2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

沖縄の新聞は本当に偏向しているのか

百田尚樹の、沖縄の新聞はつぶすべきといった放言は今も記憶に新しい。本土人、特に政権に近いところには、沖縄を犠牲にするのが当然という考えがあるのではないか。フリージャーナリストの安田浩一氏が、沖縄の新聞記者を取材して、基地問題を中心にそのポ…

フェアユースは経済を救う

弁護士や企業人を経て著作権法学者になった著者が、フェアユースを活用して著作物を活用を促進し国際競争に伍してゆくべきとの主張を述べる。フランスで、ジャンヌネーからラシーヌに国立図書館長が代わった途端、グーグルとの対抗ではなく提携に舵を切った…

批判する 批判されるジャーナリズム

慶應の大石裕教授の著作。朝日新聞社の雑誌『Journalism』などに書かれた文章を集めたもの。よくも悪くも常識的に書かれていて、悪い本ではない。だが、ジャーナリズム論って、いったいなんだろう、とも思う。本書の中で大石教授は、ジャーナリズムに対する…

AI時代の働き方と法

bok

著者は神大法学部の労働法の教授で、本書も人工知能について詳しく書かれたものではなく、労働法の入門書でありその将来展望という色彩が強い。ただ最後になって、労働法の出番はなくなるとか、人間は摂食と生殖に専念するのではとか、ぶっ飛んだことも書か…

日本人の考え方 世界の人の考え方

ダニエル・ベルの脱工業社会論やマズローの欲求階層論を参考に世界横断的に行われてきた「世界価値観調査」の第6回をまとめたもので、生活感・社会感・政治感などさまざまな有益な調査結果が載っている。日本人の幸福感は国際的にみると中位であるが、寛容…

[book}対称性と数学

対称性には様々な種類がある。左右(鏡映)対称、回転対象、平行対称、すべり対称など。それをシステムに表すのがConwayの記号で、これによって模様の分類ができる。平面だけでなく球面などにも拡張可能。さらにオイラーの多面体定理や群論にまで進んでゆく…

ビジュアル「国字」辞典

多数の国字を美しい写真と共に味わう「見る辞典」。序文は第一人者である笹原宏之氏が書いている。国字「腺」の字が常用漢字に選ばれた会議で感激したとか・・・ https://www.amazon.co.jp/gp/product/4418172084/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=ak…

紙と人との歴史

紙の歴史についての本は先日も読んだが、本書の特徴を挙げると、中国について詳しく、特に白居易の生涯についてかなり詳細に記述してある。モンゴル人がバグダートの図書館を破壊したくだりでは怒りを禁じえなかった。西洋ではルターがひとつの焦点。 https:…

ハーフリアル

著者の博士論文であり、そのままゲーム研究の代表的著作となった。ゲームの理論について、具体的なゲームを例に引きながら周到に論じるものだが、どこか物足りなさが残るのはなぜだろう。あまりに慎重だからか。 https://www.amazon.co.jp/gp/product/490812…

ゾンビ論

特殊書店タコシェ店長、映画ライター、作家兼ミュージシャンの3人がゾンビ映画を論じる本で、制作の経緯などがかなり詳しく調べられているところはよいのだが、ほぼ伊東美和氏が書いていて、中原氏の文章など最後の20ページくらいしかない。 https://www.…

[小説}蝙蝠売ります

カップにコーヒーが残っているにもかかわらず、上から紅茶を注いでしまった。捨てるか捨てまいか迷ったあげく、どんな味がするのかためしに飲んでみたい。やはり上手くはない。けれどももし自分がボクサーで、試合前の厳しい減量中だったら、こんなものでも…

学生時代に書いた小説が出てきた。自分でもすっかり忘れていたので、いったいどうなるのか、スリルを感じながら読んだ(笑)。