2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

地域情報化政策の資料収集2日目。馬路村で大きな収穫があった。

日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか

似たタイトルの『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』の続編。米国からの「年次改革要望書」によって、日本の著作権制度が大きく影響されたことから説きはじめ、今ではもう過去のものとなったACTAや、現在の主戦場であるTPPなどの交渉が、ウィキリークス…

地域情報化政策の資料収集で四国へ。残念ながら今日はあまり収穫はなかった。

危機に対峙する思考

平子教授の一橋大学退官記念論文集。平子氏自身と弟子にあたる人々が執筆している。大学の同僚である橋本直人氏も編者になっているので読んでみた。中身は多様。「問題としての認識と方法」「理性の光と影」「批判的思考の生成する場」「民主主義と日本社会…

視覚都市の地政学

東大の吉見先生による大部の論文集。『都市のドラマトゥルギー』から30年後の続編。都市論が中心だが、視覚文化論・メディア論も含まれている。特に書き下ろされた終章「戦後東京を可視化する」は写真評論としても優れていると思う。空襲で大きなダメージを…

競わない地方創生

前例主義、責任逃れのお役人たちが地域活性化等の成功事例を真似て失敗してゆく。弱者が競争すると必ず負けることになるので、自分に有利なルールを作り上げることに力を入れよ、とする地方創生論。著者は、IBMでマーケティングに従事しながら、広島にある実…

数学の誘惑

新しくできたバイパスが道路の混雑を増すのはどんな場合か、女性は一体何人目のプロポーズを受け入れるのが合理的なのか、砂浜に立てたビールの缶を倒さないようにするにはどのくらいまで一気に飲むのがいいのか、など、興味深い数学トピックを扱っている。…

新聞の正しい読み方

元日経記者が、新聞の読み方を伝授。紙面の位置取りと意味づけから始まり、新聞記者や新聞社の本音、誤報のメカニズムまで。ネット時代になっても新聞がなくなってはやはりまずいなと思う。

1歩前からはじめる「統計」

同じ大学の神永正博氏と混同していた。著者は社会学者。統計の見方を例えば「結婚すると幸せになれるのか」「若者の海外旅行離れ」といった身近な例から分かりやすく解説する良書。

自然地理のなぜ!?48

著者は高校教師で、専門誌「地理月報」への連載記事をまとめたもの。なぜカフカス地方でひまわりが栽培されるのか、サンゴとマングローブはどちらが強いのか、など、魅力的な「なぜ」が解説されている。写真がすべて著者自身によるものというのも驚く。

映画探偵

日本映画は外国と比べて特に保存状態が悪く、戦前の映画の大半が失われてしまった。その中で、戦前映画の熱心なコレクションを進める個人や組織も活動している。そのような個人や組織を訪ね歩くのが本書の趣旨。しかし、善人ばかりではなく、中には嘘つきな…

メディア・リテラシーの諸相

立命館大学産業社会学部創設五〇周年記念学術叢書の一冊。興味深い論文も何本かあるが、全体としては低調という印象を免れない。特に編者の一人である柳澤信司氏の「NIEが変える教育と新聞」には、政治的なあやうさを感じる。

生命の惑星

この本は素晴らしい。地球という星の誕生から現在までをたどるのが主題だが、ビッグバンから始まり、銀河の形成、そして化学組成の藩士、地球の内部やプレートテクトニクスなど、地学の基礎的な素養が十分に身に付く。生物進化以降がやや記述が少ないが、そ…

手の国の鬼才たち

会田誠、山口晃、天明屋尚など、日本美術を先導するアーティストたちを、ミズマアートギャラリーのディレクターが紹介する。ミズマ氏自身の好みが垣間見える。

聞こえくる過去

視覚中心と考えられがちな近代のメディア環境だが、さまざまな歴史的事実を通じて、聴覚メディアの重要性を明るみに出す意欲作。ウォルター・オングの「聴覚は主観性に向かい、視覚は客観性に向かう」といった、視覚と聴覚を本質的に区別する思考が批判され…

