2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の地誌

これも地域情報化に関連しての読書。新刊書だが、市町村名でところどころ平成の大合併が反映されていないものがあるのは、執筆時期に差がある(言い換えると、〆切を守った執筆者と守らなかった執筆者がいる)のだろうか。 それと、大明堂の廃業以後、地理学…

毎日新聞ニュースより セクハラ:阪大院教授に賠償命令 安全配慮義務違反と 大阪大学大学院の女性研究員が上司の男性教授から出張先で性的暴行を受けたとして500万円の賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(西川知一郎裁判長)が性的暴行の事実を認めて教授に慰…

急成長する町 淘汰される町

全国の主要市町村について、人口の増減傾向から、その市町村の現状や将来像を語ったもの。人口の増加率だけで分類を行っているので単純だが、ところどころに記載されている「トリビア」的な豆知識の中には役立つものもある。著者は銀行員や大学教授を務めた…

妻がアルバイト先からいただいたタケノコで、タケノコご飯を作って食べた。

物語 チェコの歴史

チェコ地方の歴史を、人物中心に、九世紀頃のモラヴィア王国から語り始める。特に、13世紀プシェミシュル朝チェコの王女として生れた聖女アネシュカを扱った第二章、16世紀プラハに生きたある書籍商の生涯を扱った第六章と、17世紀のプラハ大学をめぐ…

ブロードバンド時代の情報通信政策

ブロードバンド時代を迎えて、情報通信市場の競争政策や料金のあり方はどのようにするのが望ましいのか、現状分析にとどまらず制度設計にまで踏み込んで論じている。「共有地の悲劇」を避けるためのインセンティブ料金の提案など、おおむね納得できる内容だ…

中欧の分裂と統合

チェコスロバキアの建国の父となったマサリクの伝記。田舎の庶民として生を受けた知識人が、運よくウィーンで高等教育を受けいかに出世していくか、そして、民族問題の複雑さが分かる。マサリク自身が、単純にチェコ人とは言えない。スロヴァキア人の父と、…

暮らしのテクノロジー

ベルトコンベヤー、回転寿司、自動ドアといった日常的なテクノロジーの起源や、意味を文学的に論ずるエッセイ。

√2の不思議

残念ながら水準の低いつまらない本。ちくま学芸文庫は良書が多いけれど、たまにハズレもある。

累犯障害者

著者は秘書給与流用で服役した山本譲司・元代議士。氏が刑務所内外で見聞・取材した内容が基になっているが、受刑者のかなりの部分が、知的障害者だという事実はショッキングだ。また、知的障害者がもらう福祉の金を目当てに、やくざや、それに類するものが…

フランスから来日したジャン・ラガーヌ氏(プロヴァンス大学准教授)を新神戸駅に迎えに行く。ひげを蓄えていた。新神戸駅から大学方面へのバスがなかなか来なくて苛立つ。午後4時から、うちの学部で講演会。テーマは、環境にやさしい行動を促進するにはど…

精神現象学

一度は読まなくてはならないと思っていた。一番分かりやすいといわれている長谷川宏訳にしたが、それでもなにか「隔靴掻痒」感が残る。存在するものは理性的である、というのがヘーゲルの根本のテーゼだが、このvernünftigを「理性的」と訳すから分かりにく…

プラハアート案内

KAVCで買った。来年はチェコに行ってみたい、時間があれば・・・

LUNACY

神戸アートビレッジセンターで、ヤン・シュヴァンクマイエルの新作「ルナシー」を見る。メイキングでシュヴァンクマイエル氏は、「単なるホラー」と説明しているが、その含意は深い。精神病院もの。

日経新聞の黒い霧

4日前に読んだ大塚将司氏の前著だが、日経の腐敗ぶり(特に鶴田卓彦元社長)はひどい。会社の金で年間少なくとも3000万円以上を、高級料亭通いに費やし、意に沿わない記事には人事面から圧力をかける。 この書はより広く読まれるべきだ。

