2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒトゲノムを解読した男

セレーラ社を率いてヒトゲノムを解読した科学者、クレイグ・ベンターの自伝。彼はヒトゲノム計画の側からは様々に攻撃されてきたが、本書を読むと(もちろん自己弁護は混じっているだろうが)、ベンターが極めて魅力的・精力的な人物であることが分かる。さ…

クラウドの衝撃

端末側にはほとんどソフトウェアや記憶装置を持たず、ネット内で情報処理・情報蓄積を行うクラウド・コンピューティング。これがもつ、既存の情報産業への破壊的な性格が描かれている。SaaS(Software as a Service)という言葉は知っていたが、PaaS(Platform …

離島研究

日本名は「離島研究」とそっけないが、英文タイトルはResearch into People,Life and Industry of Japanese Islandsともうすこし親切だ(と言っても、本文は日本語だからどうでもよいことかも)。第一部が「島の特性との結びつき」、第二部が「農業と牧畜の…

資本主義はなぜ自壊したのか

著者の中谷巌氏は、有名な教科書「入門マクロ経済学」(私も学生時代に読んだ)の著者であり、ちょっと前までは規制緩和論者、インターネット経済礼賛者として知られていた。その中谷氏の「転向」の書である。 一読、書かれていることは、悪く言えば耳にタコ…

昨日、今日と朝から晩まで入試関係業務に追いまくられて何もできず(昨日は大学に泊まりこんだ)。

竹中式マトリクス勉強法

小泉内閣で総務大臣などを務めた経済学者・竹中平蔵教授のノウハウ本。表題のマトリクスというのは、「天井のある勉強」「天井のない勉強」を横軸に、「武器としての勉強」「人と人とをつなぐ勉強」を横軸にして2×2のマトリクスをつくり、それぞれにあては…

アジア海賊版文化

人類学的なフィールドワークによって、アジア諸国のアメリカ化、グローバル化の実相を描く。梅棹の「文明の生態史観」を評価しつつも、そこにアメリカやアフリカが脱落していることを指摘、その欠落を埋めようとする。はっきり言って、ミャンマーのフィール…

責任という原理

現代の科学技術文明に対して、新たな倫理学を提唱したハンス・ヨナスの代表作。遺伝子操作批判について詳しく書かれているTechnik,Medizin und Ethik は邦訳は出ないのかな。

市場を創る

「市場」に対する意見は、賛成か反対か、単純化されたものになりやすいが、本書はそうした単純な二元論を超えて、さまざまな種類の市場を取り上げ、それを支える制度を丁寧に記述する。

昨日だったか、日テレ系の「バンキシャ」を見ていたら、パネルで中川前財務省の「酩酊」(めいてい)を「酪酊」(らくてい?)と書いていた。確かに「酩」と「酪」は、形だけ見れば紛らわしいけれど、「酩」は「酉」+「名」、「酪」は「酉」+「各」だから…

ネット右翼とサブカル民主主義

ネット右翼について、「負け組」や「負けかけ組」が、自分より強いものには向かわず弱いものに矛先を向けているのではないかと分析するが、実証的な根拠がないためいまいち説得力に欠ける。それと、共著のはずだが、どちらがどの章を書いたのか明記されてい…

遺伝医療と倫理・法・社会

遺伝医療に関する、実践例を中心とした本。特に第二部では、実際の患者さんとのやりとりを基に書かれている。ただ、ソフトカバー200ページで3400円というのは、ちょっと高い。

日本列島飛び地の謎

日本の飛び地を専門に書かれた本は、この本が最初ではないだろうか。東金市の二重飛び地や、市政施行のために三和村と和知村の一部だけを合併した勝手な美濃加茂市の事例、架橋によって実質的に飛び地となった松浦市の福島や今帰仁村の古宇利島など、おもし…

家の近所の姫路文学館に、川柳を使った演劇パフォーマンスがあるというので見に行く。確かに珍しいものだった。

ハイコンセプト

現代を「情報の時代」から「コンセプトの時代」への移行期だとし、右脳での感性が重視される時代だとする。実はこうした言い方は、既に情報社会論の中でも何度も言われてきたことなので、私にとっては既視感(デジャヴ)を覚える。後半は、「デザイン」「物…

