2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

情報汚染の時代

「情報汚染」という言い方は私はあまりしないのだが、要はわれわれが目に触れたり耳で聞いたりする情報は、マスメディアにせよネットメディアにせよ、様々な形で間違いや偏向が含まれているということで、普通に言えば、情報リテラシーの必要性ということだ…

アートは地域を変えたか

特に越後妻有トリエンナーレを研究対象に、地域に対してどの程度の貢献がなされたのかがテーマ。現在では「成功例」となっている越後妻有トリエンナーレだが、初回などは苦労続きであったことが分かる。また、同じ北川フラムを起用した、新潟市の「水と土の…

宮田村、阿智村

一度駒ヶ根市と合併したものの分村し、平成の大合併時にも独立を貫いた宮田村は、「地域情報化計画」についても村人や有識者を中心が独立して策定し、役場職員の関与が少ないという特徴を持つ。阿智村は、昼神温泉で知られた村だが、地デジ対策として村でケ…

ニュースはどのように理解されるか

ラッセル・ニューマンらによる研究。人々がどのようにニュースを理解しているのか、マルチメソッドで探求するものだが、特に「フレーミング」に焦点を当て、「経済フレーム」「対立フレーム」「無力感フレーム」「影響フレーム」「道徳性フレーム」の五つを…

creating the witness

戦争や虐殺といった悲惨な状況がある場合、それを世界にどう伝えていくのか・・・メディアも基本的には営利事業だから、例えばアフリカで大事件が起こっても、国内の「面白そうな」ニュースに負け、紙面や放送時間を割かれることは少ない。本書は南スーダン…

今度こそ納得する物理・数学再入門

大学で学ぶ数学や物理には、なかなか初学者に分かりにくい概念や数式があるが、その代表例を19項目選び、丁寧に解説する。

検定絶対不合格教科書古文

最新の研究が反映されていない、性にまつわる事柄を避ける、平安中心で近代以降のものが手薄いなど、現代の高校国語教育(古典教育)の抱えている問題点を指摘し、それに代わる古典の教科書を試作した、田中貴子氏の著作。

filmmaker's eye

映画撮影術の本だが、数多くの実例写真で詳しく、分かりやすく説明している良書。「ヒッチコックの法則」というのがあるのか・・・

カフカらしくないカフカ

カフカは私も好きな作家の一人で、学生時代に全集を読んだり、その後もカフカ関連書をそれなりに多く読んできたが、確かに著者が言うように、カフカのイメージは孤独な求道者といった感じのものが多かった。著者はこうしたイメージを覆し、「判決」などで暴…

フィラデルフィア物語

1940年の白黒コメディ。フィラデルフィアで、幼馴染同士で結婚したものの、うまく行かずに離婚した男女が、女性(キャサリン・ヘップバーン)が別の男性と再婚することになり、まだ愛している男(ケリー・グラント)はヨリを戻そうと奮闘する。

チトー・オン・アイス

スウェーデンのアーティスト2人が、自作のチトー像(不気味だが、よく出来ている)を引っさげて、いまだ傷跡癒えない旧ユーゴスラビア地域を旅するのだが、実写映像と、段ボールで作った人形・セットアニメーションとが巧みに組み合わされている。

コンシューミング・スピリッツ

米国のアニメーターであるクリス・サリバンが、何と15年かけて完成させた二時間超のアニメ大作。人の顔など気持ち悪いし、うまいのか下手なのか良く分からないのだが、ストーリーはミステリー風で、新聞社勤務の中年女性が修道女を車で轢くところから話が…

一昨日と同様、夜に神戸アートビレッジセンターへアニメを見に。

インテンション・エコノミー

「アテンション」(関心)の経済から、顧客の「インテンション」(意思)の経済へというのが大テーマだが、何やらつるつる読んでいるうちに深い印象も残さず読み終わってしまった。ただ、277ページの、「スモールデータ」(自分のデータ)の方が、「ビッ…

魂のレイヤー

「心身問題」を追究した学術書というのが表の顔で、かなり難解な箇所もあるのだが、小説が2本含まれていたり、未発表の吉本隆昭論(それも「死」がテーマ)が書き下ろされていたりと、盛り沢山で面白い。

