2009-10-20 関係の化学としての文学 book 精神科医・斎藤環氏の文学論集。すべての関係は性的関係であることを前提に読解する。各章ごとに「要約」がついている親切なつくりとなっている。取り上げられている作品も、私は未読のものが多いけれど、桐野夏生、金原ひとみ、谷崎潤一郎、中上健次など、魅力的なラインナップとなっている。特に中上健次については(高山文彦による評伝『エレクトラ』に依拠する部分も大きいが)、イメージを覆されるような事実をいろいろと教えられた。