アンテナに入れているグレッグ・マンキューのブログhttp://gregmankiw.blogspot.com/で知ったのだが、フランスではよりピグー税(環境税)の色彩の強い新税の導入を検討し、より環境に配慮した生活をするようにと人々を誘導することを検討しているらしい。基本的にはよいことだ。そういえば日本ではガソリンの価格が下がっているが、もっと増税してもよい。

越境者 松田優作

私の若いころ、松田優作は紛れもなくヒーローの一人だった。「太陽にほえろ」のジーパン刑事や、「探偵物語」での工藤ちゃん、カッコよかった。高校の同級生のKなどは、集合写真の時まで、優作風のサングラスとポーズで「決めて」いたほどだ。
本書は、元妻によって素顔の松田優作が描かれている。在日に生まれ、かつ、兄二人とは父親が違い(「松田」という姓は兄の父のもの)、別に正妻のいた実父は母を捨てて逃げてしまった。高校の時、母に、米国で弁護士になれとアメリカ留学へむりやり送りだされたものの、言葉の壁にぶつかり一年足らずで帰国という挫折体験もあった。
優作が引越し好きというのも知らなかった。何度も引越したおかげで二人の貯金は底をつく。生まれた娘を可愛がりながらも、若い女優(後妻となる熊谷美由紀)に手を出し、著者の元を去ってゆく。
著者はシナリオライター・ノンフィクション作家としても知られているが、その割には文章は読みにくいところがある。なぜだろう。
越境者 松田優作

東京の島

両者ともトラベルライターの斎藤潤氏の新書。島人とのほのぼのとした交流や、島の産業などが描かれる。ほとんどの個所を笑いながら読めるけれど、前者の中の、子供を救うために海で命を落した女性インストラクターへの追悼文には、襟を正さざるを得なかった。後者には、普通の人がなかなか行けない、硫黄島沖ノ鳥島への紀行文も含まれている。沖ノ鳥島は、遠い。那覇から船で往復80時間以上もかかる。
東京の島 (光文社新書)
沖縄・奄美《島旅》紀行 (光文社新書)