死を超えるもの

著者は森一郎氏だが、もちろん『試験に出る英単語』の著者とは別人です。この森氏は、東京女子大学教授の哲学者です。
前半では、友人や恩師の遺稿集を編んだ経験や、大学での体育館保存運動に関わった経験から、人間にとっての死の意味を考える。後半は３１１以降に書かれた部分で、人間にとっての原子力の意味を、ハイデガーやアーレントを手がかりに考える。哲学は未だ、実践的問題と切り結ぶだけの力を持つことができる。