2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

数学嫌いのための社会統計学

悪い本ではないのだが、けっこう数学はばんばん出てくるし、数学嫌いの人のための配慮がなされているとは言えないと思う。むしろ「数学好きのための・・・」ではないのか?巻末の練習問題にも、解答は載っていない。

世界の姓名

すでに30年以上も前の古い本なのだが、世界各国の姓名について、本書ほど詳しく書かれた本はなかなかないのではないか。著者は、入国管理庁などに勤めた経験を持つ。各宗教的文化圏ごとに、姓名の形式を解説する。例えば「オサマ・ビン=ラディン」の「ビ…

中山間地域対策ハンドブック

中山間地域の現状や、中山間地域政策などを概説するもの。まあ通読しておもしろいものではないが・・・

ディズニーの隣の風景

浦安在住の評論家、円堂都司昭氏の著作。ディズニーランドや浦安については、これまでも秀作ルポが書かれているが、本書もそれに加わった。浦安と言う地域の構造や、震災での被害、住民間の対立など、いずれの章も読み応えがある。特に私の関心からは、次の…

援デリの少女たち

売春・援助交際系のルポはこれまで何冊も読んできたが、ここに描かれているのもまた、目を背けたくなるような殺伐たる風景である。著者は身銭を切り、ウラ社会の住人たちと交流しながら、売春している少女たちに話を聞く。第一章のタイトル「勝ち抜けレース…

コンテンツ化する東アジア

2009年に設立された「アジア・グローバル・カルチュラル・フォーラム」(AGCF)は、既に青弓社から4冊の関連書籍を出版しているが、本書が(日本語として)5冊目にあたるそうだ。日本のみならず中国語圏の研究者も混じえ、テレビ、映画、マンガ、アニ…

文化庁メディア芸術祭

「新国立美術館」で開催されている文化庁メディア芸術祭は、最終日ということもあり、非常に混んでいた。

デザインあ

続いて、同じ六本木の21 21で開催されている「デザインあ」展。実は基になったNHKの番組はほとんど見たことがなかったのだが、視聴しておけばよかったとちょっと後悔した。デザインあ 解散!作者: 岡崎智弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/02/01メデ…

会田誠展

森美術館で会田誠展を鑑賞。会田氏の作品はこれまでも積極的に見てきたけれど、もちろん初見のものも多くあり有意義だった。子供時代の作品を模したものなど、驚くほどリアリティがある(笑)。絵画のみならず、立体あり、インスタレーションあり、映像あり…

日本海域の古代史

タイトル通り、日本海沿岸地域の古代史についての本なのだが、論文のみならず、講演原稿なども含み、わりと雑然とした書。能登地域、敦賀、丹後、但馬、出雲などが主だが、注目すべきは出雲と並んで丹後地方に「古代王国」が存在したとの説を唱えているとこ…

災害に強い情報社会

NTTドコモ・モバイル社会研究所の企画による本。東日本大震災での被災地調査を軸に、いかにしてICTが防災や復興に貢献できるかを探る。データが豊富で見やすい。

「反」日本史

駿台予備校の講師が、日本史の大学入試問題を肴に、歴史の新説を語る、というもの(あれ、似たような本が既にあったような・・・)。有益な本だし、鉄道史について詳しく書かれているのも良いのだが、もう少し近現代に重点を置いてほしかった。近世に最も紙…

ニュースの裏を読む技術

薄いし、すぐに読める軽い本なのだけれど、本書のメッセージは「メディア・リテラシー」上、極めて重要だ。いつの時代にも、自分の時代が悲惨であると言いたがる人々は(知識人の中にも)いるが、データで真偽を確かめるクセは必ずつけた方がよい。

列車映画史特別講義

日本を代表する映画学者の一人である、京大の加藤幹郎教授の著作。実は上の『明日へのチケット』のDVDを見たのは、本書にベタ褒めで紹介されていたから。確かに本書での解説を読むと、技法上細かな工夫がなされていることはよく分かる。かと言って、何度…

明日へのチケット

インスブルックからローマに向かう国際列車の中のエピソードを、3人の監督が描いた「連続オムニバス映画」。一言で言えば、「じじいの妄想、ばばあの暴走、ガキどもの逃走」か(笑)。明日へのチケット [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメン…

なぜ猫は鏡を見ないか?

