関係の化学としての文学

精神科医斎藤環氏の文学論集。すべての関係は性的関係であることを前提に読解する。各章ごとに「要約」がついている親切なつくりとなっている。取り上げられている作品も、私は未読のものが多いけれど、桐野夏生金原ひとみ谷崎潤一郎中上健次など、魅力的なラインナップとなっている。特に中上健次については(高山文彦による評伝『エレクトラ』に依拠する部分も大きいが)、イメージを覆されるような事実をいろいろと教えられた。
関係の化学としての文学

それで、儲かるの?

さまざまな「プロジェクト」にいくらかかったのか(さらに、現在の価格に換算したらいくらなのか)を、イラストともに紹介した小著。2001年までに使われた、金融システム安定化のための税金が「40兆3341億円」というのが、気が遠くなるような金額だ。戦艦「大和」と戦艦「武蔵」の建造費も、当時のお金で2億5797万円だが、現在の価値に直すと「約8兆円」という。大きなお金が次々出てくるので、だんだん感覚が麻痺してくるのが難点。
それで、儲かるの?―「東京ディズニーシー」の建設費から、「W杯」の費用まで!

バルカン超特急

先日からヒッチコックの「名作」をDVDでいろいろ見ているけれど、この作品はスパイもので、時代設定にどうにも古臭さが目立ち、「レベッカ」ほどは楽しめなかった。

バルカン超特急 [DVD] FRT-035

バルカン超特急 [DVD] FRT-035