2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

中国という蟻地獄に落ちた韓国

日経新聞記者鈴置氏の、『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』の続編。中身はさほど変わっていない。中身に説得力はあるのだけれど、韓国はダメな国だという「ガス抜き」になってしまってもな・・・。

グーグル、アップルに負けない著作権法

確かにタイトル通り、著作権法の話も出てくるのだが、中心は角川氏の考えるメディアの未来図だろう。アップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフト(角川氏はギャング4と呼ぶ)といった米国IT企業といかに伍してゆくのか、日本ローカルの出版社社趙が考…

食品偽装の歴史

食品偽装の問題は、現代日本でも様々な形で明るみに出るが、歴史的には、命にかかわるようなひどい食品偽装が行われてきたことを、本書は教えてくれる。本書が扱っているのは主としてヨーロッパの事例だが、おそらくその他も地域でも、事情は大同小異だろう…

ジェフ・ベゾス 果てなき野望

アマゾン創業者、ジェフ・ベゾスの半生を、彼の協力のもと、ジャーナリストのブラッド・ストーンが記した(しかしベゾスの妻は、ベゾスが冷酷に描かれすぎているとして、アマゾンのサイトで一つ星をつけたそうだ)。ベゾスの生まれ(母親が17歳の時の子ど…

福島第一原発観光地化計画

東浩紀氏による「思想地図」の一冊で、タイトル通り、福島第一原発を観光地化する構想が語られている。随分と汚い表紙だが、「太陽の塔」をモチーフに瓦礫で作った「ツナミの塔」という構想らしい。その他、「博物館」「地方自治課題解決センター」「リカバ…

映画のウトピア

粉川哲夫氏の映画評論集。やや意外なのだが、著書としては約20年ぶりなのだそうだ。「シネマ・シガレッタ」という章で、タバコと映画との関係を追究しているところは類書にはあまりない。「一期一会」は監督論で、リドリー・スコットやソダーバーグが論じ…

承認をめぐる病

斉藤環氏の新作論文集。「承認」論ばかりでなく、さまざまなテーマの寄せ集め。

国家のシロアリ

復興予算が復興地以外にも使われていることが話題になったが、その告発のきっかけを作ったのが、本書の著者・福場ひとみ氏による『週刊ポスト』の記事。 私は当初、多少は復興のために別の地域で復興予算を使っても良いのではないかと考えていた。が、本書を…

アーティスト

サイレント時代の映画スターが没落し、変わってトーキー時代の時流に乗って若い女優が人気を得てゆくさまを、この二人の関係性を軸に描くモノクロ映画。ヒロインの女性があまり可愛くないのが難点(監督の奥さんだそうだ)。

ニッポン・ポップス・クロニクル

音楽ディレクター、プロデューサーなどを務めた著者が、1969年から89年までの日本のポップス界を振り返る。著者が自分で言っている通り、中身は相当に偏っているが、私にとってはYMOを初め懐かしい名前ばかりで、披露される裏話をワクワクしながら…

パピルス

「大英博物館叢書」の一冊。パピルスについて詳しく教えてくれる。パピルスの層をつなぐのに、糊は必要なかったらしい。そして、シートを巻物に仕上げるためには、小麦粉の糊が使われた。古代エジプトの文字は通常、「ヒエログリフ」「ヒエラティック」「デ…

町村合併から生まれた日本近代

われわれは「明治の大合併」「昭和の大合併」「平成の大合併」の3つを、並列的に捉えがちだが、こうした「三大合併史観」を批判、明治の大合併に関する制度を詳しく解説する。主役は、ドイツからのお雇い外国人アルベルト・モッセと言ってよい。

増補 ポピュラー音楽と資本主義

毛利嘉孝氏による、ポピュラー音楽のいわば教科書。ですます調で平易に書かれている。マルクス主義思想やアドルノから、J−POP、DiYまで幅広く扱っている。福岡市は「音楽産業都市」構想などをかかげていたのか!

日本写真史(上、下)

中公新書から上下2巻で発売となった、日本の写真文化の通史。上巻は幕末維新から高度成長期まで。写真師の時代、写壇の成立、報道と宣伝、焼け跡、写真のヌーヴェルヴァーグ、といった具合に記述が進む。土門拳が、『ヒロシマ』出版から10年後に広島を訪…

誘蛾灯

木嶋佳苗の事件と比べると派手さは少ないものの、ほぼ同年齢の醜い女が次々と男を殺した(容疑をかけられている)という点では共通している「鳥取連続不審死事件」。本書は、元共同通信記者でフリージャーナリストの青木理氏が、鳥取に入って関係者から話を…