なぜこのようなタイトルなのか?その謎解きは本文に任せるとして、東大唯一の音楽実技教官である伊東乾氏が、その華麗なる修行時代の学習や交友関係について、率直に公開してくれている。学部生時代から、世界的な音楽家と親しく交わるなど、ただ引きこもっ…

インフォメーション

情報に関する概説書。枕にできるほど厚く内容豊富だが、私のような専門家?が読むと、新たに得られることはあまりなく、その意味で残念な本だ。初学者にはそれなりにおもしろいかもしれない。シャノンの情報理論、バベッジの計算機、遺伝情報等について、あ…

物語消費論改

大塚英司氏が、物語消費論の改訂として書いた文章だが、後半第二部にはか80年代ころの文章が再録されている。Webの文章は固有名や内面を持たない(p.165)と断言しているが、この自信はどこから来るのだろう。太宰治の「女生徒」が、固有性を欠いた内面を文…

ナチスのキッチン

私はドイツ史などあまり強くないので、いまいち十分に理解できたとは言えないのだが、台所空間や、調理器具、家政学、レシピといった切り口から、ナチスへと向かっていったドイツにおける料理、食べ物、食物空間を語る歴史書。主要な登場人物は、「台所の変…

修論・卒論発表会。

コンピュータ200年史

原書は1996年に出されたやや古い本で、インターネットの一般への普及前で切れているのだが、コンピュータの歴史について詳述する良書。特に、なぜレミントン・ランドがIBMに敗れたかなど、経営的な視点も充実している。

遺伝子操作時代の権利と自由

遺伝子が操作可能になった時代に、われわれはいかにすべきなのか。本書は、巻末に「遺伝子権利章典」を謳いあげ、二十余人の学者が持論を展開するものだが、各章は短すぎてやや食い足りない。また、「遺伝子権利章典」に対して(建設的にだが)批判的な者も…

進歩の触手

歴史学者ヘッドリクの著作。抽象的で分かりにくいタイトルだが、副題に「帝国主義時代の技術移転」とあるように、帝国主義時代においてさまざまな技術が果たした役割に焦点を当てたもの。特に私は、第2章の、海底通信ケーブルが海運に与えた影響などを興味…

名作の読解法

富山大学名誉教授の塚崎幹夫氏による、海外名作中編小説の読解講義。ためになる部分は確かにある。だが、作品によって取り上げられ方が大きく違い、ほんの数ページのものから、ほとんどあらすじを全て書いてしまっているものまで、差があるのはいかがなもの…

アニメーションの事典

「事典」と銘打っているけれど、小項目事典ではなく体系的な大項目事典なので、十分通読に耐えうる。私の好きなチェコアニメについての記述が少ない、「社会」の項目で「楳図かずお」を「梅図かずお」と書くなど専門家と思えない間違いがあるなど、小さな不…

地獄に堕ちた勇者ども

ルキノ・ヴィスコンティ監督の名作映画。原題ははあっさりと「The Damned」(呪われし者)なのだが、邦題は何やら却ってわかりにくくなっている。 ナチスが政権を掌握しつつあるドイツが舞台。鉄鋼・軍事財閥のエッセンベック家では、長老のヨアヒムが、商売…

独立行政法人をゆく

日本には約100の独立行政法人があるが、本書で焦点を当てるのはほとんどが技術系の独立行政法人。「宇宙航空研究開発機構」「海洋研究開発機構」など。お札がまだ手書きで描かれていることには驚く。「海上技術安全研究所」は確か、タモリ倶楽部で見たが…

笑いの方程式

化学同人の「同人選書」はなかなか面白いラインナップなのだけれど、まさかお笑いのネタ本を出しているとは思わなかった。新潟大学の科学思想史家の井山教授が、現在の活きのいいお笑いネタを分析する。ダジャレから、自賛ネタ、自虐ネタ、すれ違いネタ、シ…

100のモノが語る世界の歴史 3

3巻も読み終わった。時代は13世紀から現代まで。日本のモノとしては、柿右衛門の象と、葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」が採用されている。現代について、何が選ばれているのか注目していたが、例えばモザンビークで作られた「武器でできた玉座」…

世界のインディペンデント・アニメーション2013in関西

文化庁の後援で、3人のアニメーション作家が日本に招かれた。ケイレブ・ウッド氏(米国)、エッリ・ヴォリネン氏(フィンランド)、エマ・ドゥ・スワーフ氏(ベルギー)の3氏である。この企画は、それぞれの短編アニメ(「リトル・ワイルド」「タングリン…