知らなかった・・・須原一秀氏の自殺

須原一秀氏は、知る人ぞ知る思想家・哲学者で、私も『超越錯覚』『弱腰矯正読本』『現代の全体をとらえる一番大きくて簡単な枠組』など、彼の本は愛読していた。近年、消息を聞かないと思ったら、昨年4月に自殺していたそうである。なおかつ、自殺を肯定する遺稿を残して・・・。ショックだ。氏は1940年生まれだから、若者の夭折とは意味が違うけれど、平均寿命が80歳程度まで伸びた現在、円熟した時間を自ら棄てたに等しい。須原氏は現代という時代を肯定的に捉える人であったから、なおさら衝撃は大きい。急に現代に否定的な考え方になったのか、それとも自殺すらも肯定することにしたのか、こうしたことは発売されたばかりという氏の遺稿『自死という生き方』(双葉社ISBN:9784575299984)を読まなければ分からないが。ちなみに、一日だけだが、氏はこのはてなダイアリーにも、id:KANTANで日記を残している。
自死という生き方』はamazonにはまだ収録されていないようだが、セブンアンドワイでは、次のような紹介文が書かれている。

著者は立命館大学の哲学講師。06年4月、自死を遂げるが、そこには一冊分の完成原稿が残されていた。自殺の意味と理由、方法、哲学的背景、そして決行日に向けての心理分析と行動録…淡々と描かれる「積極的な死の受容」の記録がここに。

終生非常勤のままだったことが自死の原因だとは考えたくないが、それが一因としたら学界の罪は深い。2chには鳥居で首吊り自殺をしたとの情報もあるが、本当なのだろうか。

高学歴男性におくる 弱腰矯正読本―男の解放と変性意識

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超越錯覚―人はなぜ斜にかまえるか

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