ポスト・ヒューマン誕生

こちらも広い意味では情報社会論で、やはり奇書かもしれない。情報技術の発展によって、人間の知能を越えるコンピュータが安価で手に入り、人間は体の中にナノボットという小さなロボットを飼うようになる、といった話が出てくる。夢物語としては楽しい。著…

情報社会論

情報社会の全体像を捉えるというよりは、自分好みの現象をつまみ喰い的に引き合いに出し、雑談交じりで独断にあふれた分かりやすい構図を描いているという点では面白いが、評価としては「奇書」と言えるだろう。著者は根本的に、情報社会を「超効率主義社会…

愚痴る

2限の授業のあと、学科会議、教授会、大学院教授会、コース会議と、結局連続して8時間以上会議。9時過ぎまでご飯も食べられない。泣きたい。授業の予習が少しはできるかと思ったら、そんな時間は全くなかった。いったい何のために大学に勤めているのだか。

都市を歩く

西南学院大学の公開講座を基に、17人の教員がそれぞれお気に入りの都市について熱く語ったものだが、この種の本としては極めて良書。はずれの章がない。特に編者である岩尾龍太郎氏の「江戸」「博多とヴェネツィア」の章は、感動することしきりである。反…

確率と確率過程

ここ数日苦しんでいたがやっと読み終わった。d次元上のランダムウォークは、d=1、2の時には再帰的(無限大の時間のうちに必ずもとの場所に戻ってくる)であるが、3以上の時には遷移的(再帰的でない)、というようなことが、数学的に証明されてしまうの…

新聞の時代錯誤

著者は日経の元社員で、株主総会で鶴田社長に不正経理問題の経営責任を追及し、不当な懲戒解雇処分(後に撤回)を受けたという経歴を持つ人だそうだ。特に日経を中心として、現在の新聞社がいかに、特権をむさぼり、情報の公開を避ける腐った組織になってし…

テレビは日本人を「バカ」にしたか

このタイトル通りの中身であれば非常に意義深い本だろうが、やや羊頭狗肉で、実際の中身は「国民総白痴化」という言葉の生れた状況や、それを生み出した大宅壮一についての本(副題はそうなっている)。第一章には、この言葉の生れるきっかけなった番組「何…

ドレミを選んだ日本人

なぜ日本人は、伝統的な音楽感覚を捨てて、西洋音楽の方へ走ることになったのか、歴史的に語られる。

嘘だらけのヨーロッパ製世界史

お懐かしや岸田秀氏の新作。「世界史」の中のヨーロッパ中心主義を炙り出す著作だが中身は、バナールという学者の説に全面的によりかかっており、いわば解説書。

雨の中を自転車で駅へ向かったら途中でパンク。泣きたい・・・

新自由主義

高名な地理学者デヴィッド・ハーヴェイの本だが、力作の『ポストモダニティの条件』や『パリ モダニティの首都』と比べると、想定の範囲内というか、類書と同じような新自由主義批判にとどまっている。

法と経済学

法学と経済学の研究上での連携の重要性は論をまたない(経済的センスのない法運用は、かえって事態を悪化させることもある)が、実際には難しい。本書もそうした試みの一つだが、正直物足りなさが残る。唯一おもしろかったのは、寄付金による大学への補欠入…

キケロ

塩野「ローマ人の物語」を読んで、あまりにキケロが可愛そうになったので、キケロを主人公とするこの著作を読んで見た。著者ばかりでなく訳者もキケロ贔屓である。だが、私の印象は変わらない。キケロは、個人的に守りたいもの(名誉、財産、家族)の多すぎ…

獄中記

佐藤優氏が拘置所中で書き溜めたものをまとめたまさに「獄中記」。独房の中には、本を10冊しか持ち込めないなどさまざまな制約があるが、氏はそれをむしろ語学や哲学の学習に有利と考え、盛んに読み、ノートを作り、執筆する。私は佐藤氏の意見に必ずしも…

ボディ・クリティシズム

電子の画像の時代となった今、切り刻まれ薄片化された絵のとめどない流れはさらに行き過ぎたアレゴリー化を験している。(中略)いやましに視覚化していく環境の中、個の意味、全体の意味を等しくつくりだしていくその本来の建設的な役割を、図像と図像的知…