政権交代の経済学

日経ビジネス・オンラインでのコラムをまとめた共著。第一部は「経済理論から政策を考える」、第二部は「民主党の経済政策を点検する」と題され、計全20章を、8人の執筆者で分担している。
私が特に興味深く読んだのは、第17章「日本経済の「輸出依存型体質」は是正すべきか?」。なんとなくわれわれは、「外需から内需中心へ」というスローガンが正しいような気がしているが、これが全くの間違いであることが著者によって示されている。まず、輸出=外需ではないことを指摘、日本経済の輸出依存度はアメリカについで低く、現状できわめて内需依存型であること、輸出産業はきわめて生産性が高く、もし輸出産業の従事者を(例えば福祉産業のような)内需部門に移すと、経済全体の生産性が低下することが示される。要は、伸ばすべき輸出はさらに伸ばすことが肝心、ということのようだ。
政権交代の経済学