2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

資本開国論

資本面での「開国」を主張する野口悠紀雄氏の著作。賛成できるところとできないところがある。金融緩和によって家計から企業に大量の所得移転(200兆円)が起きたことや、法人税を減税しても企業の競争力強化にはならない点については、まったくその通り…

瀬戸内海 島めぐり

こちらも離島本。瀬戸内海の島々を紹介したもので、写真が美しいが、約20年経ってしまっているので、状況は大きく変化したところもある(特に架橋については)。

リージョンの時代と島の自治

中央大学の研究叢書の一冊で、バルト海に浮かぶオーランドと沖縄とを比較研究したもの。オーランドという島は知らなかった。人口3万足らず。フィンランド領だが言語は基本的にスウェーデン語、6000以上の群島からなり、自治が発達している。

読売新聞ニュースより 育児放棄エスカレート、3月頃からか…2児死亡 大阪市西区南堀江のマンションの一室で男女2人の幼児の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された母親の風俗店従業員・下村早苗容疑者(23)の部屋から聞こえた子供の泣き声は…

資本と言語

スイス生まれのイタリアの思想家、マラッツィの著作。現代の経済が「言語的」な営みになっていると主張するものだが、説得力は半分程度、といった感じだ。

知能化都市

都市論や建築論といった分野は、本来私がもっと興味を持ってしかるべきところなのだけれど、なぜか苦手で頭に入りにくい。本書も通読はしたものの、得られたことは少ない。

沖縄の自己決定権

先日の選挙でなぜか落選した、元参議院議員で歌手の喜納昌吉氏の著作。「ハイサイおじさん」「花」といった歌で有名だが、両親ともに再婚者で大家族、大学は中退し若い頃に逮捕されるなど、思った以上に波瀾のある人生を送ってきた人だ。議員になるくらいだ…

クラウド誕生

クラウド・コンピューティング企業のセールスフォース・ドットコムの創業者、マーク・ベニオフが、同社の快進撃について自ら語った著作。111のアドバイスという形でまとめている。

アカデミック・キャピタリズムを超えて

他の国と違う特異な性質を持っているアメリカの大学。その最も顕著な特徴はやはり、資本主義との近さだろう。自らが特許を取り資金を集めたり、投資を行ったりといった活動に積極的だ。こうしたアメリカの大学の功罪両面を明らかにする。特に興味深く読んだ…

社会的排除

social exclusionの日本での実態を、豊富な実例から明らかにする。例えばホームレスに至る経緯は、それなりに多様であり、その中にある種のパターンを有している。社会的な包摂を進めるために、実態を知ることは必要な作業だろう。

人間に格はない

玄田有史氏の著作だが、本書はもともと、志半ばで逝った石川経夫教授の追悼として企画されたものだが、石川氏の未亡人である石川幹子・東大教授が、そのような企画よりも自分の研究をまとめた方がよいと反対し、このような形(玄田氏の論文集)になったと言…

アメリカからが消える

ジャーナリスト堤未果氏の著作。9.11テロ以降に拙速の形で成立した愛国者法などの影響で、米国がいかに息苦しい社会となってしまったかを描く。残念なのは、ブッシュからオバマに政権交代したにもかかわらず、この状況が必ずしも好転したとは言えない点…

文字コード超研究

文字コードについて網羅的に解説した分厚い書。例えばなぜ「文字化け」が起こるのか、本書だけで十分に分かる。

現代国家と人権

憲法学者・佐藤幸治氏の論文集。後半のプライバシー論を重点的に読んだ。かなり古い論文も含まれている。共感する部分と、違和感を感じる部分と、両方ある。

ウェブサイエンス入門

インターネットを計量的にとらえる方法を例示。

コトバの戦略的思考

経済学者の梶井厚志氏がコトバについての本を出すとは意外だったが、読んでみるとナルホドと思うことしきりだった。氏の専門はゲーム論や戦略論で、その立場からコトバの用法について考えるもの。時としては大胆な仮説も提唱されている。 第一章「日常コトバ…