「通信の秘密不可侵」の法理

インターネットに代表される通信環境の変化で、「通信の秘密」もまた変化を被る。通信の秘密をどのように理解すべきか、大量の資料を博捜してまとめられた浩瀚な学術書。通読には結構骨が折れます。

数3方式 ガロアの理論

なぜ5次以上の方程式は、代数的に解く(解の公式を作る)ことができないのか、フェラリ、ルフィニ、アーベル、ガロアらの理論を紹介しながら、対話方式(3人だから鼎談というべきか)で丹念に説明する。

民主党政権の挑戦と挫折

民主党はなぜ「失敗」したのか、5人の政治学者が分析する。しかし、政治はやっぱり難しい。志だけでは失敗する。後知恵でいろいろ言うことは簡単だが・・

数3方式 ガロアの理論

なぜ5次以上の方程式は、代数的に解く(解の公式を作る)ことができないのか、フェラリ、ルフィニ、アーベル、ガロアらの理論を紹介しながら、対話方式(3人だから鼎談というべきか)で丹念に説明する。

民主党政権の挑戦と挫折

民主党はなぜ「失敗」したのか、5人の政治学者が分析する。しかし、政治はやっぱり難しい。志だけでは失敗する。後知恵でいろいろ言うことは簡単だが・・

憲法学の可能性

プライバシー概念を刷新した棟居教授の論文集。憲法とは何か、二大政党制などさまざまな問題を論じているが、なんといっても中心はプライバシーや表現の自由に関わる諸問題だろう。住基ネットについて明確に「否」をつきつけている。

コンテンツ産業とイノベーション

地理学の観点からコンテンツ産業の立地等を研究した論文集。経済センサスの個票データからコンテンツ産業の立地を計量した第3章や、テレビ局が下請けに対して持つ権力性を暴いた第4章は必読だと思う。ただ、第7章のゲーム産業調査で、アンケート調査の回…

指紋と近代

指紋登録がいかに統治に使われてきたのかをテーマとする歴史書。イギリスがインドの植民地支配に使ったことは有名だが、不勉強ながら私は本書を読むまで、、満州国での労働者の管理に指紋が使われていたことを知らなかった。ただ、現在の監視社会化の問題と…

サイロ・エフェクト

ここでいうサイロとは、組織内で独立してしまっている部署のこと。組織が「サイロ」に分かれてしまったために、互いに足を引っ張り合ったり、矛盾する動きになってしまったりする。事業本部制をとったソニーが代表的なその失敗例として挙げられている。

民間放送のかがやいていたころ

関西でテレビ局やラジオ局で活躍していたOB51人へのインタビュー。特にテレビ草創期の話が多く、自由で闊達だった頃の息吹が伝わってくる。ただ大半の人が、今のテレビを批判しているのはちょっとやりきれない。

幼児教育の経済学

長期にわたる追跡調査を行い、恵まれない環境に生まれた子どもの人生を少しでも改善するには、幼少期での介入が効果的だとしたヘックマン(ノーベル経済学賞受賞)の研究をまとめたもの。論文そのものは約40ページで短いが、その後に多数の学者のコメント、…

世界大学ランキングと知の序列化

大学ランキングがはらむ問題を多角的角度から分析した論文集。大学関係者にはぜひ一読をお勧めする。日本の大学はイギリスと比べてはるかに「文系」教員の割合が低いのに、そこからさらに削ろうというのか・・・

人工知能は私たちを滅ぼすのか

SF小説仕立てになってはいるが、中身はコンピュータ・情報技術の発達史概論。ただ結末では、シンギュラリティ後の人類が「賢くあることから解放され」ただの生き物に戻ることが示唆されている。

「地方創生と消滅」の社会学

増田レポートに代表される地方消滅、極点社会論と、それへの批判のいずれに対しても批判的な観点から検討を加える。東京集中問題は、柳田國男も取り組んでいた古い問題だったとは。補論では衰退した工業都市である室蘭市の事例を詳述する。

数学教室 πの焼き方

章ごとにおいしいお菓子のレシピがついている、ちょっとユニークな数学の紹介本。著者はシェフィールド大学の上級講師(准教授相当)。「数学とは何か」に始まり、後半7章は圏論にあてられている。