2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧
全国各地のユニークな駅の紹介。表紙になっているのは「股裂き駅」(ホームが扇状で線路が股が裂けるように広がっていく)の代表である近鉄日永駅。私のよく使う阪急電車にも「股裂き駅」は多く、本書でも十三、塚口、石橋が紹介されている。ほか、ホーム以…
長い邦題だが、原題は「セクシー・リトル・ナンバーズ」。企業経営にいかに数字を活かすか、実例を元に語るもの。アカデミシャンには物足りないだろう。
第一部「ヨーロッパにおける紙の普及」、第二部「版面の裏で」、第三部「大規模な拡大」の三部構成。基本的には欧米の話なのだけれど、例えば15世紀のトランプ遊びブームが紙の利用を促進したなど、意外なエピソードも多く読んでいて面白い。早稲田大学教…
電子政府はなぜ進まないのかを、総務省の担当官らが追求する。よく知られた例だが、パスポートの電子申請が事業仕分けされてしまったことが記憶に新しい。いっそのこと、パスポートも運転免許も一枚の「住基カード」にでもしてしまったらと私は思うのだが、…
著者は1925年生まれの元・書道教師で、コツコツと漢字字形を研究してきた。書道教師ならではの視点から、現在の漢字研究が活字偏重、「康熙字典」偏重であることを告発する。目からウロコが何枚も落ちた。「康熙字典」や「説文」を疑うことなく墨守して…
無縁社会と言われる中、「孤立」や「孤独」は大きくクローズアップされているが、この問題に社会調査から迫った好著。意外な展開や派手な結論はないのだが、実証的なデータで納得させる。
著者は心理学の博士号を持つサイエンスライター(女性)。スキナーの「オペラント条件付け」、ミルグラムの服従実験、ローゼンハンの精神科詐病実験、ダーリーとラタネの「傍観者効果」実験、フェスティンガーの認知的不協和、ハーローのサルの子の愛情実験…
伊藤陽一教授以下、結構名のある学者が編者をしているのに、どうしてこんな「奇書」が出来てしまうのだろうか?キーワードの選び方も謎だらけだし(最初のキーワードは「行」)、途中に慶應の学部生の映画コラムが挟まっているのも意味不明(125ページに…
日本人の「料理観」や「主婦観」を、時系列的に明治時代から跡づける。特に第4章以降は、テレビの料理番組が俎上に挙げられる、のだが、いまいち物足りない気がするのはなぜだろう?もう少し面白く料理できたのではないかと思うのだが。東大に提出された修…
OECDの「より良い暮し指標」が、いくつかのメディアでニュースとなっていた。これはOECDが、住宅、収入、雇用、共同体、教育、環境、ガバナンス、医療、生活満足度、安全、仕事と生活の両立という11分野で、各国を比較、評価したもの。日本の結果…
両者とも、現代日本社会批判であり、ある程度は共通した内容もある。前者は、大妻女子大学の小谷敏教授の著作で、タイトル通り、ジェラシー渦巻く日本社会のありさまを批判的に述べたもの。そういえば、岸田秀にも「嫉妬の時代」という本があったが、それに…
貸借対照表や損益計算書などの読み方をガイドする。巻末の「プラクティス」では、トヨタ、グリー、東京電力、大王製紙といった話題の会社の決算書が取り上げられている。
京都大学に提出された博士論文。この本自体の価値はよく分からないが、三島をきちんと読んでみよう、という気にはなった。実は私は、あまり三島の作品を読んでいないのだ。読んだのは、『仮面の告白』『金閣寺』『午後の曳航』そして、プライバシー問題で有…
吉成真由美氏(確か利根川進さんの奥さんでしたね)が、世界的な知性と言える6人にインタビューしたもの。その6人とは、『銃・病原菌・鉄』のジャレド・ダイヤモンド、普遍文法論のチョムスキー、『妻を帽子とまちがえた男』のオリバー・サックス、人工知…
