断片的なものの社会学

こちらは龍谷大学の岸政彦氏の著作。加藤氏の著作との共通点は、やはり平易であること。社会学とついてはいるものの、普通のエッセイと同じように見える。人生の、社会の断片が、ふとしたところから垣間見える瞬間を、岸氏は見逃さない。
社会学やメディア論の魅力の多くが、この「素人っぽさ」にあるのではなかろうか。それはひょっとすると、「誰でも近づけるように見えて、実は近付き難い」という閾の高さにつながっているのかもしれないが・・・。事実、加藤氏や岸氏のような中身で、学会誌の査読を通すのは至難のワザなのではないか。