2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

聴衆をつくる

今年度から非常勤にも来て頂いている、若手音楽学者(という呼び名はもう不適当か?)の増田聡(id:smasuda)氏の評論集。独立して書かれた文章を集めたものだが、まるでクレッシェンドのように、後半に行くにつれてどんどん面白くなってくる。言語行為論をJ-P…

更新期の文学

大塚英志の文学論。作家になって名声や金や、なにより「アイデンティティ」を得ようなどと(無自覚に)考えている人間にとって、大塚氏の明晰な認識は、苦く、痛い。近代文学という制度がなにより歴史的なものに過ぎないこと(このこと自体は多くの評論家が…

東京の果てに

もう一冊の東京本は、大学の同僚である平山教授の本。主として住宅・居住の観点から、東京に住む人々の暮らしが政策や経済にいかに翻弄されて来たかが描かれる。第四章は、死者の居住地ともいうべきお墓の話題。

東京のローカル・コミュニティ

「東京のとある町」(固有名詞は隠されている)の姿を、物語風に記述したモノグラフ。インタビューなどの質的調査をもとに、この町内の人々がどのように生きてきたのか、そして、町ではどのようなことが問題となってきたのか(例えばお神輿への寄付や、社会…

ショック

大学院時代の後輩が勤務先の大学を懲戒免職。ショックだ。一方的なニュースが流れているが、彼のようないい人がそんな悪いことをしたと思えない。きちんと彼の言い分も聞いたのだろうか。 今から数年前には、やはり敬愛していた大学院の先輩が(もちろん別の…

構築主義を再構築する

昨年めでたく(?)東大に戻られた、社会学者・赤川学氏の論文集。前半では言説分析や構築主義に関する理論的な議論がなされ、後半は氏の主要フィールドである性言説や家族問題が扱われる。抑制的な文章の中に、時々息抜きのように奇抜な表現が現われるのは…

生き延びるためのラカン

ラカンの著作には何度か挑戦したが、どうも分かったような気がしなかった。本書は、著者が言うとおり、現時点でもっとも分かりやすいラカン入門書と言えるだろう。高校生には難しいかもしれないが・・・バジリコという出版社は初めて知った。

アルジャジーラとメディアの壁

イスラムを専門としない4人の学者が、「中東のCNN」ことアルジャジーラへ、視察・取材を行った本。96年に放送を解して以来、特にビンラディンの声明を放送して以降、大きな話題を提供してきたテレビ局だが、その実態は、カタール政府による出資、BBC…

調査と人権

西ドイツでは、市民の反対により、国勢調査がつぶされたことがあったという。このショッキングな話をまくらに、当たり前に「よいこと」とみなされている調査が、精神障害者などの人権侵害につながる可能性を指摘。調査の回収率が下がるのは好ましくないこと…

釜石市役所、花巻市役所、北上市役所、奥州市役所で地域情報化政策の取材。仙台空港から神戸空港に戻る。やはりガラガラ。ちょっと心配。

山形市役所、大崎市役所、一関市役所で地域情報化政策の取材。 そのまま釜石へ。多田旅館で宿泊。清潔とは言いがたいが、食事はいい。

今期の授業が終了。 夜、神戸空港から旅立つ。出張ですよ。神戸空港は空いていていいが、採算は取れないだろうな。ここから海外へもいければ便利だが・・・ 仙台空港に到着。バスで山形へ。ホテル・リモージュに宿泊。

センター試験の試験監督終わる。日当は出るものの、まったく時間を無駄にさせられた。くやしい。

日本テレビとCIA

日本テレビの設立や放送権の獲得には、なぜ正力にそれが与えられたのかということを中心として、根深い謎がある。本書は、アメリカで公開された資料を幅広く渉猟し、反共の防波堤にしようとしていたCIA側と、そのアメリカを利用して金を出させようとしていた…

他人を見下す若者たち

これも話題になった本で、おくればせながら手に取った。中身はタイトル通り、「仮想的有能感」(自分が他人より有能であるという幻想)を持った人々が他人を軽視する、というものだが、特に興味深かったのは、134−135ページに書かれた調査結果で、「仮想的有…

よくわかる社会学

新しい社会学の教科書が出たので読んで見た。ただ、執筆者の数が40人以上とあまりにも多い。「メディアと情報化をめぐる社会学」を執筆しているのは、1970年生れで早稲田大学助教授の周藤真也という人だが、この人は増田米二を知らないのか!すべて「…

機械化の文化史

デザイン史家のギーディオンが1948年に上梓した大部の著作。日本語版は約700ページ。タイトル通り、機械化の歴史の本だが、通史ではなく、各部ごとにテーマが設定されている。1部は研究方法だが、2部は運動、3部は工業、4部は農業、5部は家具、…

ネットvs.リアルの衝突

グーグルやライブドアについての著書のあるジャーナリスト、佐々木利尚氏の著作。第1章から3章までで扱われているWinnyについては、全裁判を傍聴されているだけあって、読む価値があった。第十章の「デジタル家電」では、日本の電器メーカーの推進している…

納豆のこと

スーパーに買い物に行ったら、納豆が全メーカー売り切れだったのでびっくりした。テレビの「あるある大事典」で紹介されて、爆発的に売れているそうだ。毎日のように納豆を食べて来た者としては、買えなくて残念・・・これは、マスコミ効果論で言う、「強力…

バラバラ殺人

バラバラ殺人がニュースやネットで話題となっている。確かに、兄が妹を、妻が夫を、一人黙々とノコギリなどで解体している図は、想像するとゾッとする。しかし、バラバラ殺人は今に始まったことではないし、むしろ死体を隠蔽するための、おぞましい「合理的…

自壊する帝国

著者は、鈴木宗男事件で逮捕されたあの佐藤優氏。佐藤氏はその後、論壇の寵児となるが、確かに氏の文章は魅力的だ。人間の書くものだから、多少の自己弁護などはあるのだろうが、氏がロシア外交官として、三等書記官という低い立場にもかかわらず、要人たち…

社会調査で社会が見えるか

よくまとまった社会調査論の教科書。

都立中央図書館で資料あさり。

米沢市役所、宮城県庁で地域情報化政策の取材。東京の実家に戻る。

須賀川市役所、郡山市役所、福島県庁で地域情報化政策の取材。宿泊は福島駅前の福島リッチホテル。

bodies in code

以前、New Philosophy for New Mediaを紹介したマーク・ハンセンの新作。身体を中心に、ヴァーチャル・リアリティなどの情報環境を論じる。

謹賀新年

本年もどうぞよろしく