2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

考える力が身につくディープな倫理

「倫理」は入試の選択科目にしている大学が少ないが、本書ではセンター試験と筑波、一橋の入試問題を取り上げ、哲学を解説している。サンデルの本より役に立つかもしれないよ。

地域発信型映画 あなたの街から日本中を元気にする

これはだめだ。吉本がタレントを使って作った、30分程度の「ご当地映画」が数本収録されているが、タレントの無駄遣い感が強い。成田、十日町、津山などが取り上げられている。

林原家

以前に紹介した「破綻」が、経理担当重役であった弟・林原靖氏の著作であったのに対し、本書は社長であった林原健氏の著作。林原の倒産劇を描いたものだが、やはり見ているものが違い、健社長は、やはり同族企業ということの問題が克服できなかったのでは、…

ITロードマップ 2015年版

野村総研と日経は相変わらずビッグデータを煽っているな。しかし、巻末に挙げられている「企業システムとITキーワードに関する調査」は、電子メールを使ったもので回答率は12.3%。おいおい、と言いたくなる。

ドキュメンタリー映画史

ドキュメンタリー映画の歴史書としては、既に古典ともなっているエリック・バーナウの著作。もっと早く読んでおけばよかった。特にフラハティのことなど詳しく書かれている。

悪夢の超特急 リニア新幹線

リニアは確かの「夢の超特急」ではあったけれど、冷静に考えてみて、通常の新幹線を中央本線・飯田線に作る方が、コストパフォーマンスが良いのではなかろうか。莫大に消費する電力、危険な電磁波、他との接続の悪い品川や名古屋の大地下ホームなど、考える…

いま行っておきたい秘境駅

タイトル通り秘境駅の紹介本。路線で言えば、飯田線5駅、宗谷本線4駅、石北本線、函館本線、肥薩線各3駅など。肥薩線の大畑、矢岳、真幸はスイッチバックやループで有名な駅だが、周囲に人家はほとんどないそうだ。大井川鉄道の土本駅の周囲には、駅と同…

毒になるテクノロジー

原題は「iDisorder」。ネットへの耽溺がもたらす精神的な病理がテーマ。著者はカリフォルニア州立大学教授。やや決めつけが強いか。

フラクタル・カオス・パワー則

タイトルの「パワー則」は、最近では「べき乗則」と呼ばれることが多い。シンメトリや自己相似性に関する楽しい話題がふんだんに載っている。

位置情報ビッグデータ

GPSを中心に、位置を測位するシステムが発達し、位置情報が有益なデータとして扱われるようになってきたが、その現状や課題を描く。

リスクの社会学

ルーマンのリスク論の集大成というべきなのだろう。一応最後まで目を通したが、隔靴掻痒というのか、深くわかった気がしない。リスクの対語を「安全」ではなく「危険」においているところが、ハイライトの一つではあるのだけれど、概念遊びをしているように…

2045年問題

「2045年」とは、レイ・カーツワイルのいう「特異点」、すなわち、機械の知能が人間を凌駕する(とされる)時点を指す。シリコンバレーにあるNASAのエイムズ・センターには、なんと「特異点大学」(シンギュラリティ・ユニバーシティ)と名乗る研究…

ITロードマップ 2015年版

野村総研による、IT技術の予測書。相変わらずビッグデータを煽っているのか。しかし、野村総研のアンケートは、回答率が12.3パーセントで、おいおい、と思う。

「立入禁止」をゆく

ロンドンやアメリカで行われた「都市探検」の記録。特に許可を得ず、橋梁にのぼったり、下水道を歩いたりする。確かに現在の都市には、安全上の理由もあろうが、あちらこちらに「立入禁止」の場所があり、行く手を阻んでいる。私もやってみたいが、実際に日…

見知らぬ女からの手紙

シュー・ジンレイが監督・主演の両方を務める中国映画。一人の男性を思い続けた一途な女性を描くが、まあこんな人はいなかろう(笑)。

ロボット革命

大阪工業大学教授も勤めるロボット学のエンジニアが、将来のロボット像を語る。被災地をドローンが飛び回る。介護用の「お尻ふきロボット」なども開発中とのこと。

かぞくのくに

ドキュメンタリー作品『ディア・ピョンヤン』のヤン監督が、やはり実体験をもとに作ったフィクションで、安藤サクラが主人公を務める。帰国事業で北朝鮮に渡った兄(井浦新)、病気治療のために25年ぶりに日本に帰ってくるが、兄は妹にスパイになってくれ…

