2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

かたちの理由

生物や物体が、いまあるような形をしているのは何故なのか?この問題に多数の事例を挙げながら、構造、大きさ、機能、過去、環境、目的といった観点で答えてゆく。イラストが多いのが楽しい。

ヒューマン・コマース

角川インターネット講座の一つ。楽天の三木谷社長が編者となっていることから分かるように、半分以上が楽天の自画自賛(笑)と言ってよいが、こらぼしているVikiというサービスはなかなか面白そうだ。

女子高生の裏社会

「JKリフレ」(女子高生による個室マッサージ)や「JKお散歩」(女子高生との散歩やデート)という名前を聞いたことはあったものの、正直あまり興味もなかったが、本書は、そうした仕事で働いている女子高生たちへのインタビューをまとめたもので、著者…

「仮想通貨」の衝撃

現代は「wildcat currency」。「仮想通貨」と訳すと、ネット上の通貨だけと勘違いされやすいが、本書の射程はもっと広く、クーポンやら商品券やら、通貨の代わりとなるようなもの全てを含んでいる。本書の政策提言は、ゲーム目的の「仮想通貨」と、ビジネス…

市民を雇わない国家

日本が公務員の少ない国だということは、それなりに知られるようになってきた事実だが、それでも私は何となく、外郭団体などをふくめればそれなりに人数は多いのではないか、と思い込んできた。しかし本書によれば、それを含めてもやはり公務員の数は他国よ…

取り逃がした未来

ゼロックス社の作ったパロアルト研究所といえば、コンピュータ・情報機器の歴史に名前を刻む有名な研究所で様々な発明品を作っているが、なぜかゼロックス社はその商品化に失敗している。なぜゼロックスはPARCを生かすことができなかったのか、簡単に言…

東大のディープな世界史2

東大のディープな世界史の第2巻。「世界史」、中華文明、キリスト教文明、イスラム教文明の4章構成だが、いずれの章も忘れていたことが多く、非常に蒙を開かれた。例えば、モンゴル帝国のあり方、オランダとポルトガルのライバル関係、中国でなぜ「明治維…

不思議惑星キン・ザ・ザ

2本とも旧ソ連のSF映画。前者は1961年の制作で、金星への探査がテーマだが、変な宇宙生物はなんとも素朴で、メリエスの「月世界旅行」させ髣髴させる。後者は1986年の制作。監督はグルジア人。主人公はふとしたきっかけで、知らない砂漠の惑星に…

火を噴く惑星

Smarter than you think

米「WIRED」誌のコラムニストであるクライヴ・トンプソンが、情報化がいかにわれわれの生活を変えつつあるかについて論ずる。

ビアス短篇集

『悪魔の辞典』で知られ、芥川龍之介などにも影響を与えた米国の作家ビアスの短編を集める。一読、どれも一様に苦い味がする。ビアス自身、南北戦争に従軍経験を持ち、また、ハーストの新聞で記者として働いていたのだが、まさに戦争や死、殺人を扱った作品…

防犯カメラによる冤罪

「舞鶴女子高生殺害事件」「南風原強盗事件」「法政大学器物損壊事件」等を取り上げる。しばしば検察側の鑑定人として、防犯カメラによる画像を鑑定する橋本正次・東京歯科大学教授が、実際には専門外であるのに多数の鑑定を引き受けて大金を稼ぎ、いい加減…

広告20世紀

1999年の広告批評3冊の合本。但し、今読んでも新鮮だ。「20世紀をつくった広告」「20世紀の広告は何をしたか」「20世紀をつくった広告クリエーター」の3部構成。天野祐吉さんも島森路子さんも亡くなってしまったんだな。

ミシェル・フーコー

フーコー『監獄の誕生』は、一般にはパノプティコン概念で有名になった本だが、様々に過剰な部分やよく分からない部分がある。本書はこの『監獄の誕生』を、初心者向けにじっくりと読み解くもの。思想家フーコーの奥深さが伝わってくる。

小さなラジオ局とコミュニティの再生

東日本大震災後、30地域で立ち上げられた臨時災害放送局(コミュニティFM)について詳しく調べた書。総務省も柔軟に対応し、また、日本財団が資金援助をしていることも知らなかった。巻末にはシンポジウムの模様が収められている。

眼に映る世界

哲学者スタンリー・カヴェルによる映画論だが、私にはあまりなじめなかった。

超人類へ!