地ブランド

博報堂の書いた地域ブランド(地ブランド)論。基本的なことがゆったりと書かれていると言えば聞こえはいいが、中身はどうにも、博報堂の地ブランド自体の宣伝。本自体は安いものだが、講演を聞けに始まり、結局は博報堂に大金をむしられてしまう自治体関係…

中国の切り紙 窓花

福岡アジア美術館での展示「生活とアートV 窓花 中国の切り紙 黄土高原 暮らしの造形」の図録。黄土高原の崖に、「ヤオトン」と呼ばれる穴を掘って暮らしている人たちがいることは、日本の某政治家が「中国では政治が悪いから人々が穴を掘って暮らしている…

ヒラノ教授の論文必勝法

工学やOR,金融などの分野で業績を挙げた今野浩氏(東工大教授、中央大教授を歴任し現在は退職)の著作。論文を量産する方法、査読を通すテクニック、研究費獲得戦略などを披露する(もちろん専門分野によって違いはあるのだが)。経済学のジャーナルの査…

日本経済図説 第四版

経済を中心に財政、人口、食生活など幅広く、日本の現状を左ページに解説文、右ページに図表という形で簡潔に解説した基本書の第四版。筆頭著者の宮崎勇氏はもはや80歳ですが、まだまだお元気なのですね。

田中角栄に消えた闇ガネ

田中角栄といえば、功罪共に巨大な「闇将軍」だから、ちょっとやそっとのことが出てきても驚かない。立花隆の『田中角栄研究』を初めとして、ジャーナリストによる著作も既に数多い。だが、本書にはいささか驚かされた。 本書の中身は、木村博保氏に著者が聞…

ヘイト・スピーチとは何か

いわゆる在特会による「反韓・嫌韓デモ」などで注目されるようになった、マイノリティに対する憎悪表現である「ヘイト・スピーチ」に関する分かりやすく読みやすい入門書。

グローバリゼーション・パラドクス

グローバル化については、多数の学者・評論家が一家言持っているが、煎じつめれば、グローバル化を是とする自由主義、新自由主義的な経済学者と、グローバル化の問題点を指摘する学者とに分けることができるだろう。本書は、前者に目配りしつつも、基本的に…

顧客を売り場に直送する

ジャーナリスト西田宗千佳氏の新著。IT系のニュービジネス等の解説。なぜアップルが、グーグルマップの採用を拒んで自社製品にこだわったのか、その後のビジネス展開(コンシェルジェサービスや、ジオフェンシング=その場所に行くならばどのような情報を…

熔ける

大王製紙の3代目御曹司であり、経営者としても有能であった井川意高氏は、なぜかギャンブルにはまってしまい、最盛期には毎週末マカオに出かけて高額の賭けを繰り返す。本書は井川氏がその半生を書いたもの。芸能人との華やかな交流についてもその一端が書…

チューリングと超パズル

東京大学出版会が、こうしたパズル本を出すのは珍しいのではないか。ゲーデルやチューリングに詳しい東北大学の田中教授が著者。一筆書き、15パズル、論理パズルなどが取り上げられている。巻末にはチューリングの論文の翻訳も収められている。

新版 地域分析

1990年に初版が刊行されたものの改定新版。第1部「多変量解析で地域の特徴をさぐる」で、回帰分析、因子分析、正準相関分析、多次元尺度構成法などを、第2部「地域をいかに分析するか」でメッシュやボロノイ分割、ネットワークなどを紹介する。最終章…

鉄道会社の経営

私も鉄道マニアの一人で、こうしたタイトルを見るとつい手を出してしまう。経営的な観点から見た鉄道論。小林一三による阪急沿線の都市開発の話や、JRが進める「エキナカ」の話など、鉄道事業だけで黒字を維持するのはやはり難しく、都会であっても多角的…

昭和の出版が歩んだ道

昭和の出版史なのだけれど、随分と辛い出来事にばかり焦点を当てているように感じた。第1章や第2章はいいとして、第4章「取次盛衰記」、第5章「出版社盛衰記」、第6章「書店盛衰記」の多くの部分は、倒産した会社についての記述なのである。

地域ブランドのつくりかた

昨日の『地域ブランドマネジメント』に続いてこれも「地域ブランド」ものだが、理論書ではなく具体例が中心。というか、半分は全国を対象とした旅行ガイドのようなもの。47都道府県のご当地アイドルコレクションが挟み込まれているのだが、ほんとに各県に…

地域ブランドマネジメント

電通を中心とした「産学共同」の地域ブランドマネジメントの紹介。計画プロセスや評価、ゾーニング戦略、コミュニケーション戦略、アクター戦略などが論じられる。