2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ありがたい

私の代表作『情報社会論の展開』、アマゾンで初レビューがついた。ありがたい。生きててよかった。情報社会論の展開作者: 田畑暁生出版社/メーカー: 北樹出版発売日: 2004/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 72回この商品を含むブログ (6件) を見るとこ…

しくじった皇帝たち

前半は隋をつぶした煬帝の汚名を、豊富な資料から雪いでゆく。煬帝と言えば、ネロやカリギュラのように、悪辣な皇帝とされているが、その根拠となった資料の多くは「小説」などで、実際には煬帝が特に暴虐だったわけではないと論証する(暴虐でなかったとい…

国語審議会:迷走の60年

国語審議会の流れを跡づけた地味な本だが、抑制した中にもところどころ著者の考えが覗くところもある。例えば、敬語について、 くりかえすが、敬語は規範である、だから正しく使え、といった方がどれだけすっきりすることか。この社会は階層化され、敬語がう…

時代の目撃者

絵、写真などの視覚イメージを、歴史研究に使う際には、どのような点に注意する必要があるのか、豊富な具体例を織り込みながら論じている。アリエス『子供の発見』を批判した部分が興味深い。アリエスは中世の子供の肖像画の服装から、中世には子供は「小さ…

初恋

ロードショーの時、「3億円事件の真犯人は女子高生だった」というようなキャッチコピーに興味をそそられたが、結局見逃した。レンタルDVDにあったので借りてみたけれど、これはダメだ。ムリヤリな設定を納得させるだけの物語がない。登場人物も、要らな…

昨日・今日と前期入試。書きたいこと(おおむね愚痴)はいろいろあるけど、書けません。

ドイツ文化史への招待

ドイツだけでなく、広い意味でのドイツ文化圏(ドイツ、オーストリア、スイス、東欧)の文化を扱った入門書。私は特にカフカの章がおもしろかったが、他にも、メンデルスゾーン一族の話や、フランクフルト学派の歴史など、興味深い章は多く、得した気になっ…

チャイナタウン

仕事で必要になり見る。近所のレンタル店でVHSが100円で売っていた。チャイナタウン [DVD]出版社/メーカー: パラマウント ジャパン発売日: 2005/03/25メディア: DVD クリック: 4回この商品を含むブログ (14件) を見る

ビエンナーレの現在

横浜トリエンナーレ、越後妻有トリエンナーレなどを題材に、ビエンナーレ(2年に一度の美術展)やトリエンナーレ(3年に一度の美術展)の現状や課題を論じた論文集だが、うーん、あまり面白くはないなあ。

昭和を騒がせた漢字たち

漢字にまつわる「事件」を歴史的に振り返る。「八紘一宇」、タバコの「宙(おおぞら)」、水俣病患者の掲げた幟「怨」など。小学校や中学校の先生、あるいは中学受験などは今でも、細かな「ハネ」とか「トメ」を気にして採点しているのかしら。あれは悪習だ。

の思想

18世紀のロンドンで、いわゆる「海賊版書店主」と、権利を著者から買った書店主との間で、著作権をめぐる法廷闘争が行われたが、本書はこの裁判を詳しく解説し、著者よりも業者の利益を守るころに貢献している著作権強化に警鐘を鳴らす。本筋ではないが、…

きちんとわかる時計遺伝子

遺伝子レベルで生物の周期リズムを発現させるものとして、1971年に発見された「時計遺伝子」。本書は時計遺伝子にまつわる様々な研究を分かりやすく教えてくれる。人間よりも、ショウジョウバエを使った実験の話の方が多いのは、実験の容易さから仕方の…

北方領土交渉秘録

鈴木宗男や佐藤優と組んで、外務省の対露政策を歪めたとされる東郷和彦・元外務省欧亜局長による日露外交の回想録。タイトルにあるように、北方領土返還交渉が大きな主題となっている。当事者によるものだから、多少は割り引いて考えなくてはならないのかも…

説教 小栗判官

私はマンガを滅多に読まないのだが、「小栗判官」の話を知るために手にとってみた。

ミステリと東京

東京を舞台にした(広義の)ミステリを紹介する。月刊『東京人』での連載をまとめたもので、ページ数は多いが、小説のあらすじ紹介の部分が大半を占めていて、川本氏の創見はあまり多くない。戸川昌子『猟人日記』なんて、知らなかったなあ・・・

