2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる

ポケモンGOは私も楽しませてもらっているので、どんな人が中心に開発したのか興味があったのだが、こんな人とは思わなかった(いい意味で)。著者は野村達雄という名前を現在は名乗っているが、もともと中国黒竜江省生まれ、家族を失った中国残留婦人が、中…

風格の地方都市

辻村明による先行研究を参考に、京大の行政学者である著者が、日本全国の都市の「風格」を数量化した意欲的な研究。分化、経済、交通などの多数のデータを、「規模の風格」「心意気の風格」の2種に集約した。たとえば近畿地方では、「規模の風格」は大阪市…

煙が目にしみる

ハワイ出身の女性が、「死」への感心からサンフランシスコの葬儀社に就職し、遺体の火葬などの仕事を経験する。その仕事のありさまや、その時に感じたことを綴ったエッセイ。葬儀ディレクターの仕事を学ぶためにほどなく退職するが、失恋などのために自殺に…

社会情報学会(2日目)

駒澤大学の社会情報学会・2日目に出席。 終了後、新幹線で帰るが、台風のために西明石で臨時停車し、そのまま1時間以上も足止めを食らってしまった。本当に参った。

社会情報学会へ(1日目)

朝一番の新幹線(姫路発6時)で上京し、駒澤大学で開催の社会情報学会に出席。研究発表およびシンポジウムを鑑賞する。終了後、初台のICC(インターコミュニケーションセンター)に回り、文化庁メディア芸術祭を鑑賞。アンドロイドで著名な、大阪大学の石黒…

ウェブに夢見るバカ

原題は「ユートピアは薄気味悪い」。ネット・バカ、オートメーション・バカに続くニコラス・カーのエッセイ集。ところどころに機知のひらめきがある。

文学研究から現代日本の批評を考える

論文集。文学のみならず映画やアニメも射程に入れているが、面白かったのは第三部で、柄谷行人の『近代日本文学の起源』が、亀井秀雄の強い影響下にあるのではないか、そして、それを柄谷が隠蔽しているのではないか、と論じている。亀井秀雄は読んだことが…

反「大学改革」論 若手からの問題提起

こちらは若手大学教員十数人による共著。確かに問題提起としてはおもしろいものも含まれているが、いかんせん一つ一つの論が短すぎて喰い足りない。やはり一人が十分な紙幅を取って書くほうが良いのではなかろうか。

「大学改革」という病

徳島大学の哲学者、山口裕之氏の著作。大学改革についての本はいくつも読んだが、本書がその中でもっとも優れているのではないかと思う。日本の大学はそれなりに優れたシステムであるので、変な風に改革すると、その良いところまで失われてしまう危険がある…

世界をまどわせた地図

地図は決して、現実の忠実な写し絵ではない。本書で扱われるのは、実際にはないのに、地図にのっていた島や山脈、都市など。特に島が多い。冒険家が、スポンサーに媚びて名前をつけたり、話を盛ったりするために島を捏造するのはまだいい方で、「ポヤイス国…

昭和の翻訳出版事件簿

著者は早川書房、タトル商会、日本ユニ著作権センターなどで翻訳出版に関わる業務に携わり、出版社や翻訳者に幅広い人脈を持つ。本書では、日本の翻訳出版にまつわる裏話が満載されている。「無断翻訳」は決して多くなかったが、さまざまなトラブルが向こう…

秘境駅跡探訪

タイトルから分かるとおり、今はすでに廃駅となってしまった秘境駅を訪ね歩く(スイッチバックが廃止されただけで、駅そのものは残っている駅も含まれている)。鹿島鉄道の代替バスにも見放された「借宿前駅」とか行ってみたいな。一般に乗車できない「立山…

ペルシャ猫を誰も知らない

テヘランで音楽活動をする若いカップルのアシュカンとネガルは、海外での自由な音楽活動を望み、友人のナダルを介して、偽造パスポートを作ってロンドンでコンサートを行おうとする。また、海外に同行してくれる仲間を募るために、テヘランのミュージシャン…

イースタン・プロミス

ロンドンを舞台にした、ロシアマフィアもの。子供を生んで非業の死を遂げた少女の遺品ノートには、マフィアの悪巧みがかかれていた。生まれた子供を守ろうとするロシア系看護婦と、マフィアたちとの戦いを描く。クローネンバーグ監督の名作です。

[book}老いる家 崩れる街

人口が減少してゆく中、日本の住宅政策は依然として「新築重視」で、このままでは空き家が増え不動産が「負動産」となる。暗澹たる話だが目を背けるわけにもいかない。私も家を買おうかと思ったときもあったが、やっぱりためらうなあ。私の職場のすぐ近くの…