2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

朝方、投票を済ませる。昼からは、昨日の続きの映像フェス2日目。倉田愛実監督のアニメーション「シェルター」がよかった。帰って開票速報を見るが、なかなか票数が出ないので苛立つ。小渕優子や小泉進次郎が落選しないかと儚い期待をしたが、残念ながら通…

身内の犯行

先日読んだ河合『日本の殺人』でも、結局家族や近親者による殺人が多くの割合を占めているという指摘があったが、本書はそうした「身内による殺人」に焦点を当て、特に話題となった事件について取材した本。子殺し、親殺し、夫殺しなどが扱われているが、第…

探偵小説のクリティカル・ターン

笠井潔、小森健太朗両氏を中心とする「限界小説研究会」の著作。残念ながら対象となっている作家の中に、読んだことのない人が多数含まれているため、いま一つよく分からないところがある。西尾維新とか、辻村新月って、面白いのかなあ。

神戸アートビレッジセンターへ、EIZO FES http://eizofes.com/p325.html を見に行った。workshopの作品は、例えば風景を延々と写すなど?な作品が多いが、一般公募作の中にはそれなりに面白い作品もあり、行って損した気はない。本田雅英監督「夏の日のぬけ…

ニュース英語パワーボキャビル 4000語

レベルとしては中級者用か。通読し、知らなかった単語だけをメモしておいた。

甦る怪物

佐藤優氏の「私のマルクス ロシア編」。著者のモスクワ時代の見聞が、特に前半はモスクワ大学の教え子たちのことを中心に書かれている。政治に翻弄される人々の姿が活写されている。体制変換によって、学問へのやる気を失った人が多くいることが哀しい。モス…

瀬戸内市役所、備前市役所で地域情報化政策の取材。大学に戻り、事務作業をしたあと、夜は非常勤で来ていただいている増田聡氏、瓜生吉則氏らと三宮の居酒屋へ。

新南島風土記

沖縄タイムズ社の記者として、石垣島に赴任した著者が、八重山諸島を回ってまとめたものだが、新聞連載時期は1964−65年で、実は四十年以上も前に書かれており、既に歴史的書物と言った方がよいだろう。交通事情なども大きく変わっており、著者も既に定…

物語の哲学

哲学者・野家啓一氏による物語論。物語行為論から歴史・時間論、科学論へとつながる、射程の広い著作。歴史も、科学も、畢竟は物語であるとの立場に立つ。数日前読んだ「南島イデオロギーの誕生」では厳しく批判されていた柳田国男も、肯定的に引用している。

幻想の島 沖縄

著者は日経の記者で、2005年から2008年まで那覇支局長を務めた。沖縄の病を「日本への依存」だとし、基地の返還、振興策の縮小を主張する。特に基地については、地主は無論のこと、基地で働く労働者も、返還反対に回ってしまった。沖縄の人にとって…

生命の音楽

私は知らなかったが、著者のデニス・ノーブル氏は、心筋電気生理学の世界的な権威なのだそうだ。ドーキンスが「利己的な遺伝子」を発表して依頼、遺伝子が生物の本体だとするような俗流解釈がはびこっているが、著者がまず批判するのがそうした遺伝子中心主…

劇場型社会の構造

大きな物語が失墜した後、それに代わって出現した、持続期間の短い物語を「お祭り」と呼び、著者が身近で観察した東国原知事ブームを初め、小泉劇場、新庄人気、ホリエモンなどをその例とする。分かりやすいと言えば分かりやすいのだけれど、では通常の「メ…

数学を生んだ父母たち

「数学を切りひらいた人々」の第1巻(なぜか第1巻を最後に読むことになった)。ミレトスのタレスにはじまり、ピタゴラス、ユークリッド、アルキメデスなどを経てフィボナッチまで。初の女性数学者として、新プラトン哲学学校校長を務めた「アレクサンドリ…

笠岡諸島

笠岡諸島について書かれた本は、これがほぼ唯一らしい。半分は写真集。著者は元山陽新聞記者。各島の特徴がうまく書き分けられている。

英語で説明する日本の文化

以前紹介した、同じ著者の『日本の地理・歴史の知識と英語を身につける』と5割くらいは中身が共通しているだろうか。ただ、こちらの方が、宗教や衣食住などについては詳しく出ている。CDが付いているのだが、収録されているのが対話部分だけ(約30分)…

