封印作品の謎

テレビや雑誌などで発表された作品の中には、その「差別性」などが問題にされて、後には公開されない(再放送されない、DVD化されない、単行本化されない、など)ものがある。そうしたものをここでは封印作品と呼んでいる。もちろん、この情報時代、ネットで裏取引されていたり、あるいは国会図書館で原資料に当たることは不可能ではないにしろ、権利者や原作者が「ないもの」として扱っているものだ。具体的には、第一章では原爆被害者との間で問題となった『ウルトラセブン』第12話、第二章は精神障害者の扱われ方が問題化した『怪奇大作戦』24話http://www.nicovideo.jp/watch/sm1777492、第3章はやはり被爆者との間で問題となった映画『ノストラダムスの大予言』、第4章は医学的な間違いが指摘された『ブラックジャック』第41話、第58話が、取り上げられている。第3章では、グリフォンという会社が『ノストラダムスの大予言』と『獣人雪男』のビデオ発売を予告していたのが、発売中止となった経緯も不気味だ。この会社の本業は「地上げ屋」らしく、社長も行方不明とささやかれている。
第5章はやや毛色が変わっていて、著者の懺悔と言ってもよいかもしれない。著者は産経新聞記者時代、埼玉県庁が、「Oー157」予防ゲームを作った際、そのキャラクターが『水夏』という18禁のアダルトゲームのキャラクターを流用したものであることを問題視して記事にし、結局そのゲームは封印作品となった。しかし、締め切りに追われていて当時は見なかった元のアダルトゲーム「水夏」を実際にプレイしてみると、確かに性的なシーンはわずかにあるものの、むしろ死や人生について深く考えさせる、良質なゲームであったことを知るのである。萌えるキャラを積極的に広報に使っていた、三鷹市水道部の事例なども紹介されている。
封印作品の謎
こんなページもありますね。http://homepage3.nifty.com/kaoru2002/sub45nosutoramovie.html