トカラ列島民俗誌

出版年は1992年だけれど、中身は1964年および65年に、著者が悪石島および平島に滞在して行った民俗学的な調査をまとめたもの。先日紹介した、「美女とネズミと神々の島」の直後で、この本が悪石島の人々にもたらした波紋(例えば、映画化をねらっ…

村落共同体崩壊の構造

第一部はトカラ列島全体についての概説で、自然と社会、土地制度、離島振興事業などについて記述されている。第二部は、1970年の集団離島によって無人化した、臥蛇島についての詳説。人口が100人を超えた時期もあった臥蛇島だが、厳しい暮らし(ビロ…

久しぶりに妻とホルモンを食べに出かけた。

ローマ亡き後の地中海世界 上

圧倒的な「ローマ人の物語」の続編。西ローマ帝国滅亡後、地中海はサラセンの海賊に荒らされる。シチリアは奪われ、多くのキリスト教徒は捉えられ、奴隷にされる。十字軍以外に、「救出修道会」なるものがあったとは、私は知らなかった。後に「ドンキホーテ…

近代日本の視覚的経験

ちょっとタイトルは大袈裟。札幌、富山、金沢、熱海、松島。前橋、千葉など、地方都市や観光都市について描かれた絵地図や、古写真を読み解くもの。

「依存症」の日本経済

日本経済を、「女性依存」「交際費依存」「建築業依存」などと診断するものだが、思いつきの域を出ていない。真面目な経済書というよりは、軽い経済エッセイと思った方がよいだろう。

人間の将来とバイオエシックス

ハーバーマスによる、遺伝子操作に反対する論文。上記の本にもチラと出てくる。要旨は、遺伝子操作による成長への介入には、コミュニケーションの余地が開かれておらず、人間を道具として扱っている、とするもの。ハーバーマスの持論の遺伝子操作への応用。

遺伝子技術の進展と人間の未来

ドイツにおける生命倫理学の解説が主。表題作の遺伝子技術については、かなり食い足りない。むしろ面白かったのは第一章。2001年5月3日、ドイツのシュレイダー首相は、経済の活性化のためにバイオテクノロジーの積極的な活用を説く演説を行うが、これ…

先史時代と心の進化

先史時代を対象にした考古学の解説書。あまり強い印象も残さぬままに読み終わってしまった。

医学の発展と親子法

タイトルから受ける印象とは違ってフランスの親子法や、生命倫理法の解説が大要を占める。つまりフランス法の紹介本。生殖技術と法に関する日仏でのアンケート(センシティブな質問項目を含むため、なかなか社会学では実施できない)の結果が載っていたのは…

何してるんだ、漢字検定協会

これは絶対に許されないことだろう。毎日新聞ニュースより 漢検:収益をレース投入か 理事長長男の会社がスポンサー 2009年2月18日 15時00分 更新:2月18日 16時44分 「SUPER GT」に出場した「JIM CENTER」の車両=2008年9月14日撮影 …

心は遺伝子の論理で決まるのか

ドーキンスによる「利己的な遺伝子」論(生物は遺伝子の「乗り物」に過ぎない、とする)は衝撃を与えたが、人間はそれを自覚することで、「ロボット」を超える展望も持つ、ともされた。本書は、人間はどの程度ロボットなのかを問い、さらに、ドーキンスの言…

官僚制

言わずとしれた、マックス・ウェーバーによる古典。ちょっと読み返してみた。

生命の哲学

ドイツのユダヤ人哲学者ハンス・ヨナスの遺著。

バカリズムよ、栃木県がさかさまだ。

R-1ぐらんぷりを見たが、中山功太が優勝って、おかしいな。審査員に問題があるのではないだろうか。私の評価では、中山功太は最下位に近い。私が面白かったのは、COWCOW山田與志、サイクロンZ、バカリズム、鳥居みゆきの順。バカリズムが残念だったのは、最…