2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧
日露戦争時から1950年代ころまでを対象に、都市計画と工場立地との関係を、当時の資料に遡って細かく検討する。正直なところ、読むのが結構つらい。
雨の中を目黒のNTT出版に行き(引越し後は初めて)仕事の打ち合わせをする。新宿に戻ってフォンベトで昼食。午後は、母にメールの使い方を教える。
あちらこちらの書評で取り上げられているので、私ごときがその上に付け加えることはないのだが・・・。米・独・日で吹き荒れた流線形ブームが、単なる「形」ではなく比喩となり、近代合理主義の象徴となって、優生学やナチズムとも深く関係するさまが、詳細…
東京へ。池袋の自由学園明日館で、「宗像誠也生誕100年の集い」。宗像誠也というのは、私が5歳の時になくなった教育学者だが、まだ弟子筋の人たちは残っている。
家の近所に少年刑務所があるという話は聞いていたのだが、散歩をして初めてみつけた。確かに塀の高い、閉鎖性の強い学校という感じ。ひょっとして、世間を騒がせたような少年事件の犯人たちも、収容されているのだろうか。
タイトル通りマクルーハン論だけれど、本書の特徴は、よく論じられる著作ではなく「外心の呵責」というテキストを精読の材料としていること、Media is Messageの解釈について、門林岳史氏らによる「メディアこそがメッセージである」という新解釈をとってい…
大学へ行く前に神戸市立博物館に寄り、「古地図」の展覧会を楽しむ。大学でいくつか用事を済ませたのち、この4月から立命館大学に就職が決まった瓜生吉則氏の祝賀会で十三へ。増田聡氏(id:smasuda)、辻大介氏(id:dice-x)、大先輩にあたる小川博司教授、瓜生…
西洋近代絵画のうち、20点の怖い作品を論じる。ゴヤの『我が子を喰らうサトゥルヌス』、ジェンテレスキの『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』と言った、あからさまに恐ろしい作品だけでなく、ちょっと見には特に怖いわけではない作品(ドガの『エト…
「現代の二都物語」でシリコンバレーとルート128を比較したアナリー・サクセニアン教授の著書。本書では、シリコンバレーで学んだ留学生たちが、イスラエル、台湾、中国、インドで起業し、IT産業を振興させてゆくさまをテーマにしている。 中身はそれなり…
共同通信ニュースより 09年度から一般財源化 首相、道路財源で新提案 2008年3月27日 19時56分 税制改正法案に関し、記者会見で新提案を発表する福田首相=27日午後、首相官邸 福田康夫首相は27日午後、首相官邸で記者会見し、揮発油税の暫定税率維持を…
納税者番号制導入に関する、税制調査委員会の議論を振り返るために読んだ。昭和63年時点の議論でも、ほぼ論点は尽されている。結局、国民の説得が難しいのだな。
心理学者のニコラス・ハンフリーが描く意識論。「色を見る」ということがどういうことなのかという哲学的な議論を手がかりに、なぜ意識が重要なのか、それは「意識は重要であること」がその機能であり、「意識は、追い求めるに値する人生を持った自己を、人…
少年犯罪の質的な変化について、きわめて納得の行く議論が展開されている。 少年犯罪の凶悪化というのが幻想に近いことは、多くの人がうすうす感じ初めているところだけれど、その背後にあるのを、豊かさによる生への実感の薄さであり、「個性」をあおる社会…
銀座等で豪遊するために危険な仕事に手を出し、あげく横領などの犯罪に手を染めて刑務所に入れられた元弁護士の手記。貧しい生まれからせっかく身を起こし、美人の奥さんもいたのに、ほぼ同情の余地はない(私は昔から、銀座で豪遊しようという人の気持ちが…
卒業式です。女子学生たちが、着なれない和服を着て華やいでいます。おめでとう、さようなら。 今日の講座会議、4時間近く続き、しんどかった・・・