アロイス・ネーベル

チェコアニメ。主人公はタイトルと同名の鉄道員ネーベル氏だが、彼は幼少時の、ナチスにまつわる記憶に悩まされていた。入院し、退院すると、駅長の仕事を奪われ、プラハに復職をかけ合いに行くのだが、結果は芳しからず・・・。おそらく実写映像に、CGで…

マイ・ドッグ・チューリップ

「他人を愛することができない英国人は、自然と犬を愛するようになる」との評言があるが、このアニメの主人公はまさにその通り、友達との関係に疲れはて、50歳から雌犬を飼うようになった。1歳半で労働者階級の家からもらってきたものだが、彼は犬を心か…

夜、神戸アートビレッジセンターに、海外アニメーションを見に行った。「GEORAMA」という名の映画祭。http://kavccinema.jp/lineup/3108

ワーキングガール

OLの出世物語だが、とにかく髪型の「盛り具合」がすごくて、そこにしか目が行かない。

紳士協定

エリア・カザン監督作品。反ユダヤ主義についての原稿を書くことになった男やもめのフィルは、自分が「ユダヤ人」だと自称したらどうなるかという実験を試みる。ホテルでは宿泊を拒否され、息子はいじめられ、婚約をしていたキャシーとも、このことが原因で…

「もの」はどのようにつくられているのか?

原題は「Making It」。日本語版副題に「プロダクトデザインのプロセス事典」とあるように、現代のプロダクトデザインの様々な技法が幅広く紹介されている。「固体の切断」「シート」「連続体」「薄肉・中空」「固化」「複雑」「多様なデジタル・ファブリケー…

策謀家チェイニー

ブッシュ(子)大統領の副大統領として、エネルギー問題や環境問題、そしてとりわけ911テロ以降のテロ対策や監視活動に、ブッシュ以上に采配を振るったチェイニー副大統領の政治活動が、本書のテーマ。よく、自ら勤めていたハリバートン社への利益誘導が…

ロジカルな思考を育てる数学問題集(上下)

モスクワの8年生(中学2年生ということかな)向けの数学サークルで作られた問題集なので、こちらは基本的には解ける問題が並んでいるのだが、たまに難問が混じっている。

数学超絶難問

数学者がヒラメキをもって発見した事柄を、問題として扱い再発見しようという主旨の問題集。気軽な問題から、普通の人には到底無理な問題まで79問。「ペル方程式」「4次方程式の解」「メルカトルの級数」「ランベルトの連分数」そして「オイラーの恒等式…

数学問題集2種

映画の奈落

今日はもう1冊も映画本。東映は「仁義なき戦い」のヒットを受け、まだ現役のヤクザである福井の川内組組長・川内弘をモデルにした「北陸代理戦争」を松方弘樹主演で映画化、1977年に公開する。確かに川内の生き様は、映画にしたくなるほどドラマチック…

雑誌ユリイカ2013年11月号増刊 総特集「小津安二郎」

「総特集」とあるように、すべての記事が小津論。蓮實さんが青山真治との対談で、「まだ誰もまともに(小津を)見ていない」「『東京物語』を世界映画史ベストワンに選ぶことで、小津を梱包しようとしている」と、相変わらず挑発的な物言いをしている。巻末…

なぜデザインが必要なのか

スミソニアン博物館が2000年に行った展示「なぜ今デザインなのか?」の書籍化。「エネルギー」「移動性」「コミュニティ」「素材」「豊かさ」「健康」「コミュニケーション」「シンプリシティ」の8章構成。デザインを使って問題を解決する試みが多数紹…

沸騰!図書館

ネットでは賛否両論渦巻く武雄市図書館だが、当事者の著作は読んでおいて損はない。私は、図書館を年中無休にしたことは高く評価されるべきと思うが、郷土資料の廃棄などは極めて残念に考えている。

サイエンスの発想法

京都大学の理科系1・2回生向け全学共通講義。内容は著者の専門である生化学に属する事柄が中心だが、平易なところから難度の高いところまで一気に進み、また、受講者に考えさせる宿題(研究のアイディアを練り、それをイラストで説明する)を出している。…