2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

生き残るメディア 死ぬメディア

今後のメディアの激変を占う書だが、元はアスキーのサイトに連載されていたものらしい。キーパーソンへのインタビューが本の多くの部分を占めている。特に「ニコ動」の話がおもしろい。

リアルタイムウェブ

ツィッターやフェイスブックのような「リアルタイムウェブ」の隆盛を、ウェブ技術の進化、モバイル技術の進化、社会環境の変化の3点からわかりやすく解説する。

踏み越えるドキュメンタリー

岩波講座「日本映画は生きている」の第7巻。小川プロの話や、勅使河原宏論など、いくつか面白い論文はあったが、全体としては玉石混交の感が強い。

なぜ韓国はパチンコを全廃できたのか

韓国では厳しい取締りを行い、パチンコを全廃した。しかしなぜか日本のマスコミはこのニュースを報じない。このことを明らかにしたという点で、本書の意義はある。 しかし中身は薄い。週刊誌の記事一本分の中身を引き伸ばしたような感じだ。特に、日本のパチ…

報道再生

ネットによって新聞やテレビ(とりわけジャーナリズム)が滅ぶのではないかというのは、下に挙げた田原総一朗の本など、もはや一種の決まり文句のようになっているが、本書もそうした一冊。二人のジャーナリストが、その危機意識を語る。 ただ新聞業界も、手…

パンとペン

副題にあるとおり、堺利彦の、「売文社」時代を中心とした評伝。堺については私も、ごく基本的なことしか知らなかったので、新鮮だった。売文社というのは、堺が設立したしわば「編集プロダクション」のようなもので、あらゆる代筆や翻訳などを引き受ける小…

Twitterの神々

田原総一朗氏が、ツィッターで人気を集めている人々と対談する。第一章の三木谷氏はやはりスゴい人だ。従業員約250人の楽天トラベルは、宿泊数で、従業員数約3万人のJTBを抜いてしまった。いまはクックパッドが狙われているようだが、心配である。上…

日本経済新聞ニュースより 少年の非行「増えたと感じる」75% 実際は犯罪減少 助長要因「携帯・ネット」 5年前比、内閣府調査 2011/1/29 19:34 内閣府は29日、「少年非行に関する世論調査」の結果を発表した。犯罪や喫煙、飲酒などの不良行為を含めた非行が…

チャター

チャターとはもともと「おしゃべり」の意味だが、本書ではテロを暗示するような広義の会話の意味で使われている(いわば「辻占」かもしれない)。主題は主として、米国の諜報機関「NSA」であり、英米豪等の連携機関「エシュロン」である。NSAで実際に…

ポストヒューマンの人間論

ルーマンの論文集だが、編集はいわば日本版オリジナル。これにもフェルスターの「セカンド・オーダー・サイバネティックス」が登場する(オートポイエーシス自体がその一種だから当然と言えば当然か)。訳者村上純一氏の「システムと自己観察」の方が詳しい…

社会は笑う

ひょっとしたら刊行直後に読んだかもしれないのだが、いずれにしても中身を覚えていないので読んでみた。テレビにおけるお笑いの文化を、「マンザイブーム」から「ひょうきん族」、「元気が出るテレビ」「電波少年」などを素材に、時代を下って特徴づける。…

ダメ情報の見分けかた

荻上チキ、飯田泰之、鈴木謙介という若手(中堅?)論客3人が、メディアリテラシーについて論じる。メディアリテラシーの4類型(権力批判、商業主義批判、有害情報批判、バイアス批判)を検討して「中立性」幻想を批判、自らが流言の発信源(拡散源)にな…

Digital War Reporting

しばらく前からちびちびと読んでいたのだが、たまたまエジプト内乱勃発の日に読み終わった。タイトル通り、情報化の中で変わりゆく戦場報道を主題としたもので、フセインの首吊り写真などショッキングな話題も収載されている。これもMITのDigital Media and …

g2 vol.6

講談社の「月刊現代」がリニューアルしてこのような形のノンフィクション誌になっていたとは知らなかった。初めて読んだがなかなかの力作揃いだ。橋下徹の半生、バラバラ殺人の三橋歌織の実像(セレブでないのは事実としても、月40万円の仕送りをもらい、…

