2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

マイナンバー(共通番号)制度と自治体クラウド

公的なものなのか私的なものなのかよく分からないが、「電子自治体推進パートナーズ」という所が出している「自治体クラウド読本」の第1巻で、巻頭は恩師の須藤先生が、その後は富士通の榎並利博氏、総務省の高地圭輔氏、東大法学部の宇賀克也氏が、「自治…

極彩からだ図鑑

体の微細な部分を写した顕微鏡写真に、さらに彩色して色鮮やかな画像としたもの。染色体、細胞から赤血球やマクロファージ、味蕾、脳、すい臓、小腸など人体のさまざまな部分を大きな写真で見ることができる。前立腺って、まだ機能が謎の臓器なのですね。

シャノンの情報理論入門

タイトル通り、シャノンの情報理論を優しく解説する書。といっても、数学の苦手な人にはややキツイかも。「情報量」「情報エントロピー」「相互情報量」の計算方法や、「標本化」「量子化」「符号化」といった概念を説明する。

新聞の危機と偽装部数

著者はこれまでも、新聞業界における「押し紙」(新聞社が販売店に押し付ける、実際の契約部数を超えた新聞紙)問題を追求してきたジャーナリスト。日本の新聞の発行部数は、ABC協会の数字では読売1000万部、朝日800万部といった数字だが、実際に…

テスラ

交流モーターおよび、無線通信においては大きな業績を挙げてエジソンのライバルとされ(実際に1915年のノーベル物理学賞は、エジソンとテスラが共同受賞する可能性もあったという)、数々の発明を成し遂げたものの、エジソンより事業化の才能はなく、晩年は…

自治体ICTネットワーキング

自治体のICT利活用の事例集だが、特に第一部において、東日本大震災における被害とIT支援について紙幅が割かれているのが参考になる。しかし、武雄市はFB良品のライセンスについて、導入費用200万、次年度からも1年180万円も他自治体から徴収している…

インソムニア

クリストファー・ノーランの映画の中では地味なものと思う。アラスカで起きた少女殺人事件に、アル・パチーノ演じるドーマー刑事と、ハップ刑事がロスから応援にやってくる。ドーマーは、少女の遺留品を使って犯人をおびき出すことに成功するが、霧の中で、…

ザ・ベストテンの作り方

私も中学生くらいのころ、「ザ・ベストテン」には夢中になった。まさにあの頃が、日本の歌謡曲の全盛時代だったかもしれないな。松田聖子、中森明菜、小泉今日子・・・。さて本書は、「ザ・ベストテン」で美術担当だった三島康博氏が、当時の美術セットにつ…

市町村の規模と能力

2000年の本だから、既に13年経っている。まだ、「平成の大合併」が本格化していない時期に書かれたもの。「合併」の他、「広域行政」についても例を挙げて詳しく説明しているところが特徴。

ヘルタースケルター

岡崎京子の名作漫画を、蜷川実花が映画化した。整形美人のモデル「りりこ」を沢尻エリカが演じる。蜷川さんの絵は、色鮮やかで美しい。が、大森南朋演じる検事と、寺島しのぶ演じる付き人は、原作と比べて歳をとりすぎているし、音楽の使い方には違和感があ…

ウィトゲンシュタインvs.チューリング

このようなタイトルなのだけれど、著者の専攻は哲学で、重点はウィトゲンシュタインの方にある。わたしも人並みに何冊かウィトゲンシュタインの本(もちろん邦訳)や解説書を何冊か読んだことがあるが、実際にチューリングとウィトゲンシュタインが授業の場…

重力とは何か

カリフォルニア工科大学で素粒子論の最先端を研究する著者が、一般向けに「重力」「相対性理論」「量子力学」「超弦理論」などについて解説した書。ブラックホールのことなど、奇妙なことばかりだ。

日本で最も美しい村

ここで言う「村」とは、行政単位としての村に限らず、「町」もあれば、「市や町の一部」なども含む。1982年に「フランスの最も美しい村」協会が設立されてから、イタリア、ベルギー、カナダなどにこの運動が広がり、「世界で最も美しい村連合」が設立されて…

日本小説技術史

早大教授・渡部直己氏の力作評論。馬琴の小説を「偸聞小説」と喝破する第一章に始まり、二葉亭四迷、森鴎外、樋口一葉、田山花袋、漱石などを論ずる。 印象に残ったのは、志賀直哉と徳田秋声を論じた第六章。私は徳田秋声の小説を読んだことがないのだが、本…

