2006-01-01から1年間の記事一覧

表象の奈落

元東大総長・蓮實重彦の最新評論集。とはいっても、過去二十数年の間に各所で発表されたものを集めたもので、書き下ろしは「エンマ・ボヴァリーとリチャード・ニクソン」のみ。これが面白い。たまたま、マリー=ロール・ライアンの『可能世界・人工知能・物…

ドキュメント 自治体汚職

1970年代末に福島県で起きた、公共事業をめぐる大規模な贈収賄事件を、若き新聞記者(当時)が丹念に取材したもの。逮捕された木村守江知事や、県庁の幹部にしても、悪人というよりは、仕事熱心な人々で、ちょっとした心の油断から贈賄側に回り、全てを失う…

スキャンダル戦後美術史

戦争画、贋作、芸大入試など、美術界のさまざまな醜聞がテーマだが、どうもこの人の文章には、制度に対する悪い意味でのルサンチマンがあるように感じる。

光回線をめぐるNTT、KDDI,ソフトバンクの野望

長いタイトルだー。「知られざる通信戦争の真実」の続編。NTTや、電力系通信会社など、それぞれの思惑が入り乱れる厳しい競争にメスを入れている。

白と黒で 写真と

清水穣氏による写真論。冒頭のベッヒャー論に感服した。ただのガスタンクや、給水塔の写真のなかに、鋭い政治性があるのである。「ヴィデオアートをめぐるいくつかの疑問」も、私が常々考えているようなことが既に書かれてあった。

海の国の中世

網野善彦氏が執筆した、「小浜市史」の中世部分の単行本化。若狭という小さな世界を細かく調べることで、日本の中世の姿が見えてくる。女性の地位の変化も一つの主題となっている。細かな人名が多数出てきて、なかなか読むのが苦しい本だが・・・

魔術師と映画

マジシャンの映画製作者と言えばメリエスがまず頭に浮かぶが、彼以外にも、カール・ハーツやレオオルド・フレゴリなど、映画の草創期には多くのマジシャンが、出し物の一つとして、映画や、他の映像的な装置を使っていた。映画史では傍流として扱われている…

今日のギャグ 金(キム)さんの乳毛はキムチチゲー

富山県庁、射水市役所、高岡市役所で地域情報化政策の取材。昼食は高岡駅前で寿司を食べる。白エビがうまかった。

福井市役所、福井県庁、坂井市役所で地域情報化政策の取材。以前丸岡町役場に行ったときに、丸岡駅からあまりに遠くて閉口したが、坂井市役所は丸岡駅から近い。 宿泊は「APAホテル富山駅前」にしたが、駅前というには離れている。

キムチ鍋のもとと、ココナツミルクが残っていたので、混ぜてキャベツとエビを煮て、簡易トムヤムクンを作る。韓国とタイのコラボレーション。

アートナビゲータ検定の合格通知が無事届く。

情の技法

以前、東大出版会から出てそれなりに売れた『知の技法』に便乗して、慶応大学出版会が出した本だが、これはダメだ。おもしろくない。なぜだろう。情的な分野を分析しようとせず、そのまま「流されて」書いているからか。

これはなんですか?

サイボウズ・メディアアンドテクノロジー 「〜海外事例に学ぶ〜 ワイヤレス・ブロードバンドによる地域情報化ハンドブック 世界150事例紹介版」を販売開始http://v.japan.cnet.com/news/release/story/0,2000067550,00012564p,00.htm いくら海外の事例が多い…

西日本の地域情報化政策

やっと出ました。なんとか年内にと頑張っていただけに、うれしさも一入。さあ、来年は『東日本の地域情報化政策』を出すぞー

マカフィーはひどい

自宅のパソコンで、妻宛てのメールが届かないことがあり困っていたが、期限の切れたマカフィーのソフトをアンインストールしたら、それまで滞っていた400通以上のメールがすべて届いた。ひどいなマカフィー。セキュリティだなんだという前に、有用なメー…