バイオテクノロジーの発展による人類の進化を肯定的に描く。原書は2005年発行なのでやや古いか。著者はエジプト系アメリカ人のエンジニア。

[book社会をつくれなかったこの国がそれでもソーシャルであるための柳田國男入門

柳田をソーシャルで語ること。タイトルを見たとき、ウケ狙いなのかと思ったが、さにあらず。ソーシャルという言葉をどう訳すのか、「社会」という言葉が適切なのかどうか、柳田の時代から問題であり、柳田自身がたとえば『柳田國男先生談話・社会科の構想』…

エネミー・オブ・アメリカ

ジャンルとしては監視社会サスペンスということになろうか。米国政府の、国民のプライバシーを大きく殺ぐことになる監視を正当化する法案に反対する議員を、NSAが暗殺、そこをたまたま撮影していた写真家も命を狙われ、写真家と大学の同級生だった主人公…

放送中止事件50年

政治家や企業の介入によって、放送中止となった番組があることは事例としてもちろん知ってはいたが、これほどまでに数が多いとは思わなかった。特に1960年代、自民党は盛んにテレビ番組に容喙している。面倒を嫌う放送局側の自己規制もあり、反体制側と…

原発広告と地方紙

博報堂に在籍していた本間龍氏が、グリーンピース・ジャパンのボランティアの協力を得て、原発立地県の新聞記事および新聞広告を細かく調査した。同じ原発立地県であっても、福島(地方紙2紙)や青森県のようにほぼ原発礼賛記事が支配的な地方紙と、そうで…

自動運転

自動車メーカーだけでなく、グーグルなども開発に乗り出し、話題の技術となっている「自動運転」。著者は、自動運転によって、交通事故、渋滞、高齢化社会などの問題の解決に資するとしている。その反面、これは「破壊的イノベーション」であって、そのまま…

「知の技法」入門

小林康夫・東大教授(来年で定年)と、大澤真幸氏とが、新世代の教養についてがっぷり四つに組んで語り合った。要は、もっと教養書を読もうよ、ということ。アマゾンでは随分と酷評されているが、悪い本ではない(カバーの「まったく新しい基礎教養」という…

ピア

『ダメなものは、タメになる』『創発』などの著書があるライター、スティーブン・ジョンソンの著作。原題は「Future Perfect」(未来完了)だが、中身から邦題は大きく変わっている。ピア・ネットワークによって問題解決を図る未来がテーマ。 メディア論関連…

ゆめにさまよう

谷川氏のイラスト集。

大阪梅田へ出かけ、谷川千佳氏の個展を鑑賞。三津田信三氏の新作の表紙も描いている新進気鋭のイラストレイターで、私の教え子です(もちろん、イラストを教えたわけではありません)。

国家と秘密

公文書管理や情報公開がテーマ。著者二人は歴史家。日本における公文書管理は、欧米諸国だけではなく、中国と比べても非常に遅れている。そんな中で、特定秘密保護法まで制定されてしまった。著者たちの危機感は、私も共有する。

ハルビン駅へ

著者のディビッド・ウルフ氏はニューヨーク生まれだが、現在は北大のスラブ研究センター教授。本書は、ロシア、中国、日本が交錯したハルビンの歴史がテーマ。ロシアの技師が作ったこの街は、「さびれた水路ぞいの酒蔵の廃墟から、人口十万あまりの活気あふ…

インサイド・ジョブ

アカデミー賞も受賞した、本格的なドキュメンタリー映画。テーマは、米国の金融業界の腐敗。サブプライムローン問題について、多少の知識はあったけれど、一方で顧客にサブプライムローンの証券化を含む金融商品を売りながら、他方ではそれが破綻すると大金…

キャッシュレス革命2020

野村総研の人々が書いた、キャッシュレス社会への「煽り本」ではあるが、現金にさまざまなデメリットが存在するのも確か。まあ今後の推移を見守ることにする。