2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

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「はしかの感染防止のため明日から休校」の知らせが。がっくり。事前に決まっている休みならいろいろと取材の予定を立てることもできたが、いきなり言われても・・・。しかも、休講にした分はあとで補講するのだから、結局夏休みが短くなるだけ。既に立てた…

訃報 明日から休校

時事通信ニュースより 小西甚一氏(こにし・じんいち=筑波大名誉教授、俳人)26日午前0時10分、肺炎のため東京都西東京市の病院で死去、91歳。三重県伊勢市出身。葬儀は親族のみで済ませた。喪主は妻晃子(あきこ)さん。 専攻は日本中世文学、比較…

だまされる視覚 錯視の楽しみ方

錯視の第一人者・北岡明佳氏の著作。図版が白黒なのはちょっと残念だが、多数の種類の錯視を楽しむことができる。錯視図形をコンピュータ・グラフィクスでどのように作るかについても、簡単な解説がある。 http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/

午前中は3年生ゼミ、および1年生向けオムニバス授業。昼過ぎに、日本テレビアートの石附氏が来校される。採用してくれる企業さんの方で、わざわざご挨拶に出向いていただくというのは、非常に珍しく、恐縮する。

カフカのプラハ

カフカは学生時代大好きだった作家だが、これまであまりプラハの町と結びつけて考えて来なかった。著者は、カフカの約40年の短い生涯を、プラハの美しい街並みに見事に結びつけてみせる。小さいけれど好著。

なんのかんの言っても、河瀬直美氏のカンヌ受賞はめでたい。 しかし、自殺でケリをつけようとする風潮には本当に腹が立つ。自殺よりも、すべてを明らかにするほうがずっと立派な態度だ。死んでおわびをすれば水に流すというのは、日本の習慣の中でも最悪に属…

不況のメカニズム

私はどちらかと言えば「構造改革派」なのだけれど、小野善康さんの本を読むといつも説得されてしまう。小野氏は、人間の貨幣保有動機には「守銭奴的な動機」があると主張し、ケインズ一般理論の不整合な部分を彼なりに整合的な一枚の絵にしてみせた。氏によ…

松岡農水大臣自殺。正直言って同情する気にならない。それどころか、最後まで本当のことを明らかにしないまま逃げられた、という不快感のみが残る。死ぬよりも、全てを明らかにして引退してくれれば、政治家としての失敗例、一つの教訓としてよほど有益だっ…

科学の社会化シンドローム

現代科学の直面している諸問題の解説書。著者は電子工学を専門とする京大名誉教授。実験結果の捏造問題、ピアレビューのはらむ問題、科学と社会の関係、人材育成(ポスト不足)といった問題が扱われる。主として理科系の話題で、文系の置かれた環境とはかな…

知の遠近法

東大駒場連続講義をまとめたもの。私が興味深く読んだのは第2章と第3章。

巨大人脈SNSのチカラ

1980年生まれのまだ若い著者による、SNS紹介本。有益な情報がいろいろと含まれており、新書としてはお買い得。但し「SNS世代は文章が確実に上手くなっている」(p.204)というのはやや疑問に思う。どのような文章をうまいと思うかにもよるが・・・

吉本興業の正体

関係者に丹念に取材した力作であることは間違いない。ただ、今話題になっている林家と中田カウスとの確執について、もっと掘り下げた記述を期待していたので、その点はやや失望。

国字の位相と展開

JIS漢字の典拠確認などに業績を挙げた早大の漢字学者、笹原宏之氏の力作。分厚いが、漢字好きにはすぐに読める。ところどころ、あまりにも議論が細かいところもあるが、古文書からホームページまで、字が実際に使われた用例を収集し整理する氏の執念には頭が…

複雑な殺人芸術

法月綸太郎のミステリー論集(海外編)。国内編にも増して未読の作品が多いのだが・・・。現代思想に発表された「初期クイーン論」と、やはりクイーンを論じた「一九三二年の傑作群」、ロス・マクドナルドを論じた表題作「複雑な殺人芸術」などはミステリ論…

