映画の胎動

初期映画と前衛映画とにはさまれた時代である1910年代の映画は、これまでの研究の蓄積も薄く、映画史穴だったらしい。著者はまだ若い京大の助教だが、そこに力技でひとつの業績をなしとげた。それもロシア、仏独伊、日本のすべてに目配りをする形で。たいへんな達成なのだろうと思う。