著者は元・共同通信記者で、柳田国男を受け継いで地名の研究をコツコツと進めてきた。本書では特に、謎の多い地名について解明を試みているが、なるほど、納得の行く説明が多く提供されている。 例えば冒頭は、難読地名として知られる「一口」(いもあらい)…
分かりやすいクリエイティブ・コモンズの解説書。著者は東京生まれ、フランス国籍、UCLA出身と、まるで絵に描いたような「グローバル人材」ですね。購入者には無料PDFダウンロード権もついています。
16世紀の出版業の中心はヴェネツィアで、ヨーロッパ全体の本の半分がヴェネティアで作られていた。当時はドイツよりイタリアの方が、はるかに識字率が高く、本を読む人も多かったそうだ。この出版のありさまを、様々な出版業者に焦点を当てながら、詳しく…
何度か書いたが、私は高校で日本史を履修していないので、未だに日本史には多少の苦手意識がある。本書は、教科書の形態を取った、鳥海靖氏によるオリジナルの日本金現代史。で、明治維新から第二次大戦まで。メディアの役割についてはかなり辛口(新聞が日…
写真用語集。歴史的事柄が中心。一度は通読しなくてはと思っていた。
芸人兼若手国語学者のサンキュータツオ氏が、国語辞典に関するうんちくを傾ける。詳しく紹介されるのは、定番の『岩波国語辞典』や『新明解国語辞典』のほか、やや変わり種の『ベネッセ表現読解国語辞典』『日本語 語感の辞典』『基礎日本語辞典』まで11種…
栗本慎一郎氏と言えば、私の若い頃は「ニューアカデミズム」の旗手の一人で、私も栗本氏の本は結構たくさん読んでいる。その後の栗本氏の人生はけっこう「迷走」した感はあるけれど、本は変わらずに面白い。 さて本書は、栗本氏自身が「最後の本」と称してい…
日本を代表する現代美術家の会田誠氏は、一部の「良識派」の人たちからキワモノと思われているらしい。しかし、決してそんなことはなく、むしろまとも過ぎるくらいまともな人であるということが、氏のエッセイからはよく分かる。本書は、幻冬舎のPR誌に連載…
中小企業金融公庫のサラリーマンが、大津支店に単身赴任となり、「びわ湖検定」をきっかけとして滋賀県内のさまざまな土地をめぐってみた体験記。
長野県の南部は、いまでも「村」が多いことで知られる。その中の一つ、「泰阜村」の村長である松島貞治氏の論説が第一部、第二部は大阪市立大学教授の加茂俊男氏が書いている。「電子自治体構想は立派でも、泰阜村に光ファイバーを設置する民間はなく、いず…
齢八十歳を迎えた経済学者・正村公宏氏の著作で、タイトル通り日本の危機を見据えたもの。書かれている「危機」についてはそれなりにもっともなのだが、結局話は「知のあり方」という壮大なところに向かっていってしまう・・・。実用主義・実利主義への過剰…
「アニメを究める9つのツボ」として、「文学理論」「映像論」「ジェンダー論」「サウンド・ヴォイス研究」「ヒストリー研究」「オーディエンス研究」「アート研究」「コンテンツ研究」「オーディオ・ヴィジュアル研究」の9章構成。
「第一部 アイヌ文化から始まる北海道の歴史・文化」「第二部 自然が奏でる北海道の癒し空間」「第三部 日本の食料供給基地の位置づけを越える存在へと変貌中」の三部構成。「大学的・・・ガイド」はこれまで西日本を中心に出版されてきたが、初めて東日本地…
音楽研究者の小沼純一氏による、音楽を中心とした映画批評集成。版形は小さいが400ページ近く、内容も充実している。取り上げられているのは洋画が中心で、邦画は少ないが、山村浩二のアニメーションなども含まれている。
タイトルは小説「舟を編む」を意識して付けられたものだが、あんな低レベルの小説を読むくらいなら、本書を読む方がずっとよい。三省堂国語辞典の現役の編集者が、辞書作りの実際を語る。新規項目を探すために、各種の雑誌を精読し、テレビは録画するという…