2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

字幕とメディアの新展開

テレビ番組やCMにおける「字幕」にはどのような機能があり、視聴者はそれをどう受け取っているのか、量的質的両面の調査から明らかにしようとする先駆的な研究。

サイバーセキュリティ入門

インターネットの仕組み、プロトコルから説き始め、暗号の仕組みやサイバー攻撃のありさままで、初学者が学ばなくてはならない事柄が網羅されている。

ふしぎな目 だまされる脳(脳と目の科学1 2)

目の錯覚や、脳の仕組みなどを子ども向けに分かりやすく解説するビジュアル本。

超整形美人

父親にはブスと罵られ、学校でもイジメを受けた女性が、見返すために整形手術で美人になった体験を描くノンフィクション。芸能人はほぼみな整形といったこともサラッと書かれている。巻末には手術に実際も書かれており、実用書としての側面もある。

安倍政権にひれ伏す日本のメディア

これは日本のメディア関係者には耳が痛い忠告だろう。特に従軍慰安婦に関する「吉田証言」の問題で、朝日新聞を守るどころかバッシングに回った他のマスコミを批判、政権のメディア分断策に乗せられていると厳しく批判する。

ニッポンの文学

先日読んだ「ニッポンの音楽」の姉妹編。純文学だけでなくミステリやSFにも目配りし、バランスが取れた好著。取り上げられている作家のうち、神林長平とか、中原昌也、舞城王太郎、佐藤友哉などは読んだことがないのだが、読まなければならないかな。

翻訳百景

「ダヴィンチ・コード」などの翻訳を手がけた著者が、文芸翻訳を実際に行う際の苦労などを語ったエッセイ集。しかしベストセラーにあたらない限り、専業の翻訳家の生活は苦しいだろうなあ。昔は翻訳を当てて大学を辞めた語学教師などもいたけれど、今は無理…

テレビが見世物だったころ

日本のテレビ史は、1953年の放送開始から始まることが多いが、著者はそれ以前に焦点を当てる。高柳健次郎と早稲田グループとの開発競争、公開実験、GHQの介入など。

超整形美人

小さい頃から父にはブスと罵られ、学校ではイジメを受けてきた著者が発奮し、整形で美人になることを目指すノンフィクション。巻末には、実際の整形手術の方法がついていて、実用書の側面もある。

ソウル・キッチン

ハンブルクを舞台に、大衆レストラン「ソウル・キッチン」を経営する主人公の若者が、腰の病気、遠距離恋愛の破綻、仮出所中の兄の不始末など、様々な不幸に見舞われ奮闘するコメディ。監督は、ハリウッド風の脚本をあえて真似して作ったという。

エッセンシャル・キリング

アルカイダ系のテロリストがモデルなのだろうが、ひげずらの男が、米軍3人を殺してひたすら逃げる。面白いかと聞かれたら、まあそれなりに、と答えるほかない。

プラハの墓地

ウンベルト・エーコの最後の小説。私はチェコ好きだから、プラハという言葉がタイトルにあるだけで興奮してしまう。舞台は19世紀ヨーロッパ。ユダヤ嫌いで美食家、贋文書作りを生業とする主人公が、さまざまな陰謀に関わってゆく。記憶喪失あるいは多重人…

安野光雅の本

子どもの頃から安野さんの本には親しんできたのだけれど、まだまだ読んで(見て)いなかった本がたくさんあることに気づかされた。本書はあくまでダイジェストなので、一冊につき数ページしか割かれていない。

英語で大学が滅びるとき

著者は東大科哲出身で、岐阜大の英語教授を長く務めた人だが、現在進められている大学授業の英語化などがいかに大学ひいては学問に有害か、そして、米国が日本属国化という戦略のためにエリートを米国に招くなどのしてきたかが明るみに出されている。大学関…

をめぐる冒険

「作者論」の理論的な部分は突っ込み不足だと思うけれど、具体的な作品論についてはとても面白く読ませてもらった。谷崎論や大江論、漱石『夢十夜』論など。例えば『ノルウェイの森』が三島『豊饒の海』のパロディだったとは・・・