オリジナリティと反復

ロザリンド・クラウスの美術評論集。ロダンの彫刻が、そのイメージとは違って、同じ型から多くの作品を作る一種の複製芸術であることを、本書で初めて知った。他にも興味深い指摘多数。さすが、グリーンバーグ以来の最も優秀な美術批評家と言われるだけのこ…

筑波大学で集中講義「映像文化論」2日目。

現代イスラーム世界論

イスラーム世界は難しいし、なかなかなじみがない。本書もがんばって読んだが、知らない概念が次々と出てきて読み進めるのがつらかった。スンナ派、シーア派くらいなら誰でも知っているが、ハワリージュ派なんて初めて聞く名前だし、シーア派も12イマーム…

兼好法師の虚像

徒然草は私の愛読書の一つだけれど、その作者である兼好法師については謎につつまれている。徒然草が人気を呼んだ江戸時代、そうした謎を埋めるように、兼好の伝記についてさまざまな偽書が編まれた。研究対象としては打ち捨てられた偽書・偽伝から、江戸時…

resfestに行ってきた

神戸アートビレッジセンター(KAVC)で3日間に渡って行われた、デジタル映像のフェスティヴァルであるresfest10に行ってきた。今回でもう10回目らしい。ただし、全部のプログラムは見ていない。又、神戸ではSHORTS#02,SHORTS#03を上映しないのも残念だ。 …

今日のがっかり

アマゾンのベストセラー(和書)を見ると、まともな本はほとんどランク入りしていない。100位まで見てもごくわずか。大半は漫画。今見ると、石原真理子の暴露本が上位に。やれやれ。どうしてそんなものを買うかな・・・

日本という方法

松岡正剛氏の日本文化論。日本文化の本質を「方法」として捉える。特に第8章の「朱子学・陽明学・日本儒学」のところが興味深かった。「陽明学がなぜ本場の中国で廃れて、日本で復活したのかということは、今後の研究すべき課題です」確かにそう思う。

市民文化と地方都市

山形県をフィールドに、政治意識や余暇意識、外国人に対する態度など、各種の社会意識調査の結果が解説されている。文章は中にまで細かく数字が述べられているのは冗長であるし、もう少しメリハリの利いた表現にならないものだろうか。結果として、B5版、…

帝都東京・隠された地下網の秘密

現在市販されている地図上に現われた矛盾から、戦前の東京に、地下鉄が走り、様々な秘密の地下トンネルがあったことを「推測」する本だが、どこまで本当なのか分からない。 (追記) グーグルで検索したら、こんな検証サイトがありました。でたらめが多いよ…

東京の都市計画

東京は、関東大震災後に後藤新平が帝都復興計画に力を振るったが、第二次大戦後の復興計画は安井知事によってほぼ無視され、その後のスプロール的な発展を招くことになった。東京の都市計画の歴史を探ることで、現在の都市問題への処方箋が見えてくる。

日本を二流IT国家にしないための十四ヵ条

著者木下敏之氏は若き佐賀市長として、電子自治体化、業務改革に辣腕を振るった人である。韓国の江南区役所への視察で衝撃を受けた著者は、佐賀市役所のレガシー改革(古い電算システムを刷新すること)に取り組み、結局韓国のサムスンと組むことにする。そ…

限界の思考

社会学界の二人の天才が語り合った中身の濃い対談集。これも話題になった本だが、遅ればせながら読んだ。私はこの2人の、ちょうど間のダメなはざま世代にあたる(笑)。中心となっている論点は、なぜ宮台氏が「右翼」「亜細亜主義」へと転向したのか、とい…

不思議

このニュースを見たが、不思議だ。 大阪高裁判事が自殺 住基ネット訴訟で違憲判決の3日後 2006年12月03日 3日午前9時5分ごろ、兵庫県宝塚市内の大阪高等裁判所第7民事部総括判事、竹中省吾(しょうご)さん(64)方2階の書斎で、竹中さんが棚にショ…

筑波大学で集中講義「映像文化論」一日目。昨年に続いて二回目だが、前回より人が多くてびっくりする(特に開始時に)。確か去年は、時間通りに来た学生さんは数えられるくらいだったのに。