開かれ

アガンベンの著作だが、本論のページ数は140ページほどで、残りは訳注や訳者解説が占めている。 副題に「人間と動物」とあるように、ヘーゲル/コジェーヴ的な人間・動物問題が一つの焦点だが、バタイユの「無頭人」、フーコーの「生政治」、ユクスキュル…

探偵小説の論理学

探偵小説は「謎と論理のエンタテインメント」(都筑道夫)であるけれど、その論理について突き詰めて考えた研究書や論文は、さほど多くない。笠井潔氏や、法月綸太郎氏の文章が思い浮かぶ程度だが、本書は、ラッセルの論理学や様相論理を使い、探偵小説の論…

二次元美少女論

サブカルチャーで描かれた「甲冑美少女」「メカ美少女」等を、豊富な図版とともに論ずるが、研究というよりはオタク本かしら。

情報のさばき方

先日の『国家の呪縛』に挙げられていた本。言われてみれば当たり前のことが、著者の新聞記者経験とあわせて納得的に書かれている。

合コンの社会学

若い社会学者2人による、合コンの分析。私も学生時代、合コンに行ったことはあるけれど、今の合コンは昔よりはるかに意識的な演技の場、術策の場になっているようだ。作為でない「運命的な出逢い」を求めてしまう強い願望がなければ、もっと世の中はうまく…

バブル

「反転」がベストセラーになった田中森一弁護士の対談集。そういえば昨日、有罪で収監が決まったのだったか。 残念ながら、反転と比べて中身は薄い。ただバブル時代の多額の金銭の動きには、溜め息が出るばかりだ。株が上がり、土地が上がり、裏社会に多額の…

独身手当

「日本労働研究機構」の内部告発者・ジャーナリストの若林亜紀氏の著作。地方公務員を中心に、タイトルになっている「独身手当」など、特殊な手当が乱発されてきたことを具体例を挙げて批判する。また、もっと深刻なのは、実際の仕事はアルバイトにやらせ、…

ますます地理は虐待される

毎日新聞ニュースより 日本史:すべての県立高で必修科目に 神奈川県教委が発表 神奈川県教育委員会は14日、すべての県立高で「日本史」を必修科目にすると発表した。日本史A(近現代史)とB(通史)、新たに作る県独自の日本史系2科目の計4科目から一…

文化解体の想像力

シュルレアリスムと文化人類学(的思考)の出会いを語る、大部の論文集。あまり詳しくない領域なので、読むのに結構難渋した。詩人で文化人類学者だったミシェル・レリスが一つの焦点となっている(レリス自身の論文も収められている)。

クラシックを聴け

型破りなクラシック入門書。クラシック音楽を、十九世紀ヨーロッパにおける特殊な社会環境が生み出したもの、死を運命づけられたものとしているのだから穏やかではない。日本のオーケストラなど、猿真似の一言で切って棄てられる。おすすめ曲を、わずか3曲…

ウェブ炎上

私もアンテナに入れている「成城トランスカレッジ」(今は「荻上式」か)の荻上チキ氏の著書。ウェブ、特にタイトルにある炎上やサイバーカスケードに関する知識が要領よくまとめてあって感心する。ただ一ケ所(細かいことだが)残念に思ったのは、マスコミ…

ハプスブルク帝国の郵便メディア革命

郵便制度の確立者といえばタクシス家だが、私もあまり詳しいことは知らなかった。本書は、Wolfgang Behringerによる研究に主として依拠しながら、ハプスブルク帝国とタクシス家について詳述するもの。 1505年、ハプスブルク王朝のフィリップ美王は、フラ…

VOL 1

酒井隆史、渋谷望、田崎英明、萱野稔人、矢部史郎といった論客たちによる、「政治運動雑誌」。路上での占拠活動などの正当性を主張する。渋谷望氏は、もうみなが忘れかけた香田証生事件を題材に、テロリストたちが「ホモ・サケル」(殺され得るもの)になっ…

これは一体なんだろう?http://www.onlypic.org/

プラネタリウム

「大人の科学」のプラネタリウムを、妻が作った(私は不器用なので・・・)。リビングなどで映して遊ぶ。