脱・道路の時代

土木業者やその意を受けた議員などは、盛んに道路を作ろうとする。その際に援用されるのが行政やシンクタンクなどが作る需要予測などの計算だが、計算の前提などは隠されていることが多く、実態は勝手な前提に基づいた極めていい加減なものである。著者は、もはや今後は新しい道路を「作る時代」から、これまでに作った道路を「使う時代」に入ったとし、安直な新道路建設を戒め、道路特定財源一般財源化を提唱する。極めて時宜を得た提言であろう。
2日前に読んだ「ITS新時代」も、注意深く読むと、例えば高速道路の渋滞緩和と、環境の改善の間に、極めて都合のいいような関係を仮定していた。確かに、スピードアップによって燃費が改善される面があるにしても、便利さが増せば新たに自動車に乗る層も出現するのだから。
脱・道路の時代