2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

沖縄オトナの社会見学

作家の中村清司氏、ライターの藤井誠二氏、建築家の普久原朝充氏という沖縄在住の3人が、ディープなスポットを鼎談形式で語りつくす。私も沖縄は好きで何度も行っているけれど、もちろんここまで深くはのめりこんでいない。那覇も路地裏歩きや、沖縄市(コ…

公正中立がメディアを殺す

メディア総合研究所の「放送レポート」の別冊。安倍政権がいかにメディアに干渉し、それにメディアが立ち向かえないでいるか、具体的に論じられていて暗澹たる気持ちになる。

人類を超えるAIは日本から生まれる

神戸大学名誉教授の松田卓也先生の著作。人工知能研究が、日本再起のラストチャンスだとする。起死回生の切り札はNSPU(ニューロ・シナプティック・プロセッシング・ユニット)私もこのチャンスにお手伝いしたいものだ。巻末には、ペジーコンピューティ…

使える脳の鍛え方

どうしたら学習の効果が上がるのか、主として大学生を対象に科学的な事実を教えてくれる。「学習はつらい方が定着しやすい」「テキストの再読や集中は非効率」「想起練習が効果的」など。是非とも参考にしたいが、教師の負担も大きくなるなあ。

生命と科学技術の倫理学

生命倫理に関する論文集。先制医療、遺伝的エンハンスメント、犯罪者の治療的改造といった問題が論じられている。注目すべきは第9章で、リスク論に対して厳しい目が向けられていることだろうか。

地域情報化政策の資料収集に、兵庫県猪名川町、大阪府能勢町、同豊能町の各役場を訪れた。 いずれも初めての場所。 猪名川町は、日生ニュータウンなどがあり、人口も増えている。能勢電鉄で日生中央から歩いて2キロくらい。 しかし、能勢町役場や豊能町役場…

興行師たちの映画史

映画の歴史の一部は、映画で一山あてようという山師的な興行師たちによって担われてきた。名高いメリエスにしてからがそうである。魔術や、奇形、性、人種などを素材に、金儲け映画をたくらんできた仕事師たちを詳細に振り返る。中でも、映画にさまざまな「…

漢字廃止の思想史

これまで何度となく現れてきた「漢字廃止論」が詳細に紹介されているのはよいのだが、著者自身があとがきで言うように、消化不良なまま記述された印象が強い。漢字の是非に関する結論までは求めないが、著者自身の真剣な思索がほしい。

黒澤明と三船敏郎

英語で書かれた黒澤と三船の評伝(著者は日本人女性と結婚して京都在住だが)。英米での黒澤映画の批評などが詳しく書かれていることはひとつの特徴。三船は本当は俳優志望でなかったというのも意外。

地域アート

編者である藤田直哉氏の「前衛のゾンビたち;地域アートの諸問題」(『すばる』2014年10月号掲載)に始まり、地域アートをめぐる論考と対談・鼎談とで構成。ゾンビという表現はいかがと思ったが、会田誠さんも70年代以降の現代美術を、「延命治療を…

美術館の舞台裏

著者は三菱一号館初代館長。タイトル通り、表からはなかなか窺い知ることのできない美術館経営の裏側が書かれている。けっこう贋作があったり、また、運搬の途中で壊れたり、保管に失敗して汚れたり、いい加減な修復をしたり、そんな事例にびっくりする。

地形で謎解き 「東海道本線」の秘密

著者は中公新書から、「東京歴史散歩」シリーズを何冊も出しているが、本書のテーマは東海道本線。なぜ現在の径路を取るにいたったのか、東京から神戸までの旅程に沿って興味深い話が展開する。まだ東海道本線が御殿場回りだったころ、急こう配が控える山北…

風土記の世界

残念ながら原文の多くが失われ、5か国分しか残っていない風土記。しかしその残った部分からでも分かることは多い。「日本書」の紀としての日本書紀、「日本書」地理誌になろうとしてなれなかった風土記、古事記はこの二書とははるかに性質が違う書だというの…