いかにして民主主義は失われていくのか

新自由主義が民主主義を掘り崩すさまを描き出す。特に第4章で、イラクの戦争と旱魃の乗じ、それまで自立的に行われてきたイラク農業に対して、米国のアグリビジネスが襲い掛かり、結局モンサントの種子がなければ農業を営めなくさせてしまうさまは衝撃的というほかない。また、第6章で論じられている、アメリカの公立大学で、教養教育が掘り崩され、職業教育の方にシフトせざるを得ない状況に追い込まれていることは、日本の大学にとってもまったく他人事ではない。

紹介されているこの洋書も気になります。