はっきり言って、この本はタイトル倒れ、羊頭狗肉だ。なにか過激な極論が書かれているのかと期待するが、まったくつまらない。例えば、第5章「官僚の天下り 本当は正しい」。読んでみると要は、昔からよく言われている、民間企業との賃金格差を天下りで埋め…
憎悪の世紀とは、2度の世界大戦や内戦によって多数の犠牲者を出した20世紀のこと。日本語版副題「なぜ20世紀は世界的殺戮の場になったのか」という問いに、豊富な細部で応えようとする浩瀚な現代史。著者は1964年生まれだから、私より一歳上なだけ…
近代経済学は「数学の言葉で書かれている」ので数学科出身の経済学者は珍しくないが、本書の著者・小島寛之氏もその一人。氏による数学の解説はとても分かりやすい。特に関心したのが第4章「偽装現実の知覚テクノロジー:ワルラスの定理と実数の連続性」。…
佐藤優氏による、インテリジェンスの手法を用いた人間解読の書。橋本龍太郎が米原万里を口説こうとした話、小渕首相の知られざる怖い側面を書いた話なども面白いけれど、やはり佐藤氏の本領はロシア人脈の話だろう。エリツィンの寵愛を争って「裸のつきあい…
デジタルハリウッド校長による、まあデジハリ広告本。アニメなどの日本のコンテンツ産業の輝かしい未来を煽る本だが、コンテンツ産業は重要性を増しているとはいっても、産業としての規模はまだまだ小さい上に、ネットなどで無料でやりとりもされてしまうか…
テレビや雑誌などで発表された作品の中には、その「差別性」などが問題にされて、後には公開されない(再放送されない、DVD化されない、単行本化されない、など)ものがある。そうしたものをここでは封印作品と呼んでいる。もちろん、この情報時代、ネッ…
読売新聞ニュースより 「きぼう」命名者名簿を廃棄…名付け親誰なのか不明に 国際宇宙ステーションに最初の設備が取り付けられた日本の有人宇宙施設「きぼう」の愛称を考えた一般の応募者132人の名簿を宇宙航空研究開発機構が廃棄してしまい、名付け親が誰…
「エコノミスト」での連載を単行本化したもの。18の業界のシェア「2強」の戦略を分析している。日清食品がマス広告に、東洋水産が販売促進に力を入れるという対照的な戦略をとっていたとは知らなかった。凸版がテレクトロニクスに強く一時大日本印刷を逆…
「世間」に支配される日本社会の病理を批判するエッセイ。おおむね共感できるのだけれど、ではどうすればよいのかという重い問いが残り、読後感はよくない。
西洋における「作者」像の変遷をさぐる。文献が英米系にやや偏っているという難はあるものの、概説書としては極めてよく出来ていると思う。東洋についても考えてみたい。
この本はたしか、学生時代に単行本で読んだはずだが、文庫に入ったので再読してみた。トポロジーの概説書。14章の、生物の形態発生をトポロジーから論じたところが面白い。
NGN(次世代ネットワーク)構想が、なぜ尻すぼみになったのか、著者はNTTという企業が持つ保守主義や、「設備屋」がヘゲモニーを掌握しているところに原因があるとする(NTTの技術系職員は「技術屋」「設備屋」「研究所」と呼ばれる3集団の分類さ…
ナチスによる贋金づくりに動員された、ユダヤ系スロヴァキア人の数奇な運命を自ら回顧した自伝。ナチの悪行はさんざん言い古された感もあるけれど、アウシュヴィッツ等の強制収容所の写真なども多数掲載されており、胸が傷む。贋札づくりに携わったものたち…
昨日の産経新聞ニュースより 慶大が入学金40%削減、近く全廃 「優秀な学生集めたい」 3月21日22時8分配信 産経新聞 慶応義塾大学(東京、安西祐一郎塾長)は21日、平成21年度から入学金を約4割引き下げ体育実習費を廃止するなど学費の抜本見直しを発…
「村上ファンド」本の一つだが、これは村上に極めて批判的だ。逮捕前の村上の記者会見など、完膚なきまでに「詭弁」と切って捨てている。村上と言えば、子供のころに100万円を父親から与えられ、株の運用でその後の小遣いをまかなったという(自ら作った…