2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「都市縮小」の時代

ややおたくめくが、私は小中学生時代、よく「少年朝日年鑑」の都市人口の数値を眺めていた。あのころ(1970−80年ころ)、まだ都市の人口はおおむね増えていた。もちろん、夕張や美唄のような旧産炭地や、一部の過疎地は人口減少していたけれど・・・ …

漢文の素養

漢文が日本文化に果たした役割を跡付けるにとどまらず(源義家や伊達政宗のエピソードは面白い、両者とも漢文を利用して心理戦に挑んでいる)、今後の教養として漢文を積極的に活用する方途の提案(東洋人としての教養、生産財としての教養、中流実務階級の…

琉球新報ニュースより 石垣市長選 元市議の新人・中山義隆氏が初当選 2010年2月28日 【石垣】任期満了に伴う石垣市長選挙は2月28日投開票され、元市議の新人・中山義隆氏(42)=無所属、自民、公明推薦=が1万6421票を得票して、現職・大浜長照氏…

金枝篇1

読み始めた。民俗学の古典。岩波文庫5冊で出ているのが「簡約版」とは・・・

数字が語る現代日本の「ウラ」「オモテ」

ちょっと意外な地理データを紹介する本。たとえば、食料自給率が下がる一方で、国産農産物の輸出も増えている(2002年から2008年でいちご28.7倍、米9.5倍など)、日本に住む外国人の子どもたちの46%が小学校に行っていない、全地球の16…

昨日は早朝から深夜まで忙しかった。帰ってすぐ寝てしまった。今日は、情報通信学会の研究会で兵庫県立大学に行く。JR神戸駅からすぐの、ハーバーランドにキャンパスがありうらやましい。神戸大学は駅から遠いからね。テーマは、「地域情報化とクラウド」…

次に来るメディアは何か

タイトルはやや大仰だが、メディアの今後について考えた書籍。著者は元・毎日新聞記者なので、やはりどうしても、マスメディアがどうなるのかという視点が中心のようだ。アメリカの新聞業界の苦境を描いた第一章が最もおもしろかった。アメリカの新聞記者の…

沖縄振興のための雇用開発調査

日本労働研究機構(確か若林亜紀氏が批判していた独立行政法人)が出した報告書。沖縄の雇用状況について、具体的に説明しているところはgoodだが、企業名が仮名でややもどかしい。

沖縄・自立への設計

平成9年(1997年)に出た本で、データ等古くなっているところもあるが、状況は大きくは変わっていない。沖縄のどこに問題があるのか、おおむねコンセンサスはできていると思うが、では、どうすればよいのか、誰にも「正解」がない。たとえばマルチメデ…

消える大学 残る大学

こちらはまったくの「実用書」。桜美林大学副学長で、テレビのコメンテーターとしても出演している諸星裕氏が、自分の経験(卒業したICUや、米国での勤務経験、そして今の桜美林大)を基に、有名大学ではない普通の大学がいかに生き残って行くかを語る。…

社会の科学2

ルーマンの科学(学問)論。我慢して最後まで通読したが、分厚い割に、それだけの価値のある本なのか疑問。ほとんど自明である個所と、何を言っているのかよく分からない個所が混在する。

社会の科学1

地下鉄のザジ

フランス映画の名作だが、初めて見た。こんなドタバタだったとは・・・。タイトルから、地下鉄が主題なのかと漠然と思っていたが、地下鉄はストライキ中で、ほとんど登場しない(最後にちらりと出てくる)。地方から出てきた少女ザジが主人公なのだけれど、…

世論をさがし求めて

日本における世論調査の大家の著作だが、期待が大きすぎたためか、失望した。第3章や第4章はいいのだが、たとえば世論という言葉をフランスの小説などから抽出した第1章は、あまりに散漫な記述で得られるものはほとんどない。私が編集者だったら、もうす…

「集団自決」の真実

沖縄・慶良間諸島で起きた「集団自決」事件について書かれた2冊。前者は2008年に出た新しい本で、沖縄タイムスの記者が、当事者(もちろんみなかなりの高齢に達している)にインタビューしたもの。後者は、もともと1973年に出たもので、作家の曽野…