日本の音楽産業はどう変わるのか

ポストiPOD時代の新展開、という副題からも分かるように、音楽配信時代を迎えた音楽産業のあり方を展望している。特に、レコード業界で大リストラが進んでいるという話は知らなかった。また、せっかくハードとソフトの両方を備えていながら、そのためにむし…

新歓

今日はゼミの新歓コンパ。

レオナルド・ダ・ヴィンチと受胎告知

前半の岡田温司氏の部分では、多数描かれた「受胎告知」(天使がマリアにイエスの懐胎を伝えにくる場面を描いた、西洋美術では頻出のモチーフ)の意味づけが行われ、後半の池上英洋氏の部分では、ダヴィンチがどのような状況下で「受胎告知」を描いたのか、…

マサリクとチェコの精神

チェコスロヴァキア建国運動の立役者であるマサリクの思想を、チェコの精神史の中に位置づけた力作。有名なフスやコメンスキーだけでなく、ドブロフスキー、ユングマン、ハヴリーチェクといった思想家についても丹念に掘り下げている。

少子社会日本

「パラサイト・シングル」「希望格差社会」で有名な山田昌弘氏の新刊。筒井淳也氏のブログ(http://d.hatena.ne.jp/jtsutsui/20070429)で知ったのだが、某大物社会学者が、アマゾンの署名書評でこの本を酷評していた(今見たら削除されている)。しかし読んで…

私たちはどうつながっているのか

ネットワーク論の入門書。この辺のことは類書も何冊か読んでいるので、さほど目新しい発見はないが、ネットワーク中心性に「次数中心性」(知人の多い人)、「近接中心性」(起点とする情報が速く全体に行き渡る人)、「媒介中心性」(最短経路のノードにな…

京都です

相国寺の伊藤若冲展を見る。大変な混雑。午後は「日本の表面張力」と題する、若手の映像作家のプログラムを1928ビルに見に行く。会場は11席で非常に小さい。残念ながら、関係者以外の観客はほとんどいなかった。作品は、イメージ・フォーラム・フェス…

リバタリアン宣言

リバタリアンとは、政府による介入をなるべく排除し、個人の自由を最大限尊重しようという立場・主張のこと。政府が肥大化し、さまざまな「政府の失敗」を繰り広げているという点からすれば、リバタリアンの主張は一定の説得力を持つ。確かに、全てにおいて…

帰りも夜行バスで神戸に戻り、そのまま学校で授業。そのあと教授会。やれやれ。終わったあとに阪急で京都へ。イメージ・フォーラム・フェスティバルの「京都特別」プログラムを見るため。ジル・アルカベッツの特集。わざわざ行っただけの価値はあった。その…

東京都庁、大和市役所、厚木市役所で地域情報化政策の取材。大和は厚木基地の騒音でうるさい。

神奈川県立図書館で資料あさりをしたあと、横須賀市役所で地域情報化政策の取材。

授業のある日のはずが、開校記念日とやらで休みであることが分かり、夜行バスで東京へ。千葉市役所および千葉県庁で資料あさり。船橋市役所と市川市役所で地域情報化政策の取材。

政党と官僚の近代

明治から昭和にかけての日本の政治における、官僚と政党との関係を、実際の人材の移動(官僚がどういったコースで政党政治家になったか、など)を通じて具体的に跡付けた、まだ若手の政治学者による著作。残念ながら私は日本近代史は強くないので、知らない…

終わりの始まり ローマ人の物語11

「ローマ人の物語」もだんだん終わりが近づいてしまってさびしい。この巻は、五賢帝の最後となるマルクス・アウエリウス・アントニウスと、その後の混乱が中心となる。彼は本当に真面目で、勤勉で、家族を愛した人なのに、その息子のコモドゥスは即位後に大…

「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか

こちらはつまらなかった。取り上げられている舞城王太郎などの小説を面白いと思えないこともその一因かもしれないが・・・

名探偵はなぜ時代から逃れられないのか

法月綸太郎のミステリー論集。文庫版用に書かれた解説などが多く収められている。未読の作品も多かったけれど、楽しめた。はっきりいって、推理作家は、そんじょそこらの学者より頭がよくなくては勤まらない商売だと、切に思う。