デリダ論

ガヤトリ・スピヴァクが、デリダ「グラマトロジーについて」の英訳に寄せた序文。序文だけで一冊の本になってしまうというのがすごい。1974年に原著が出てから、日本語版が出るまで30年経っているというのはちょっと長いが・・・。ヘーゲルを、ニーチ…

南島イデオロギーの発生

中心は柳田国男批判。柳田の南島論が、日韓併合という植民地主義への関与を消去・忘却したかったからではないのか、「北海道」と「韓国」とを排除することで「南島イデオロギー」が成り立っているのではないかと、厳しく糾弾する。最初の方の章では、折口信…

和算史上の人々

和算の歴史を、人物・著作に焦点を当てて論述した書。第一章では円周率を、第二章「美しい幾何図形を求めて」では幾何学を、第三章では代数学、数値計算を扱っている。特に印象に残るのは第二章で、「逐索術」「傍斜術」など、円や長方形の中で外接・内接す…

厚生労働省崩壊

現役の官僚(医系技官)による内部告発の書(そういえば、以前「お役所の掟」を書いて内部告発した故・宮本政於氏も、厚生省の医系技官だった)。著者は米国留学から帰り、某研究所に勤めていたが、そこでまじめに仕事をして嫌われ、厚生労働省の方に「追い…

ローマの休日とユーロの謎

映画評論に経済の話題をちょいと絡めたエッセイ集。初心者向け。

メディアとテロリズム

現在米国のコロンビア大学に滞在中の著者・福田充君が送ってくれた。ありがとう。 テロリストとメディアは共犯関係にある。人目を引く事件を報道すれば部数は伸び、視聴率は上がるからだ。さらに人々もさらなる展開を期待する。こうした、テロリスト、メディ…

名画の秘めごと

表紙になっている「ガブリエル・デストレとその妹」を始め、愛欲に関係する西洋名画を解説したもの。中野京子「怖い絵」のシリーズといくつかの作品は共通しているが、記述の迫力でやや負けている感じ。 ところで「ガブリエル・デストレとその妹」で検索する…

精神

想田監督の「観察映画」第2弾、ということらしい(第1弾は、東大時代の同級生の選挙活動に密着した「選挙」)。岡山にある、精神障害者の集う施設を舞台に、ひたすら「観察」が行われる。 精神を病んだ人たちの実情を描くという点では、成功していると言っ…

チェチェンへ アレクサンドラの旅

国際紛争の傷跡を考えるという点では、この「チェチェンへ」も共通している。孫が従軍している駐屯地へ一人ででかける祖母のアレクサンドラ。周囲の兵士との関わりや、駐屯地外での見聞などで、アレクサンドラが感じたこととは・・・。上の「子供の情景」と…

子供の情景

アフガニスタンに住む少女は、自分も学校に行きたいと望む。しかし、母親は冷たく、大人たちは自分の利益を得ることに汲々とし、さらに、近所の悪童どもが「戦争ごっこ」で少女および、少女の友達の隣家の少年をいじめる。少女が卵を売って買ったノートを取…

笠岡市、直島町

地域情報化政策の取材で笠岡市と直島町へ。笠岡市は、離島の笠岡諸島(有人島が7つある)の情報化施策について訊く。5ギガヘルツ帯の無線を使ったブロードバンド化を行うとのこと。CATVの笠岡放送が事業主体。 直島町は、ベネッセやアートで有名なところだ…

もっと好きになっちゃった 沖縄の離島

沖縄離島本の一つだが、文章はおしなべて良くも悪くも素人臭い。本筋には関係ないが、沖縄には洌鎌(すかま)という名字があるんだねー。

1968 上

小熊英二氏の新作で、1968年前後の学生運動を扱ったもの。上巻だけで1000ページを越えるまさに枕のように分厚い本だが、重厚な学術書というよりはジャーナリスティックな「引用のモザイク」なので(貶めて言っているのではありません)、意外と早く…

アメリカ映画と占領政策

一橋大学に提出された博士論文。タイトル通り、米国占領下日本での、映画政策が細かく調べられた力作。ただ読んでいて、細かな事実に幻惑され、「森」が分からなくなるところもある。平野共余子『天皇と接吻』や、浜野安樹『偽りの民主主義』などとも、一部…

Convergence Culture

タイトルのConvergenceは日本語で言えば「収斂」。新旧のメディアの収斂といった感じだろうか。表紙ではハワード・ラインゴールドが「著者は21世紀のマクルーハンだ」などと褒めて(?)いるが、私にはさほど面白くはなかった。 要はメディア文化論で、リ…