箆棒な人々

昭和の怪人たち4人へのインタビュー集。何と言っても冒頭の康芳夫の話が面白い。東大を出て呼び屋になり、オリバー君やネッシー騒動を演出しただけでなく、麻原彰晃や三浦和義とも因縁が深い。

ゲンロン1

東浩紀氏が新たに始めた批評誌。9巻まで出すことを予定しているという。特集の「現代日本の批評」から読んでいるが、面白い。ただ、柄谷行人が陥った「帝国化」(p.50)は、東自身にもあてはまるような気がするが・・・唯一載っている「創作」はまったくクズ…

大丈夫、死ぬには及ばない

著者は「現象学」などを講じる大学教師だが、授業後に「コメントペーパー」を書いてもらっている。その中で、リストカットなどの自傷を行う学生さんとの交流を主として描いたのが本書。私にはこんな濃密な交流はできない。

日本の奨学金はこれでいいのか!

日本の奨学金が「サラ金」化し、高利の延滞金目当てに悪辣な取立てが行われている実態が描かれる。とりわけ悲惨な事例ばかり取り上げているのだろうけれど、涙を禁じ得ない。学費の無料化(不可能なら低廉化)が急務と思う。

小豆島にみる日本の未来のつくり方

瀬戸内国際芸術祭の一環でもあった小豆島プログラムについての詳細が書かれている。観光より関係をスローガンとし、島人たちとの交流を重点に置いていることが特徴として挙げられる。小豆島町長も寄稿。

縮小都市の政治学

科研による研究。縮小都市の理論的側面については物足りないが、ボルティモア、ル・アーブル、ルール地方、函館、下関、長崎を具体的に論じた各章については充分読む価値がある。

湯川博士、原爆投下を知っていたのですか?

タイトルからすると湯川秀樹が主役と誤解しやすいが、本書の主役は湯川の愛弟子の一人で、中央公論社の編集者を経て、原子力業界を内側から変えるために業界に飛び込んだ森一久。森は広島での被爆者で、文字通り九死に一生を経て京都大学を卒業した。原子力…

亡命の現代史4 社会科学者・心理学者

5組6人の亡命学者による手記だが、特にアドルノとラザースフェルトの文章が読めるのがありがたい。アドルノは米国に来て、初めて民主主義を実感した体験を書いている。ラザースフェルトの文には、キャントリルとの交流やラジオ・プロジェクトなどを描き、…

島根自虐伝

島根出身のfrogman(鷹の爪)や電通などが作った島根の自虐的紹介本。「遠足の距離が通学路より短かった」ってほんまかいな。「人口は七十万、神様は八百万」ははは。

過疎問題の実態と論理

学術書というにはやや砕けた文体であるけれど、島根を主たるフィールドに、過疎問題の深刻さを鮮やかに描いている。特に「ムラ社会」の醜さの記述はすさまじい。親切そうな人に悩みを話すと、それに尾ひれがついて広まってしまい、自殺にまで追い込まれてし…

生物はなぜ進化したのか

こちらの本にしても、邦題への端的な答えが与えられているわけではなく、さまざまな生物進化上の問題(例えばカンブリア大爆発や鳥類の起源)について著者たちの見解が表明されている。

文化進化論

ダーウィン進化論で経済や制度、文化現象を説明できるのか?この難問に端的な答えが与えられているわけではないけれど、近年の興味深い研究が随所に引用されていて、読んでいて飽きない。 D.L.ハルの『プロセスとしての科学』という本では、科学者の動機が、…

『平凡』の時代

著者は、月刊誌『平凡』が100万部以上の売上げを誇った1950年代中盤からの数年を「平凡の時代」と読む。その広範な読者層は、スターにあこがれ、なぐさめを見出す低学歴層が主だった。平凡はどのように誕生し、どのように衰退したのか、豊富な取材で…

地方創生まちづくり大事典

2006年から15年まで、雑誌『経済界』に連載された記事をまとめたもの。東日本に偏っており、また、情報化に関する記述が少ないことが残念ではあるけれど、多数の事例に触れることができる。

30の発明からよむ世界史

酒、船舶、車輪からペニシリン、半導体、コンピュータまで、世界に大きな影響を与えた発明品について数ページずつで解説する。書いてあることは基礎的なことが多いが・・・