるのだが、だんだんと医者の亡き妻に似てくる彼女の正体は何か、という謎をめぐって話は展開していくのだが、唖然とするような変…

歴史の見方がわかる世界史入門

ヨーロッパ近代史を若者向けに平易に解説する。著者自身も1982年生まれでまだ若者と言っていいと思うが、世界史を教える私塾を経営し、一流大学に生徒を送り込んでいるそうだ。

ネット世論が日本を滅ぼす

「元ネトウヨ」を自認する著者が、その立場を脱し、バランスの取れた立場で、ネトウヨおよびネトサヨの病理を描き出す。「日本を滅ぼす」というタイトルは言い過ぎだと思うけれど、「極左・極右の言うことに一理はあるが九理はない」というのはその通りだ。