鼠について

の上部は臼のような形をしていますが、臼を使った字ではなく、これ全体でネズミの象形文字です。鼠を使った字は、あまり使う機会はないですが、モグラネズミ)、(たいりくいたち)(いたち)、(むささび)、(トガリネズミ)、(もぐら)、(アマクチネズミ)など、ネズミに類する小動物の種類を表します。
鼠と紛らわしい字に、タテガミを表すがあります。これは、タテガミのある馬の頭部の象形文字だそうです。今ではさらに、髟を添えて、「」にする方が多いかもしれません。鼠の略字が「」ですが、のツクリはねずみではなく、この巤の方です。他によく使われる字として、人形や燭のロウ(これも略字は)や、(これの略字は「」)がありますね。

キュレーションの時代

ITジャーナリストの第一人者である佐々木俊尚氏の著作。情報が氾濫する中で、それをキュレートする役割が重要度を増すというのが骨子なのだが、その骨子を支える肉の部分が豊富で面白い。特に、美術の話題が豊富で、アウトサイダー・アートの話や、シャガールの話題など、飽きさせない。第二章の「背伸び消費の終焉」も、われわれの消費生活の変容の一端を確かに捉えていると思う。
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

日本は破産しない!

日本の純資産は大きく黒字であること、日本国債の人気は高く投売りされる可能性はないこと、日本とギリシアは国民性が全く違うことなどを論拠に、日本が破産することはないと断言する。それなりに説得力はあるのだが、その断言口調がややトンデモ本的なにおいを発する。
著者の主たる主張はデフレへの攻撃。後半ではデフレが諸悪の根源だと繰り返し述べる。確かに景気の点では、デフレは悪影響を及ぼすだろう。だが、われわれが豊かさを享受できるのは、まさに物価が下がっているおかげかもしれない。資産を持っている人や、給与生活者・年金受給者が過度に有利になり、企業家には過酷という面は確かにあるのだが・・・
日本は破産しない!?騙されるな!「国債暴落で国家破産!」はトンデモ話だ!