2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

由布市、杵築市、国東市

夜行バスで博多に向かい、そこからは友人・吉田の車で大分へ向かう。由布市、杵築市、国東市で地域情報化政策の取材。由布市は湯布院温泉のあるところだが、庁舎の中心は旧庄内町役場。そこから県道を北上しようとしたが、県道とは名ばかりで、細い上に表示…

調査データ分析の基礎

2日前の谷岡一郎学長の本で、私の大阪商業大学に対する評価は地に落ちたが、本書である程度回復した。同大学の教員2人の著作で、同大と東大社研とで合同で行っているJGSSの豊富なデータを実習、練習問題として使いながら、統計が身につくように工夫さ…

これは面白い(と表現したら不謹慎か)。

エネルギー問題!

著者は龍谷大学名誉教授で、エネルギー問題が専門。400ページ近い内容の詰まった本で、非常に勉強になる。石油、石炭、原子力、再生可能エネルギー、地球温暖化問題、等々を、一章づつ丁寧に論じていく。 しかし現今の状況からすると、やはり著者の認識は…

毎日新聞ニュースより 発信箱:すべて想定されていた=福岡賢正(西部報道部) 原発事故の報道に強烈な居心地の悪さを感じている。その理由を突き詰めていくと、メディアが安易に使う「想定を超えた」という言葉のせいだと思い至る。眼前で今起きている事態…

40歳からの知的生産術

ギャンブル学の権威、谷岡一郎氏の著作。同じ著者の「「社会調査」のウソ」はなかなかよくできた本だったが、本書は中身が薄い。「40歳からの」とついているが、本書に書いてあるようなことを知らない40歳はもはやダメなのではないか。ノウハウの中心は…

本当は嘘つきな統計数字

よく「ホンマでっかTV」でいじられている門倉貴史氏の著作。さまざまな統計数字に潜むワナを解説するものだが、特にエンゲル係数の低下が必ずしも豊さと結びついていないという指摘にハッとした。確かに高齢化が進めば、老人は食の細い人が多いから、豊か…

国立国際美術館(大阪・中ノ島)に行き、「美術と映像」展を鑑賞。映像2プログラム。Bプログラムでは、勅使河原宏の「北斎」「ジャン・ティンゲリー」、羽仁進の「絵を描く子どもたち」、松本俊夫の「銀輪」「白い長い線の記録」。勅使河原の2作品は面白…

甲骨文字小字典

著者はまだ30代だから、文字学者としては若手と言ってよいと思うけれど、既に何冊も著作を出し、遂に字典まで出している。皮肉でなく立派だ。本書は、甲骨文字の研究成果を生かして、教育漢字のうち甲骨文字にあるものについて、その字源を解説したもの。…

歌謡曲

1960年代から80年代までの歌謡曲の概説。序章と終章でその前後についてもわずかに触れられてはいるけれど、基本的に80年代で歌謡曲が終わってしまったという認識なのだろうか。私としてはむしろ、自分が歌謡曲にすっかりうとくなってしまった90年…

今日は卒業式、および卒業証書授与式。関東の方では、卒業式の中止が相次いでいるそうだ。仕方のない面もあるのだろうが、残念だ。実態以上に「自粛ムード」が進んでいる気がしてならない。飲食店などは大打撃だろう。二次的な経済の不振が続いてしまう。

秋葉原耳かき小町殺人事件

推理作家の吉村達也氏が、事件当時話題になった「耳かき嬢殺害事件」について、被害者の残したブログや同僚の証言などをもとに解説するもの。被害者も加害者も、両者とも別名(被害者は源氏名の「まりな」、加害者は偽名の「吉川」)を使っており、2人4役…

互と牙

2日前に「亙」と「亘」を取り上げた。「亙」と似た字に「互」がある。点対称だが線対称ではない、何やら幾何学的な字だ。「互」の字源は、説文解字では「縄を巻くための器」を表した象形字とされ、そこから「交互に」という意味が生じたとしており、白川静…

サラリーマン誕生物語

原克氏の表象文化論関係の本も次々出るので驚かされる。本書は、昭和の初めに「サラリーマン」となった阿部礼二(アベレージ=平均人)という架空の人物を主人公にして、当時の新技術やニューメディアを豊富な写真とともに紹介してゆく。いったい未来なのか…

地下鉄は誰のものか

東京都副知事となった猪瀬直樹氏の著書。東京の地下鉄が東京メトロ(営団)と都営に分かれていることは当たり前だと思ってきたが、考えてみればこの二つが統合されれば利用者にとっての利便性は高い。東京メトロが天下りの温床であり、不動産業などで儲けて…

