2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

それで、儲かるの?

さまざまな「プロジェクト」にいくらかかったのか(さらに、現在の価格に換算したらいくらなのか)を、イラストともに紹介した小著。2001年までに使われた、金融システム安定化のための税金が「40兆3341億円」というのが、気が遠くなるような金額…

関係の化学としての文学

精神科医・斎藤環氏の文学論集。すべての関係は性的関係であることを前提に読解する。各章ごとに「要約」がついている親切なつくりとなっている。取り上げられている作品も、私は未読のものが多いけれど、桐野夏生、金原ひとみ、谷崎潤一郎、中上健次など、…

レベッカ

ヒッチコックの傑作だが、今まで見過ごしていた。何でこれまで見なかったのだろう。初めに想定した話から徐々にズレて行き、意外な結末が待っている。2時間を越える作品だが、全く飽きさせない。一つ残る謎は、この作品の主人公は、名前の与えられていない…

日本政治の正体

田原総一朗が、戦後の日本政治を振り返る著作。順番がやや変わっていて、年代順ではなく、第一章が小泉純一郎とそれ以降、第二章が田中角栄、第三章が吉田茂・鳩山・岸・佐藤栄作、第四章が中曽根などだが、「立ち回りが大好きなのに、詰めが甘い」小沢一郎…

チューリングを受け継ぐ

チューリングの業績を、その経歴とともに紹介する本だが、後半は一転して自作小説となる。しかも「第三部」のみで、前半の部分はホームページで、という異色の構成。素人の書いた小説は、リアリティに乏しいことが欠点になる場合が多いけれど、本書の小説「…

ハイテク社会を生きる

非常にお世話になっている北樹出版から出た本の悪口は言いたくないのだが・・・。私にとって読んで意味があったのは、作家の瀬名秀明氏が書いた第1章と、遺伝子組み換え作物について書かれた第6章くらいで、残りの章はほとんど中身がスカスカである。編者…

ふるさとの海 瀬戸内の人・町・暮らし

4日前に紹介した「瀬戸内海を歩く」の続編的な色彩の本だが、こちらの方が文章が少なく写真の多い、ビジュアルなつくりとなっている。中国新聞の記者4人が、瀬戸内海の離島を取材してつくった本で、中国新聞に2004年に掲載された記事をまとめたもの。

ストリートの思想

80年代から現代までの思想の流れを、ストリート系を中心に概説するもので、ガタリの「東京横断」、「EP−4」や「じゃがたら」といったバンド、カルチュラル・スタディーズの隆盛と変容、「素人の乱」などが、分かりやすい言葉で描かれる。渋谷区の宮下公…

シュリンキング・ニッポン

人口減少社会を迎え、都市をどのように作ってゆくのかという問題に対して、建築家の大野秀敏氏が「ファイバー・シティ」を提唱する著作。といっても単著ではなく、途中には建築家を中心としてさまざまな人々による「運動」などの事例がはさみこまれている。…

加藤和彦氏が自殺。まだ62歳というのも意外。グループ・サウンズ時代のことはよく知らないが、歌謡曲の作曲家として身近に感じていた存在だった。竹内まりやの「戻っておいで 私の時間」や「ドリーム・オブ・ユー」、岩崎良美の「愛してモナムール」や「ど…

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業

タイトルは長いが、中身は薄い。各所で矛盾したことも書いている。ビジネスに本当に役立つのだろうか?こんな本を読む社員がいる企業が「バカ企業」ではないのか。

新刊紹介http://www.seidosha.co.jp/index.php?%A5%CD%A5%C3%A5%C8%B8%A1%BA%F7%B3%D7%CC%BFいま校正を見てるけれど、本当に11月中に出るのかちょっと心配。

グーテンベルクからグーグルへ

タイトルに惹かれて読んだが、残念ながら大した本ではない。テクストの確定的な編集が難しいというのは、いまでは本にかかわる人々(著者・編集者・研究者・読書人など)の間では常識に類する。それを、さまざまな事例を挙げながら小難しくこねくりまわす。…

思想の中の数学的構造

論理学、哲学を専攻する著者が、数学と思想との関係について『現代数学』『Basic数学』などの雑誌に掲載した論文を集めたもの。思想家が数学に弱いことを憤っており、レヴィ=ストロースやヘーゲルなどもその点を批判されている。易の二元論から三元論を生成…

江田島市、呉市

江田島に渡る。往路はバスを使うことにした。呉駅前から、倉橋島の方に行くバスに乗ったが、最初は非常に混んでいた。バス乗り場も、倉橋島へは3番乗り場というので3番乗り場で待っていたのだが、2番乗り場に停まり、2番乗り場の方に「9時までは2番乗…