偉人の残念な息子たち

タイトル通り、エジソン、ガンジー、ヘミングウェイ、チャーチルといった海外の偉人の「不肖の息子」について述べたもの。冒頭はケネディ家の話。ケネディ家と言えば、大変立派なセレブ家庭と印象を私は持っていたが、本書によれば、どうもその内実は、金儲…

フィールドワークの戦後史

戦後すぐ、宮本常一、およびそのパトロン的な存在の渋沢敬三(渋沢栄一の孫)を中心に、民族学会や人類学会、社会学会、地理学会など九学会が連合して、「奄美」「下北」「能登」といった日本の辺境をフィールドワークした調査が何度か行われた。本書はその…

海士人

「人々との出会いを楽しむガイドブック」であるCommunity Travel Guideの第一巻。海士町にも昔、地域情報化の取材で行ったが、確かにもう一度、いや二度三度と足を運びたい魅力に溢れている。山内道雄町長を初め、神社の神主、宿屋の女将、寿司屋の店主、漁…

吉本隆明という「共同幻想」

実は私は、吉本の著作はほとんど読んでいる。百%理解したという確信はなかったけれど、その主張の中心くらいは掴んだつもりでいた。しかし、呉智英氏のこの著作を読んで、「吉本は偉い思想家だった」という幻想が、ぐらぐらと揺らぐのを感じる。本書は極め…

系統樹曼荼羅

上の本もそうだが、この本も「読む」というよりは「見る」本。第一部「生物樹」、第二部「家系樹」、第三部「万物樹」に分かれているが、要はさまざまな形で描かれた系統樹を紹介する本。

地球のごはん:世界30か国80人のいただきます

世界各地のさまざまな職業や状況の人80人に、その人の標準的な「1日分の食事」とともに写真に収まってもらった大型本(もとは101人分だったそうだが、あまりに厚くなるため21人分カットした)。そして、並び順は「摂取カロリーの少ない順」。冒頭の…

ダークナイト・ライジング

クリストファー・ノーランによる、「バットマン3部作」の2作目と3作目。昔テレビで見たバットマンのシリーズとは、随分と毛色が違っている(って、前も書いたっけ)。ロビン少年はいないし、バットマンはほとんど常に苦悩している。 ネタばれになるから、…

ダークナイト

無理数の話

『反直観の数学パズル』『世界でもっとも奇妙な数学パズル』などの著者、ジュリアン・ハヴェルの著作。本署はパズルものではないけれど、著者の啓蒙的な資質が存分に生かされた著作となっている。 これは本書の中のさらに引用だが、コサインが無理数であると…

液状不安

バウマンの著作は評価が難しい。代表作の「リキッド・モダニティ」を初めとして、「リキッド」と付く書を量産している。それは、確かに固定的な(と思われていた)ものが流動を始める現代の一側面を捉えている。しかし、リキッドだけで捉えるのもまた、無理…

市町村合併の時代/中山間地域の産業振興

関満博氏(とその仲間)が、おびただしい数を出している、地域産業のケーススタディシリーズ。本書で扱われているのは中山間地域の町村だが、市町村合併によってその後なくなってしまった町村も多い。

動物的/人間的 1.社会の起原

大澤真幸氏が全4巻で予定している『動物的/人間的』の第1巻。人間とは何であるのか、動物(および神)との比較を軸に、生物学などの知見を応用しながら語る。タイトルからもわかるように、見田宗介の『自我の起原』からのバトンを受けた書とも言える。が、…

日本の女性名

大和時代から昭和時代まで、日本の女性名(個人名)の歴史的な変遷を、豊富な実例とともに紹介する大部の書籍。600ページを超えるし、注で示される資料の博捜ぶりもすごい。小野小町って、本名は小野吉子なのね。

中国映画の熱狂的黄金期

1980年代の中国映画論集。凝った四章構成となっている。第一章では映画に対する政治の介入を、第二章では海外からの影響を論じているのだが、アンドレ・バザンが中国の映画人に大人気だったというのはやや不思議だ。第三章は製作、配給、検閲を論じ、第…

時間ループ物語論

評論家の浅羽通明氏が、早稲田の教育学部で講義した「日本現代文化論」を基にした書。「時間ループ物語」がこれほどの数あるとは知らず、素朴に感動した。ネタバレしてしまっているものも少なからずあるけれど、是非手に取ってみたくなるものも多い。 最初に…

21世紀への構想

読売新聞社が1997年に出した書。350ページほどあるが、その半分以上は「資料」。合併や地方自治の資料として読んだ。第1部が「地方自治」で、原稿の都道府県制度を「12州・三百市」体制に改変すると主張するのだが、12州の区割り(衆議院の比例区と…