2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

人文学の沃野

成蹊大学文学部設立50年を記念して行われたシンポジウムが基で作られた書籍。うちの妻の「師」の一人というべき浜田雄介教授が中心になって編集したもの。わが友、見城武秀氏も執筆している(が、10年前になくなった村山敏勝氏に恥じないだけの活動をし…

奄美大島の地域性

駒沢大学で、奄美大島を舞台に行われてきた授業「地域文化調査法」「地域文化演習」の成果。学部生が主体で行ったとしてはとてもレベルが高い。特に、奄美に固有の料理ではなかった「鶏飯」が、いかにして奄美の観光資源となったのかを追究した第12章には…

現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史

北田暁大氏を中心とした鼎談。いわゆるリベラル系の人たちが「経済オンチ」であることに対して、北田氏が怒りをぶちまけ吠えまくる展開。特に内田樹氏などが槍玉に上がり、増田聡さんにもそのとばっちりが・・・

反教養の理論

副題の「大学改革の錯誤」が中身を物語っている。ドイツの大学でも、日本と同じように、珍妙な「評価」権力が吹き荒れていることがよく分かった。「今日では格付けを行うことができるものが、至上権を保持しているのである」(p.71)。

漢字は日本でどう生きてきたか

著者は筑波大学名誉教授。日本で漢字がどのように使われてきたかがテーマだが、特に、呉音と漢音との、「どちらがよく使われる字音になるか」という戦いが面白い。前者は仏教界を、後者は儒教界をバックにしているのである。「埼京線」が、「京浜」「京葉」…