超格差社会・韓国

タイトル通り、韓国の現在を解説したもの。章立ては以下の通り。
序章 格差社会・韓国の変貌
第1章 迷走する教育熱と受験戦争
第2章 壮絶な企業サバイバル
第3章 ネット先進国の光と影
第4章 人口構成急変の歪み
第5章 分裂する韓国社会
 韓国はとにかく激しい国だ。日本では新入社員と社長の給与の格差は10倍程度だが、韓国では約100倍。第1章で描かれる受験熱もすごい。子供たちは夜遅くまで塾通いを余儀なくされ、それを取り締まる法律ができるほどだが、親たちは守らない。海外留学させる親も多い。
第3章はもっとも興味あるところ。韓国は日本以上にネットの利用が盛んで、新聞もCDもDVDも全く売れなくなったという。2007年の「情報通信網利用促進法」で実名制を導入し、13桁の住民登録番号を使っているものの、「他人の登録番号を使って書き込める」(p.139)など抜け穴も多いと著者は言う。
子供が持てないと諦める若者や若夫婦は多く、高齢化のスピードは日本より急で(第4章)、よく言われるように「全羅道慶尚道」といった地域対立も激しい(第5章)。
 悪いけど、韓国に生まれなくて本当によかった。よいところは様々な決定が早いことだが、それもこうした欠点と裏腹では・・・
超格差社会・韓国 (扶桑社新書 56)