2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

数学を現代化した予言者たち

青土社から5巻シリーズで出ている「数学を切りひらいた人々」の2,3、4巻。高校生程度でも分かるように平易に書かれている(但し、数学の業績を示す部分は必ずしも分かりやすくないところもある)。各巻10人づつだが、必ずしも、有名な数学者ばかりが…

数学を拡げた先駆者たち

数学を育てた天才たち

珍しく右翼の街宣車が、午前中から何度も近くの通りを走っていった。

マクルーハン理論

確か昔読んだはずだが、内容をほとんど忘れてしまっているので再読した。マクルーハンと、人類学者のカーペンターが共同編集した雑誌Explorationsに掲載した論文を集めたものだが、残念ながら日本語版では8本もの論文が割愛されている。 例えばマクルーハン…

ヴェルサイユ条約

最近は中身の薄い新書本が多いが、本書は非常に豊富な内容が詰め込まれており、読み応え十分でうれしい。内容は、タイトルにある通り、第一次大戦後の講和条約を、主としてドイツ側の視点で検討する歴史書。著者はマックス・ウェーバーの研究者で、特にウェ…

摶と搏のまぎらわしさ

専と博はまぎらわしいですね。右上に点があるのかないのか。 専はもともと「專」で「叀」+「寸」、博のつくりはもともと「尃」=「甫」+「寸」で字源が違っています。後者は「攵」を加えると「敷」の原形なのですが、「敷」の字は、「激」や「傲」のつくり…

吉本隆明の時代

絓秀実の吉本隆明論。絓と言えば花田清輝論が有名だから、当然吉本についても一家言あるのかと思っていたが、「あとがき」には、吉本論を書くことをこれまで考えていなかったこと、吉本の著書をほとんど所有していなかったことが語られ、やや意外な感を受け…

3年生のゼミ生4人が決まり、4年生と初顔合わせ。

別冊環6号「琉球文化圏とは何か」

こちらは琉球・沖縄を中心に(奄美も含まれる)多くの論者が原稿を寄せている(巻末はシンポジウム)。琉球独立論から現実論まで議論は幅広い。

奄美(現代のエスプリ別冊)

奄美の関係者を中心に46人が執筆。歴史や民俗の話が中心。悲惨な民話も出ています。

伊江島で買った炊き込みご飯の素を使って「いか墨じゅーしぃ」を作る。要はいかすみご飯だが、黒い炊き込みご飯というのも珍しい。 妻は、太宰「斜陽」の新たな映画化作品を見てくるが、出来には非常に不満だった様子。

インターネット心理学のフロンティア

インターネット上でのコミュニケーション(CMC)についての心理学的研究を、テーマごとにまとめたもの。各章は、既存の研究をまとめた「理論編」と、著者の実証研究を中心とした「実証編」とに分かれている。

日本統計発達史

著者は総理府統計局長などを務めた人物。日本の統計制度の歴史(といっても昭和27年までだが)が語られる。特に戦後は、米国の影響で統計制度は各省ごとの分権化が強まり、その相互調整機能が弱いことは、やはり問題だろう。明治のころから、太政官政表課…

近代沖縄の精神史

第一部では大田沖縄県知事の代理署名問題や那覇市長追放問題など戦後の問題を、第三部では伊波普猷などを扱うが、何と行っても中心は第二部の太田朝敷論だろう。琉球新報の主筆であった太田は、地方言論人として健筆を振るったが、その誤解を招き易い日本と…

たった1%の賃下げが99%を幸せにする

既得権益の上にあぐらをかき、高給を食んでいる中高年正社員の給料をわずかに下げるだけで、若手を中心とした非正規労働者の多数を救うことができるというのは、まったく同感だ。だが・・・どうにも著者の言葉は上滑りしているように感じる。なぜだろう。

情報学の基礎

アランなどを手掛りに、個別の諸科学を超えた生成的学問としての「情報学」を構想する。その意欲はいいのだが、例えばデカルト自体より福居純氏(著者の恩師らしい)のデカルト論を長々引用するというのは、どうなのだろう。他にも、ソシュールより丸山圭三…

孫は祖父より1億円損をする

いわゆる「世代会計」の手法を使って、各世代の損得を明らかにしている。要は、現在の高齢者の「豊かさ」は、それより若い世代にツケを回すことで維持されているということ。しかも、高齢者の投票率が高いことから、政治の意思決定において高齢者の意見は通…

授業再開しました

授業再開しました。

写真を愉しむ

写真評論の第一人者、飯沢耕太郎氏の著作。写真を「見る」「読む」「撮る」「集める」愉しみを語る。

岡潔

岡潔といえば、まさに「天才と狂人は紙一重」の喩え通り、国際的な業績を挙げながらも奇行も目立った数学者。本書は岡潔の生涯を平易にたどりなおしたもので、京大を卒業後直ちに京大講師(さらに助教授)になるという恵まれたスタートを切りながらも、その…

それでもヒトは人体を改変する

遺伝子操作に積極的な態度をとる、UCLA公衆衛生学部ディレクターを務めたグレゴリー・ストックの著作。

図説 21世紀日本の地域問題

大学初年度生向けの教材なのかな。多数の地理学者が分担執筆し、現代日本の問題を地域の視点から一項目2ページで論ずる。予備知識はほとんど要らない分、やや物足りない点もある。私が一番興味深く読んだのは「林業の衰退と花粉症」。林業従事者が減少し、…

肖像写真

多木浩二氏の写真論を読むのは久しぶりだ。本書は、ナダール、ザンダー、アヴェドンという3人の写真家の作品についての考察。アヴェドンの作品「ナパーム弾の犠牲者」は、かわいそうだ。

当確への布石

殺人事件の起らないミステリーは、数としてはごく少数派に属する(例えば、誘拐のみとか、窃盗のみ)。本書もその一つで、選挙(の妨害)をめぐる事件を推理するもの。女性の学者が衆議院の補選に立候補するのだが、さまざまな陰謀が渦巻き、本当は誰が何を…

地中海1

言わずと知れたブローデルの名著。16世紀後半の地中海に焦点を当てた歴史書。院生の頃にでも読んでおけばよかった。この第1巻は、地中海の環境が主題。もちろん歴史的な事実の記述もあるけれど、どちらかと言えば地理書。土地勘の点で、非西欧人には読むの…

「奄美大学」を考える

早朝にホテルを出て、サンクスでサンドイッチなどを食べ、7時50分発の便で伊丹に戻る。蛍池まで歩こうかと思ったが、雨で断念。そのまま大学に行き、たまった仕事をこなす。奄美にも大学を作ったらどうかなと、飛行機の中で考えた。沖縄には国立流球大学…

喜界町

朝はバスで「奄美パーク」へ。建物もいいし、中の田中一村美術館が素晴らしい。お客がほとんどいなかったが、もったいない話だ。 10時25分の飛行機で喜界島へ。町役場で地域情報化政策の取材。なかなか立派です(写真)。そして喜界町図書館で資料収集。…

瀬戸内町

レンタカーを借りて瀬戸内町へ。地域情報化政策の取材。総務省や厚生労働省の情報化実験事業も受けている。往路は、北周りの県道を使い、大和村役場と宇検村役場に立ち寄る。瀬戸内町立図書館も、なかなか立派。島尾家が寄付した本も多数収められている。昼…

NHKのクローズアップ現代が、日本漢字検定協会の不正に関するものだった。利益を大久保親子の名目上の会社につけかえる手法で何億円も騙し取っている。番組中、息子の大久保浩容疑者へのインタビューがあったが、さほど罪の意識もないようだった。漢字を…