地球の教科書

大人のための地学の教科書。「地震と噴火に備える」「地球環境で暮らす」にそれぞれ1章が割かれ、通常の教科書よりも実利的なつくりになっている。その分、天文関係の記述は少ないが。

守護天使

「キサラギ」の監督の新作というので見てみたが、これははっきり言って駄作だった。カンニング竹山や佐々木蔵之介、バナナマン日村などが熱演しているが、ストーリーがダメ。

東大教授が語る、東大新入生のための数学ブックガイド

「教科書的な書」「専門的な書」「洋書」「数学に限らないノンジャンルの本」という4つのカテゴリーの書を一つずつ計4冊、東大教授たちが紹介する。ただ、扱っている本は全部で100冊以上にのぼり、非常に難易度の高い本も多く含まれているので、意欲的…

ポピュラー音楽から問う

シンポジウム「日本のポピュラー音楽をどうとらえるか」から派生した書籍。戦前の中国イメージや、「カタコト歌謡」「YOSAKOIコーラン」などを扱った全7章。

つながりすぎた世界

インテルなどIT企業での豊富な勤務経験を持つ著者が、インターネットにあらゆるモノ・コトが接続されつつある現代に警鐘を鳴らす。特にアイスランド金融危機について詳しく書いてあるのがありがたい。

黒幕

総会屋的な情報誌「現代産業情報」の、石原俊介の評伝。多くの企業に関わり、顧問料を取りながらも、書くべきことは書くという姿勢を貫いた。父が事業に失敗し、群馬県から中卒で「金の卵」として上京、ソ連留学という経歴からのし上がった。平和相銀事件で…

カストラート

カストラートとは、大人になっても高い声を出し続けるために、去勢した男性ソプラノ歌手のこと。カストラートとなった弟と、作曲家であるその兄は、二人でヨーロッパ各地を演奏旅行し、好評を得るが、弟はやがて、兄の作る音楽に飽き足らなくなり、パトロン…

時間のかかる読書

横光利一の「機械」は、中小工場を舞台に、そのなんとも言えない物語・文体が印象に残る傑作小説だが、それをまたじっくり、ゆっくりと宮沢章夫氏が読み解いたのが本書。

寄り道ふらふら外国語

ロシア語などスラブ語系を専門とする黒田龍之助氏が、専門外のフランス語やドイツ語、イタリア語、スペイン語などについて語ったエッセイ集。黒田センセって、本当に語学がお好きなのね。ふつうの人にはこんな語学漬けの生活はムリです。

青いパパイヤの香り

舞台はベトナムで、三人の男の子のいるある旧家に家政婦として働くこととなった少女が主人公。悪ガキのいたずらなどもあるが、奥さんには可愛がられる(後で、二男の嫁にしようと考えていたと告白される)。しかしその家は、旦那さんが失踪するなど没落して…

ペテン師と天才

去年大きな話題を呼んだ、佐村河内事件を詳細に解説。佐村河内さんって、きっと天性の詐欺師なんだね。CDを買った人や、コンサートに行った人が特に被害者と私は思わないけれど、障害のあるバイオリニスト「みっくん」に抑圧的に振舞ったことは悪いな。五…

白夜行

タイトルのみ知っていて、読んだことはなかった、東野圭吾の小説の映画化。こういう話だったのか・・・。なぞ解きはあるけれど、本格ミステリと言うよりは、感動を狙ったものだろう。堀北真希が、影のあるヒロインを見事に演じている。アガサ・クリスティの…

Google vs トヨタ

自動運転を主たるテーマに、グーグルの今後の戦略や、日本の自動車産業の戦い方などを論じ、読み応えがある。本筋と関係ないが、ノキアは2014年にマイクロソフトに携帯事業を売却してしまったんだね。