世代間格差ってなんだ

人事コンサルタントの城繁幸氏らが、若者に自らの置かれた不利な立場を啓蒙し、少しでも若者のためになるような社会の仕組みを提案するものだが、それでも現実的な実効性というと困難だといわざるを得ないのではないか。城氏の主張の中心は、正社員を過剰に…

都道府県の持ちかた

バカリズムのネタが、こんな一冊の本に。都道府県ごとの基本データもついてます。

ネィティヴ並みの『英語の書き方』がわかる本

単なる英作文の書ではなく、センテンスのつなぎ方や、パラグラフの構成、さらには文章の中身にまで立ち入って、英語圏の人々を説得する文章を書く方法を示す。練習問題多数(中にはこじつけ的な問題も混じっている)。日本人の論理が円環的で、欧米人の論理…

面白くて眠れなくなる数学

私には易しすぎた。ただ、最後のグラハム数の話題は面白い。いったいどれほど大きな数になるのだろう。

「捏造」する検察

著者は元裁判官の弁護士。例の村木厚子さんの冤罪事件が主たる話題で、著者の主張は確かに正論なのだけれど、マスコミに出た以上の情報を持っているわけではないので、結局繰り返しが多く、話に迫力があまり感じられない。

日本の鉄道 乗り換え・乗り継ぎの達人

乗り換えの話だけで一冊の新書を作るという離れ業を成し遂げている。牛田ー京成関谷、柏原ー堅下、柏原南口ー安堂といった、明らかに別の駅なのに乗り換えの道筋が出来ている例が興味深い。

日本経済「余命3年」

池田信夫、竹中平蔵に、70年生まれの経済学者2人(土居丈朗、鈴木亘)を加えた対談集。タイトルから分かるとおり、相当悲観的で、このまま行くと日本財政および日本経済が大変な危機に陥るという感覚を4人とも共有している。説得力もある。208ページ…

現代日本人の意識構造(第七版)

NHKが実施している意識調査をまとめたシリーズ。家族や政治、コミュニケーションなど、さまざまな領域の調査が収められている。

シェア

ICTによって新たな形でシェア(物の共有)が可能になりつつある。特に、世界最大のカーシェアサービスの「ジップカー」が実施した、「車抜きダイエットチャレンジ」の話は面白い。米国、カナダ、イギリスのカーマニア250人が、2009年7月、自家用車に…

電子書籍革命の真実

「iPad vs.キンドル」の西田宗千佳氏の著作であり、続編的な色彩が強いが、最も興味深かったのは、西田氏自身が著作の電子書籍化に乗り出した経験を書いた第4章。アップルによる「審査リスク」や、価格設定(ドル立てのものを円表示しているためか、例えば…

ラディカル構成主義

NTT出版のコムニスの一冊であるし、「ラディカル構成主義」や、「セカンド・オーダー・サイバネティックス」について書かれているのかと思って読んでみたのだが、やや期待外れ。ピアジェについて論じられているのはいいのだが、全体としえては「数学教育…

教えて!カンヌ国際広告祭

カンヌ映画祭ほど有名ではないにしろ、広告業界における国際的権威である「カンヌ国際広告祭」。その審査員を務めたことのある著者が、秘密のベールに包まれた審査の方法について語る。とはいえ、何か特別なことがあるわけではなく、世界各国から選ばれた2…

地図の科学

国土地理院の技官を長く務めた著者が、昔の測量から現在の最先端技術まで、地図を作る技術を詳細に解説する。美しい図録多数。

ツィッター社会進化論

マーケターが2010年に実施された「10000人調査」で読み解くツィッター。10000人という母数に対して、ツィッター利用者は2188人。都道府県別で、利用者割合が最高なのが和歌山県というのは意外(最低は山形県)。実名登録は22.5パーセ…

就活地獄の真相

就活地獄の要因として、企業が正社員を絞り込んでいること、そして大学生の数が(進学率の上昇により)激増したことを指摘しているのは、まさにその通りだ。だから実を言うと、私の勤務する神戸大学もそうだが、一流大学では就職率はそれほど落ちていない。…

六00万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス

クックパッドは私も時々利用する。何の変哲もないお料理サイトと思っていたが、ところがどっこい、その影には、利用しやすいサイトを開発しようとする創業者・社員の大変な努力があったということを、本書で初めて認識した。口コミで人気は広がったが、初期…