証言 沖縄「集団自決」

日本思想という病

芹沢一也氏の主催する「シノドス」というセミナーでの後援をまとめたもの。中島岳志氏や5人。日本思想の抱える問題などが共通テーマとなっている。中島氏に西部邁の影響が強いのがやや意外だった。

岩波天皇・皇室事典

こんなユニークな事典が出ているとは知らなかった。事典といっても、大項目であり、「引く」というより「通読する」ための事典。私がこうした領域に予備知識がないためもあるが、非常に勉強になったし、とても面白かった。 項目はほぼ年代順に並んでいる。た…

メタ複製技術時代の文化と政治

遠藤薫氏の論文集。「聖なる消費のグローバリゼーション」の続編だが、本書は現代が対象で、ムネオハウスムーブメントや、オバマ大統領の選挙戦術などを扱う。第一章は、ベンヤミンのアウラ概念を、アドルノ、ハイデガー、ボードリヤールと比較しながら論ず…

一澤信三郎帆布物語

一澤帆布の三代目社長、一澤信夫氏が亡くなった後に起こった遺産相続騒動は、多くの人を驚かせた。老舗のかばん店で、兄弟同士の骨肉の争いが起きたからだ。名古屋で銀行員をしていた長男が出してきた「二番目の遺言」の真偽をめぐって裁判沙汰となり、最初…

洗脳支配

オウム真理教信者の「逆洗脳」で有名になった苫米地氏の著書。ところどころ面白い個所もあるが、全体に陰謀論の臭いが強いし、最後は自分の作った電子マネー「ベチユニット」の宣伝になる。奇書というほかない。

バカヤロー経済学

変なタイトルで損をしているかも。高橋洋一氏が、サイエンスライターの竹内薫氏の質問に答える形で、経済や行政の基礎知識を解説する。しかし、例の事件直後なので、高橋氏の名前を出さず「先生」としか書いていない。

職業としての大学教授

日米英仏独の5ヶ国について、大学教授の地位や、学者になるためのキャリアパスについて、比較研究したもの。テニュアを得るための競争が、日本がいかに甘く(なにしろ増加の割合がすごい、1960年から2007年で15倍)、恵まれているかよく分かった…

昨晩の風呂上がりに、東浩紀氏が司会の「「朝までニコニコ生激論」テーマ『ベーシック・インカム(キリッ』」をちょっとだけ見た(本当は全部見ようかとも思ったのだが、眠くなってしまった)。堀江貴文氏と小飼弾氏がやけに勢いよくしゃべり、他の出演者が押さ…

学歴の耐えられない軽さ

第一章で学歴インフレを、第二章で就職人気ランキングの裏側を、第三章では「若者カワイソウ論」への批判を、それぞれ述べている。著者はリクルートエージェント社のフェローという肩書き。 仕事柄特に第一章が興味深かった。高校生の減少に対して、早稲田は…

告発 検察「裏ガネ作り」

検察内部で「調査活動費」が裏ガネと化し、幹部の高給料亭での飲食やゴルフに使われていることを実名告発しようとした矢先に、見せしめ別件逮捕された三井環・元大阪高検公安部長の手記。チェック体制がないと、組織がどこまでも腐敗を続けるという典型例。…

ロボットとは何か

ロボット研究の世界的な権威となった、大阪大学の石黒浩教授の著作。人間そっくりのロボットを作る研究から著者は、「人間とは何か」という問題へと乗り出して行く。劇作家の平田オリザ氏と組んで、ロボットと人間とが共演する演劇が行われたとは知らなかっ…

朝日新聞ニュースより 国土地理院は19日、地図などで「奄美諸島」としていた表記を次回の刊行から「奄美群島」に統一すると発表した。 同院によると、法令や、現地の鹿児島県では「群島」が多く使われ、海上保安庁刊行の海図ではすでに「群島」と表記され…

医学と芸術

森美術館での展示を思い出しながら読む。高山宏氏や福岡伸一氏も執筆している豪華な図録で、これで2800円は安い。

岩倉使節団『米欧回覧実記』

久米邦武の『米欧回覧実記』は、読もうと思ってまだ読めていない古典の一つ。本書はその手軽な解説書。岩倉使節団の性質(多数のメンバーを米欧に送り込んで、その間に改革を行おうと大隈は考えていた)や、実記には書かれていない投資の失敗(久米邦武や塩…