2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

こんな出版社がある

出版社はどこも不景気だと思うのだが、「之潮」という、古地図を専門にする出版社が存在することを、今日初めて知った。 http://collegio.jp/ ラインナップは魅力的だけれど、やっていけるのか心配。

ニューメディア「誤算」の構造

官主導で行われた各種「ニューメディア」と、民主導であったインターネットとを対比し、官主導によるメディア普及の困難を説くという妥当な結論に着地している。私は専門に近いので、本書に書かれたことの8割くらいは知っていたが、たまたま取材に行かなか…

市場と法

ライブドア事件、村上ファンド事件、日興コーディアル事件などの豊富な資料をもとに、経済犯罪と司法とのあるべき姿を探っていく。著者は『知財戦争』などの著作で知られる、日経編集委員の三宅信吾氏。

同一性保持権の研究

第一章では外国法の比較、第二章では著作権法第20条の検討を行い、第三章で、具体的な事件(マッド・アマノによるスキー写真パロディ、および、「ときめきメモリアル」事件などの、ゲームソフト改変事例)を扱う。正直、ときめきメモリアル事件について、…

市場・知的財産・競争法

北海道大学の「21世紀COE知的財産研究叢書」の1冊。マイクロソフトによるソフト抱き合わせ販売(ウィンドウウズとIE)や、医薬品産業を事例として、独占禁止法をどのように適用するのがよいのか論じるもの。多額の研究開発費のことなどを勘案し、結…

増殖するペルソナ

1910年代から20年代にかけての、日本映画におけるスターシステムの生成と変容とを詳細に跡付けた好著。弁士の両義性や、女形から女優への移行など、興味深いトピックが扱われていて飽きさせない。

リニア新幹線

日経ネットより JR東海、リニア新幹線を自己負担で建設・総事業費5兆円 東海旅客鉄道(JR東海)は25日、2025年開業をめざす首都―中京圏間の中央リニア新幹線の建設を自己負担で進める方針を取締役会で決めた。路線を290キロメートルと想定し総事業費を5…

ローカル線に明日はあるか

著者は銀行員(開銀、日本政策投資銀行)として、地方銀行への融資に関わってきた経歴を持つ。地方ローカル線への愛情と、その厳しい展望が語られる。ただ3年前の本なので、ややデータ等は古くなってしまっている。地方鉄道の輸送密度の表が上がっているが…

やはりDNA鑑定は有効ではないのだろうか

この事件にも、ちょっと驚いた。時事通信ニュースより。 2007/12/25-18:36 女性強盗殺人で再逮捕=14年前の事件、DNA一致−下着投げ捨ての男・大阪府警 大阪市北区のホテルで1994年1月、派遣社員の女性=当時(26)=が殺害された事件で、大阪府…

イン・ザ・プール

ところどころ小ネタで笑いを取る脱力系映画と言えばいいのかな。安い深夜テレビドラマと同じように、力を抜いて作ったオリジナル脚本かと思ったら、「直木賞作家」の小説が原作というので驚いた。もしこの映画そのままの小説だったら、タダの紙ゴミだと思う…

ブラックキス

手塚眞によるホラーミステリー。ところどころ映像の効果として素晴らしい場面があるが、ストーリーそのものはちょっと変で、謎解きのカタルシスはあまり得られない。なにせ動機が、リアリティを全く欠いている。父殺しの一種か?題名も悪い。ブラックキス [D…

マックス・ヴェーバーの哀しみ

なにやら「理髪店主のかなしみ」(ひさうちみちお)のようなタイトル。著者は、ウェーバー「プロ倫」論文の、文献学的な間違いを厳しく糾弾し、ウェーバー学者たち(特に折原浩氏)を恐慌に陥れた羽入辰郎氏。マックス・ウェーバーは、母親の愛を求めて、好…

1997年、世界を変えた金融危機

本書の内容を乱暴に要約してしまうと、1997年の金融危機の本質を、投資家心理が不確実性を嫌い「質への逃避」(カバレロ&クリシュナムルティ)を起こしたことに見ており、こうした状況下では政府によるある意味強気の政策が必要である、ということにな…