博士の奇妙な成熟

「博士の奇妙な思春期」に続く、斎藤環氏のエッセイ集。『こころの科学』などに各所に掲載した文章を集めて編んだものだが、現代における成熟の困難さは一貫したテーマとなっている。精神病ですら、深刻な分裂病は影をひそめ、「ふまじめな患者」が増えてき…

津軽学

弘前大学で行われた授業をまとめたもの。内容は伝統文化(ねぷた、三味線、津軽塗)と文学が中心で、私が期待したような内容ではなかった。また、記述のあり方も、どうもまとめ方がうまくない。

カリコリせんとや生まれけむ

私と同じ昭和40年生まれの現代美術家、会田誠氏のエッセイ集。家族のことなどを赤裸々に描いて抱腹絶倒の個所多数。ただ、世界的なアーティストとして功なり名遂げているのに、これほど世を拗ねているのはなぜなのだろうか。表題の「カリコリ」というのは…

フォッグ・オブ・ウォー

国防長官としてのロバート・マクナマラは、ある人々にとっては「悪の権化」ともいわれるくらい悪評が高かった。冷徹に殺人を計算するなどとも言われた。 しかしこのドキュメントでマクナマラ自身が語っていることを聴くと、彼は冷徹でもなければ残酷でもない…

都市経済論

都市経済学の教科書。語り口は平易だが、かなりよくできていると私は感じた。

鉄道の知恵 線路の不思議

鉄道史のトリビア本。

不可能を証明する

「不可能」であることをどのように証明するのかという問題を軸に、数学史を簡潔に振り返る。あまり難しいところには突っ込んでいないので、一般の人にも気軽に読める記述となっている。「背理法」の誕生から始まり、無理数の発見、作図の不可能性、トポロジ…

言葉の煎じ薬

呉智英氏が「小説推理」に連載した記事をまとめた書。誤用を中心に日本語の表記に関する話題が50本。一番印象に残ったのが、「奇しくも偶然に」。音読みと訓読みとが偶然似ているものとして、「奇」の「キ」「く」のほか、「死」の「シ」と「しぬ」、「奥…

天下りゾンビ法人

官僚たちがうまい汁を吸うために多数設立した独立行政法人や公益法人について、朝日新聞記者が鋭く切り込んだ書。具体例が挙げられ、記述に迫力がある。例えば、道路地下の空洞調査を、技術もないのに受注していた「道路保全技術センター」。民間でもできる…

消費税は0%にできる

新自由主義、およびそれに基づいた「小さな政府」論や、財政均衡論者たちが、政府支出を削減したために、日本の不況が長期化し、結果として債務が増えたという立場の書。したがって、政府支出を増やして景気を回復させるべきとする。 景気が回復すれば債務が…

死ねばいいのに

京極夏彦の新作。本格(=論理的に犯人が導出可能)かどうかは微妙だが、上質なミステリであることは間違いない。ネタばれになるので詳しいことは書かないが、人間の幸福について考えさせられる。薄幸のまま死んだ女性と、不満たらたらのその周囲の人々と、…

今日は会議続き。帰ってついミステリに手を伸ばした。

世界の名著 スピノザ ライプニッツ

いずれ読もうと思っていた。スピノザのエティカは、神の存在を証明するものだが、スピノザの神は非人格神であって、ある意味無神論とも言える。非常に面白かった。それと比べると、ライプニッツは既存のキリスト教に近寄っていることろが鼻につき、あまり共…

松山市、中島支所

高浜港から中島に渡り、旧中島町役場で地域情報化政策の取材。さらに松山市街に戻り、本庁と愛媛CATV(忽那諸島の無線ブロードバンドを担当)に取材。松山市に属する10の島では、今年の春から「しまはく」というイベントを行っているが、残念ながら瀬戸内…