一昨日と昨日は、筑波大学大学院で集中講義「比較情報社会」を行ってきました。17名の履修者のうち、過半が中国人留学生だったのですが、彼らがみな一番後ろに座り、授業中何も発言してくれないのでがっかりしました。数が多くて互いに牽制しているのか、それとも興味がないのに履修しているのか・・・

生ける屍の結末

黒子のバスケ」脅迫事件(「黒子のバスケ」の連載中止や関連イベントの中止を求めて、掲示板での脅迫や、上智大学での毒ガス発生や、食品への毒物混入)の犯人が自ら書いた手記。一読して分かる通り、相当な性格の歪みもあるけれど、検事が漏らしたとおり、非常に「地頭の良い」人物であることが分かる。お金がない中で犯行を行うために、さまざまな工夫を行っている。また、生育上同情すべき点も多々ある。
貧しい家庭に生まれ、両親はほぼ「育児放棄」に近い。学校ではイジメに遭い、性癖は同性愛と、不利な条件が揃っている。高卒後は専門学校中退、アルバイトで一人暮らしをするが、その生活は「極貧」と言ってよい。それまでほぼ空調のない部屋で過ごしてきた著者にとって、拘置所をホテルのように快適と言っているのは本心からだろう。
おそらく来月、著者は4年半の刑期を終えて出所する計算となる(未決勾留期間160日を参入)。著者は本書の中で、出所したら自殺すると宣言しているが、何としても阻止する必要があると思う。確かに脅迫は卑劣な本書の一部は、現代社会を考える上で、中学や高校の教科書に教材として掲載してもいいくらいの価値がある。本人はその方をいやがるかもしれないが。

生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相

生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相

スノーデン

オリエンタルラジオさんにささげる


スノーデン

あっちゃんいつものやったげて おお聞きたいか俺のスノーデン
そのすごいスノーデンを言ったげて 奴の伝説ベストテン

アメリカはノースカロライナ生まれ 両親ともに公務員
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

アン・アランデン大学を中退 インターネットにどっぷりはまる
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

イラク戦争に自ら志願 しかし両足骨折で除退
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

NSAからCIAへ CIAからNSA
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

横田基地でも働いていた 実はけっこう日本語できる
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

諜報機関の監視に気付き 許せないことと覚悟固める
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

休暇を使って香港に飛び ジャーナリストに資料を渡す
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

アメリカ政府は暴露に激怒 スノーデンの市民権を奪う
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

香港からモスクワに逃げる しかし空港で足止めされる
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

監視社会の実態暴き そして自分が監視をされる
スノーデンスノーデン スノーデンデンデデンデン

通信会社もIT企業も 国家組織の言いなりで
電話の会話やメールの中味は 諜報機関ダダ漏れ

「テロを防ぐため」それは口実で
ホントは利権を守るため

デデンデンデデンデン デデンデンデンデデンデン


あの頃、バブル

終わらない「失われた20年」

 きたたんこと北田暁大・東大教授による時評集だが、何と言っても読みどころは上野千鶴子氏の文章を徹底批判した第1章「脱成長派は優し気な仮面をかぶったトランピアンである」だと思う。元となった上野千鶴子氏の新聞記事は話題になったので私も読んだが、ここまで徹底的に批判を加えるエネルギーには感服した。上野氏だけでなく、左派が「ネタからベタへ」、左派ナショナリストへと変容してしまう危険を徹底的に暴き、下部構造(経済)を考えないと安倍政権を倒すことができないと説く。是非一読していただきたい。
終わらない「失われた20年」 (筑摩選書)

特権キャリア警察官

副題は「日本を支配する600人の野望」。キャリア警察官の「出世」について詳述してある。特に第2章、山口敬之・元
TBSワシントン支局長によるレイプ事件をもみ消した中村格について詳しく書かれているところは必読である。中村はそれだけでなく、同じTBSの薬物事件までもみ消している。理由は、「そうして支局長の時は逮捕しなかったのか」と整合性を問われるから。そして、そうまでして政権に媚びを売るのは、警察庁長官になりたいから。本当に腐っている。
東大の同級生の向山喜浩君が、情報通信企画課長に出世していた。おめでとうございます(笑)。

特権キャリア警察官 日本を支配する600人の野望

特権キャリア警察官 日本を支配する600人の野望

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

随分と長いタイトル!タイトル通り、人類学者の著者が、ボルネオのプナン族のもとでフィールドワークをして考えたことがエッセイ風に記されている。
このプナン族、日本人というか、先進国の人々とは考え方が大きく違う。まず「反省」ということをしないし、だれかが失敗したり、悪いことをしたりしても、その人を責めない。責めずに再発防止策を考える。
それと、所有にこだわらない。プナン族は基本的に、いまだ狩猟民族である。獲物が獲れればみんなで分け、獲れなければみんなで我慢する。
また、だれかに「ほしい」と言われたら、あげなくてはならない。惜しまずに物やカネをあげられる人が、ビッグマンとしてうやまわれ、ケチくさいことをすると権威は失墜する。
排泄などもあけっぴろげで、トイレではなく住居の周りに排泄する。「糞場」を通るとき、「あれは誰のだ」と批評したりする。
性については、「ペニス・ピン」という痛そうな習慣もある。亀頭に穴をあけて、骨やら木やらでできた棒を刺すのだ。もっとも近年では装着率は下がっているそうだが。

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

はじめての沖縄

「はじめての沖縄」といえば岸教授のこの本。便利なガイドブックでは全くなく、むしろ沖縄に向き合うわれわれの姿勢を問題にしている。
はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)
私が行っている地域情報化政策に関する調査は、個人と向き合うというよりは自治体を対象とするものだが、それでも「どのような立ち位置に立つか」という問題は回避できない。一言で言えば政府は、金で沖縄を黙らせる手段の一つとして地域情報化政策も活用している。
離島の地域情報化政策