瀬戸内海を歩く 環境・地誌編

中国新聞の記者が、瀬戸内海の各島を歩いて取材したもの。1995年から1998年にかけて書かれたものだから、既に10年以上前か。多少は変化しているところもあるだろう。

大崎下島・豊島

朝早い新幹線に乗って三原へ行き、呉線に乗り換え安芸津へ。さらにフェリーで大崎上島の大西港へ渡り、バスで明石港(兵庫にあらず)へ移動し、大崎下島の大長港へ。ここでもうお昼。フェリー乗り場の近くで昼定食を食べ、旧豊町役場、現呉市豊支所へ。合併…

世界恐慌と経済政策

世界恐慌後の「高橋(是清)財政」を、今日的な視点から実証的に検証する意欲作。「マクロ経済のトリレンマ」(=資本移動の自由、固定為替レート、自律的な金融政策の3つを同時には達成できないことを指す)の中で、「小国」としてポンドに追随し、積極的…

絶滅危惧ビデオ大全

ビデオで発売中止になったり、DVDに移植されることもなく消えていくビデオ作品の数々を紹介する。ゲテモノ、キワモノ多数収録。竹中直人の「放送禁止テレビ」が見てみたい。

断崖

ヒッチコックの1941年の作品。俳優の演技はやや大時代的に思われるところもあるが、遊び人の夫が殺人犯ではないかとの疑惑を抱く新妻の恐怖が上手に描かれている。断崖 [DVD] FRT-107出版社/メーカー: ファーストトレーディング発売日: 2006/12/14メディ…

世界の地下鉄

2005年3月時点における世界各国の地下鉄について、網羅的に紹介するもの。ひょっとしたらそろそろ改訂版が出るのかもしれない。アフリカで地下鉄があるのがエジプトのカイロだけであるとか、スイスで地下鉄があるのがジュネーブやチューリヒやベルンで…

日本はなぜ貧しい人が多いのか

エコノミスト原田泰氏の著作。主として「NIKKEI NET BIZ」に連載されていた短い論文をまとめて再構成したもの。さまざまな経済・社会問題について、通説を盲信せずに、データに基づいた論証を行っていて勉強になる。 特に日本の現在の年金が世界…

矢と失

「矢」と「失」とは、形は似ていますが、字源的には無関係です。「矢」は矢の形を表した象形文字。「失」の方は説が分かれていて、説文解字や、それを受け継ぐ加藤常賢、藤堂明保の説では「手+乙」で手からスルッと何かが失われていく意味を表すとされ、白…

このあいだ東京でね

青木淳悟の短篇小説集。この人の小説は初めて読んだが、小説と言ってよいのかどうなのか。まず登場人物に名前が与えられていない。物語的な部分に、都市や建築・交通などにまつわるエッセイとも論説ともつかぬ部分が大きく食い込み、どちらかというとそちら…

ものづくり革命

あまり期待しないで読み始めたが、予想以上に素晴らしい中身の本だった。情報社会を考える上で必読書と言ってよいかもしれない。著者は「考える「もの」たち」のニール・ガーシェンフェルド(MITのビット・アンド・アトムズセンター所長)。ガーシェンフ…

数学者のアタマの中

著者はベルギー生まれの数学者。数学という学問の営みを、素人にも分かるように語る。本題とは関係ないが、日本の岩波数学辞典の英語版が、MIT(マサチューセッツ工科大学)から出版されて高い評価を受けていることを初めて知った。日本数学学会も捨てた…

テレビと「恫喝の政治」

中川昭一氏が亡くなって、約一週間が過ぎた。自殺なのか事故死なのか、まあ「自殺に近い事故死」というのが真相に近そうだが、50代の政治家の早すぎる死は哀れを誘う。初めての落選直後であること、先代(故・中川一郎)も道半ばにして縊死していること、…

早朝から夜まで入試関係業務に忙殺される。それに加えて予算上の厄介な問題まで噴出し、会議が長引く。帰ったときにはヘトヘト・フラフラ。

封印作品の憂鬱

封印作品を追い続けているジャーナリスト・安藤健二氏の著書。三章構成で、第一章は「日本テレビ版ドラエもん」。藤本弘(藤子・F・不二雄)がこの作品を嫌っていただけではなく、制作会社の「日本テレビ動画」というのが怪しい会社で、どうも田中角栄との…

織田信長 最後の茶会

ユニークな視点から書かれた信長論。第一章では、過去の歴史書などにおいて信長がどのように書かれてきたかを概説し、現在のような人気はなかったことを証す。第二章では、本能寺の変の「黒幕」とされてきた人物について、その妥当性を検討(はかばかしい結…