鼠の上部は臼のような形をしていますが、臼を使った字ではなく、これ全体でネズミの象形文字です。鼠を使った字は、あまり使う機会はないですが、鼢(モグラネズミ)、鼪(たいりくいたち)鼬(いたち)、鼯(むささび)、鼱(トガリネズミ)、鼹(もぐら)、鼷(アマクチネズミ)など、ネズミに類する小動物の種類を表します。
鼠と紛らわしい字に、タテガミを表す巤があります。これは、タテガミのある馬の頭部の象形文字だそうです。今ではさらに、髟を添えて、「鬣」にする方が多いかもしれません。鼠の略字が「鼡」ですが、猟のツクリはねずみではなく、この巤の方です。他によく使われる字として、蠟人形や蠟燭のロウ(これも略字は蝋)や、臘(これの略字は「臈」)がありますね。
キュレーションの時代
ITジャーナリストの第一人者である佐々木俊尚氏の著作。情報が氾濫する中で、それをキュレートする役割が重要度を増すというのが骨子なのだが、その骨子を支える肉の部分が豊富で面白い。特に、美術の話題が豊富で、アウトサイダー・アートの話や、シャガールの話題など、飽きさせない。第二章の「背伸び消費の終焉」も、われわれの消費生活の変容の一端を確かに捉えていると思う。