心に響く漢詩名句辞典

しばらく前から少しづつ読んできて、今日読み終わった。多数の漢詩が載っているけれど、句(二行)づつの細切れになっているので、むしろ詩全体を楽しみたい。もちろんよい詩が多いのだが、別れのつらさや人生のむなしさを説くもの(そして酒への逃避)を歌…

亙と亘

亙と亘は通用するけれど、もともとは別字で、亙が「わたる」の原字であり、「恒」は「亙」系の字、それ以外の「宣」や「垣」などは「亘」系の字、ということだろうと思っていた。音も「亙」や「恒」はコウであるのに対して、「宣」はセン、「垣」はエンだか…

ウィキリークスの真実

別冊宝島の一冊で、アサンジへのインタビューに成功したNHK取材班や、数人のジャーナリスト等で執筆している。何と言っても後半は、実際の「流出」情報の実例で、「プーチンが不正隠しのために後継者を選んだ」「李長春や周永康がグーグルへの圧力を指示…

ウィキリークス アサンジの戦争

英国の高級紙「ガーディアン」の取材班が描いたウィキリークス。ガーディアン自体がアサンジと協力したり対立したりしているので、多少割り引いて読むべきかもしれない。アサンジの生い立ちの「複雑さ」にはやや驚いた。アサンジというのは、母が再婚した相…

日本的ソーシャルメディアの未来

若手情報社会学者の一人である濱野智史氏が、「ソーシャル・メディア・セミナー」で話した内容をまとめたもの。「コミュニティ」と「ソサエティ」の違いから説き始め、インターネットが「ソサイティ」としてのインフラ層と、「コミュニティ」としてのアプリ…

読売新聞ニュースより 南三陸町の戸籍データ消失、法務局保存分も水没 読売新聞 3月20日(日)3時3分配信 東日本巨大地震で被災した宮城県南三陸町で、戸籍の全データが津波で消失した可能性が高いことが19日、明らかになった。 法務省は戸籍法に基づき、町…

ペリーと大琉球

沖縄はゆすり・たかりの名人との発言が最近も話題になったが、米人が沖縄にそうした感想を持つのは今に始まったことではない。ペリーの浦賀来航について、中高の教科書にはあまり詳しく書かれてないが、ペリーはその前に香港、上海、琉球、小笠原などに寄港…

今日は土曜日だというのに、午前中は4月から始まるオムニバス講義の打ち合わせ会議、午後は教授会と、まさに休む暇がなかった。その後、バスで六甲山ホテルに移動し、退職される先生の送別会。久しぶりに見る夜景はやはり美しい。姫路に引っ越してから、大…

スマートフォン新時代

まだ若い著者(30歳)による、スマートフォンの概説書。事例など知らなかったことが書かれていてその点では有益なのだけれど、全体としてはあまり面白くない。

統計学超入門

著者の松原望氏は、東大の教官だったころ、『計量社会科学』などの名著をいくつも出しているので、学生用にどうかと大いに期待して読み始めたが、残念ながらこれはひどい駄作だ。かわいいキャラクターなどを出してきて、表向きとっつきやすく出来ているけれ…

Facebook特集を読むために買っておいた週刊ダイヤモンドの2011年1月29日号を眺めていたら、たまたま67ページから71ページまで5ページにも渡って、東京電力と日立GEニュークリア・エナジーの広告ページがあり、いま問題となっている福島第二原…

ソーシャルメディア革命

ソーシャルメディアについての解説書。著者は米国在住の「ブログ作家」だが、特に「人権意識が低い」「出る杭を打つ」日本の現状に対して、世界から孤立する危険があるとの警告を発している。

日本経済を救う税金の話をはじめよう

最近こんな、サンデル的なタイトルの本が多いな。あざとい。 さて本書は、大蔵省で主税畑を長く歩いてきた著者による税制論。税は国家戦略の中で考えるべき、そして、企画立案だけでなく「執行」のことも十分考えるべき、という指摘はその通りだ。地方法人税…

日本映画はどこまで行くか

岩波「日本映画は生きている」の最終巻。質的にやや持ち直した感じ(寺脇研の文章の緊張感のなさには脱力するが)。

「逃げられる強者」と「逃げられない弱者」という対比をしていたのはジグムント・バウマンだったか。パノプティコン時代の終焉として、権力者が監視塔からどこまでも逃げ出せるのに対し、弱者はローカルな場所に閉じ込められる(大意)といったことを書いて…