クリスマス。妻とケーキを作る。

神は妄想である

「利己的な遺伝子」で知られるドーキンスの、宗教批判。私のような無神論者・不信心者には当たり前のことが書いてあるが、このような本を科学者が書かなければならないほど、キリスト鏡の悪影響がまだまだ西欧では強いということだろう(それと、イスラム教…

「モラル」(「大帝国劇場」より)

なつかしい「大帝国劇場」。深夜番組と言えば、「カノッサの屈辱」など、フジテレビのものが最もセンスがよかったけれど、「大帝国劇場」は珍しく、TBSが放ったヒットだった。YouTubeには一つもアップされていなかったけれど、ニコニコ動画にはあったので…

鏡の中の日本と中国

日本学者の中国への蔑視や偏見等が主たる主題だけれど、どうも記述に力強さが感じられないのは、理論武装のほとんどが借り物だからか?かがみさんが書く鏡。

ゼミナール現代会計入門

このところちびちび読んでいて、やっと今日読み終わった。久しぶりに読んだ会計の本。

京都に蠢く懲りない面々 淫靡な実力者たち

京都検定が決して出題しない、京都の悪い人たちのお話。同和問題、暴力団、本願寺、地上げ、細木數子など。

授業の後、会議5つ。さすがにぐったりする。

知らなかった・・・須原一秀氏の自殺

須原一秀氏は、知る人ぞ知る思想家・哲学者で、私も『超越錯覚』『弱腰矯正読本』『現代の全体をとらえる一番大きくて簡単な枠組』など、彼の本は愛読していた。近年、消息を聞かないと思ったら、昨年4月に自殺していたそうである。なおかつ、自殺を肯定す…

メディアは存在しない

斎藤環氏の、雑誌InterCommunicationでの連載をまとめたもの。期待はずれ。 「メディアが存在する」と言いうるために欠くべからざる条件。それはメディアの自律性である。メディアそのものが自律的なリアリティを生成しえたなら、私は始めて「メディアの存在…

組合幹部として初の団体交渉に臨む。岡田委員長が出席を要求していた理事の2人ともが出席しないというのはいかがなものか。理事が大学から得ている給与は年額で2500万ほどだそうだが(秘書や個室などの間接経費を加えたら3000万円以上の費用だろう…

大阪府知事選

橋下弁護士は、どうして「(府知事選に)2万パーセント出馬しない」なんて嘘を吐いたのかな。私はこの人が特に嫌いではなかったが、こういう嘘はいただけない。正直に、最初から「出馬を検討しています」と言えばいいじゃないか。 ところで大田房江知事は、…

校了

『東日本の地域情報化政策』やっと校了。残念ながら年内刊行はムリ。来年1月中旬ころに店頭に並ぶ予定です。

2ちゃんねるで学ぶ著作権

牧野和夫弁護士と、2ちゃん管理人西村博之氏の対談で、著作権関係の本としてはおそらくもっともやさしい入門書。のまネコやのまタコの話を、もうなつかしく感じるのは、ネットの世界が「ドッグイヤー」だからか。

知的財産法の理論と現代的課題

その中山教授の還暦を記念して、弟子筋にあたる人たちが執筆した論文集。個別の論点を深く掘り下げたものがほとんどで、悪く言うと非常に読むのがつらい。冒頭の大渕哲也・東大教授の論文は、むやみに長い上に、注が多く、それだけならよいのだが、自分が政…

著作権法

日本の知的財産法の第一人者である中山信弘教授によるスタンダード。渋谷達紀『知的財産法講義Ⅱ』を各所で批判しているのは、説の違いなんだろうか。

知的財産権演習ノート

いずれも弘文堂から出た教材で、執筆者も一部共通している。前者はいわば資料集で、判決文や、他の本からの引用文が主で、そこに読者が考えるための「設問」や解説がわずかに付け加えられているという構成(あ、著作権的に問題はないのかな。まあ教材だから…

ケースブック知的財産権